茶トラ猫の鮮やかなオレンジ色の毛並みや、サビ猫の複雑な模様の仕組みは、1世紀以上にわたり科学者や猫好きの間で謎とされてきました。
1912年にアメリカの遺伝学者クラレンス・クック・リトルが、猫の毛色の遺伝をX染色体と結びつける説を提唱して以来の謎でした。

この長年の謎が、日本とアメリカの科学者チームによる最新の研究によってついに解明されました1。日本の九州大学とアメリカのスタンフォード大学のチームがそれぞれ独立して行った研究により、オレンジ色の毛色に関わる遺伝子、通称「オレンジ遺伝子」の正体がARHGAP36であることが特定されたのです2...。これらの研究は、生物学プレプリントサーバーのbioRxivで公開されています。

茶トラ猫のオレンジ色は、このARHGAP36遺伝子内のDNAが一部欠けている欠失変異に関連しています。

この変異によって、通常は働かないはずのARHGAP36遺伝子が色素細胞内で活性化し、黒い色素の生成が妨げられ、代わりにオレンジ色の色素が作られることが明らかになりました。
ARHGAP36は毛包の発育期に作用し、オレンジ色の部分で活発に活動し、非オレンジ色の部分ではおおむねオフ状態になります。

また、茶トラ猫にオスが圧倒的に多い理由も、このARHGAP36遺伝子がX染色体上に存在するという事実から説明できます。 https://open.firstory.me/user/cma7smwcr1nxt01vb2gajgk2j/comments

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