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世界各地で、新型コロナウイルスの流行による様々な影響が出ています。 健康への不安はもちろんですが、経済面への影響も大きくなっています。世界の二大経済体である中国大陸とアメリカが大きな影響を受けている中、国際通貨基金(IMF)は、2020年の世界経済の成長率を、マイナス3.0%と予測しています。
日本でも、自営業者や派遣社員、フリーランサーの中には、明日の生活が厳しい、という方もたくさんいらっしゃるようです。そして、就職活動中の学生さんの中にも、不安を覚えている人は多いと思います。とにかく、今は、できるだけ早い収束を祈るばかりです。
現時点で、新型コロナウイルスの封じ込めに成功しているといえる台湾ではありますが、やはり正常な経済活動が行えないことで、経済面の影響がでています。一例をあげますと、人々の外出の機会が減り、また「鎖国」状態をとっている中、観光・旅行業界や、外食産業、エンターテイメント産業などの落ち込みが顕著となっています。
行政院主計処が11日に発表した統計によりますと、3月の経常性賃金の平均は、台湾元42309元(日本円にしておよそ15万1700円)と2月に比べ0.01%減少しました。経常性賃金というのは、基本給に諸手当を加算した賃金です。毎年31日ある3月に比べ、2月は28日間、うるう年でも29日間です。当然、出勤日数も3月は2月よりも多くなります。そのため、例年3月の平均経常性賃金は2月を上回るのが一般的なのですが、今回は0.01%ながら減少しました。
3月の平均経常性賃金が2月に比べ減少したのは、1981年以来、実に39年ぶりということです。新型コロナウイルスの流行により、台湾では、給料がもらえない休暇「無給休暇」を行っている企業も増加中、5月中旬の時点で、1047社と1000社を越え、実施人数は1万9000人と、2万人近くに達しています。主計総処では、こうした新型コロナウイルス流行が、賃金に影響を与えていると指摘、4月はさらに顕著となると述べています。
こうした中、台湾企業の職員採用、大学、大学院など新卒者の採用、賃金の状況はどうなっているのでしょうか。本日のこのコーナーでは、大手人材バンクの調査結果などを元に、特に、台湾のフレッシュパーソンを取り巻く現状、そして彼らの思いについて、ご紹介したいと思います。
大手人材バンクの「1111人力銀行」は先週の13日、企業の採用に関する最新の調査結果を発表しました。台湾ではまもなく、大学、専科学校でおよそ28万人が卒業を迎えます。
まずは、中途採用も含めた採用全体についてです。62%の企業は、新型コロナウイルスは、採用計画へ影響を与えない、と答えました。一方、計画を見直すと答えた残りの38%の企業は、採用の延期、採用ルートの多様化、採用人数の減少などを検討していると答えました。
「1111人力銀行」の担当者は、「例年、旧正月明けに転職者が増える傾向があるが、今年は新型コロナウイルス流行により動きが鈍っており、結果、企業による募集も減っていた。しかし、3ヶ月以上経過、5月に入り、募集の動きが出てきている」としています。
続いては、この6月に、大学、専科学校、大学院などを卒業する新卒者採用の状況です。日本で大学生は大学3年の後半から準備を始め、4年次に活動、在学中に内定をもらうことが一般的ですが、台湾では、在学中の企業でのインターンは増えているものの、卒業直前から本格的な就職活動をすることが多く、今がちょうど準備期間、就職活動のシーズンなんですね。
「1111人力銀行」の調査によりますと、今年の新卒者のうち、63.7%が卒業後に就職したいと考えています。このうち55.2%が正規の仕事を、8.5%は兼業でできる仕事を探しているということです。ただ、この63.7%という割合は、昨年の調査結果、72.5%から9ポイント近く減少しました。
「1111人力銀行」でも、新型コロナウイルスの影響は、SARSや金融危機よりも大きいと見ており、海外での就職を夢見ていた若者の夢は今年に関しては叶いそうにはありません。こうした中、多くの新卒者が不安を感じており、卒業前に、就職先が決まる自信があるという人はわずか16%のみ、また、内定が出るまでの予想期間は、平均4.2ヶ月と、昨年の平均2.9ヶ月よりも1ヶ月以上も長くかかるとみています。
彼らの抱える不安は、就職先が決まるか否かだけではありません。30歳以下の新卒者を対象にした調査によりますと、彼らの不安のトップ5は、「産業自体の今後の展望が不透明」が48.6%で最も多くなっています。続いて多かったのは「就業機会の減少」で44.4%、「無給休暇を実施される可能性」が41.6%、「出勤日数、給料カット」が40.2%、「初任給の低さ」が38.8%でした。
では、企業側はどのように考えているのでしょうか、「1111人力銀行」の調査では、6割近い企業が、今年もフレッシュパーソンを採用したいと答えました。そしてこのうち、約半分、52.1%の企業は毎年新卒者の採用をしているということです。ただ、新型コロナウイルスの影響により、初任給の平均は、台湾元2万8106元(日本円にしておよそ10万700円)と、昨年の同時期比で、0.43%減と昨年を下回りました。中でも大卒者は0.69%マイナスの平均2万7854元となりました。一方で、大学院の修士課程卒の新卒者への影響はなく、むしろ昨年同時期比で3.06%のプラスとなりました。
「1111人力銀行」の担当者はこの結果に対し、修士課程卒の新卒者を採用する意欲のある企業は、比較的規模が大きく、基盤もしっかりとしている企業が多く、短期間の景気の変動が、給与に影響しにくいと分析しています。この担当者によりますと、すでに今年卒業する学生のうち、4割が就職活動を行っているとして、早めに始動するよう呼びかけました。担当者によりますと、セールス、不動産・保険、事務などの業種は比較的募集が多いといいます。
こうした中、労働部は、企業に対する従業員の賃金の補助など、台湾元60億元(日本円およそ214億8800万円)を投じ、青年就業安定プランを打ち出し、企業による新卒者を中心とした若者の採用を後押ししています。また、地方自治体も同様の取り組みをおこなっています。このような、政府のサポートと、体力のある企業の努力により、できるだけ若者を採用し、コロナ終息後のV字回復に備えてほしいですね。
By 駒田 英, Rti世界各地で、新型コロナウイルスの流行による様々な影響が出ています。 健康への不安はもちろんですが、経済面への影響も大きくなっています。世界の二大経済体である中国大陸とアメリカが大きな影響を受けている中、国際通貨基金(IMF)は、2020年の世界経済の成長率を、マイナス3.0%と予測しています。
日本でも、自営業者や派遣社員、フリーランサーの中には、明日の生活が厳しい、という方もたくさんいらっしゃるようです。そして、就職活動中の学生さんの中にも、不安を覚えている人は多いと思います。とにかく、今は、できるだけ早い収束を祈るばかりです。
現時点で、新型コロナウイルスの封じ込めに成功しているといえる台湾ではありますが、やはり正常な経済活動が行えないことで、経済面の影響がでています。一例をあげますと、人々の外出の機会が減り、また「鎖国」状態をとっている中、観光・旅行業界や、外食産業、エンターテイメント産業などの落ち込みが顕著となっています。
行政院主計処が11日に発表した統計によりますと、3月の経常性賃金の平均は、台湾元42309元(日本円にしておよそ15万1700円)と2月に比べ0.01%減少しました。経常性賃金というのは、基本給に諸手当を加算した賃金です。毎年31日ある3月に比べ、2月は28日間、うるう年でも29日間です。当然、出勤日数も3月は2月よりも多くなります。そのため、例年3月の平均経常性賃金は2月を上回るのが一般的なのですが、今回は0.01%ながら減少しました。
3月の平均経常性賃金が2月に比べ減少したのは、1981年以来、実に39年ぶりということです。新型コロナウイルスの流行により、台湾では、給料がもらえない休暇「無給休暇」を行っている企業も増加中、5月中旬の時点で、1047社と1000社を越え、実施人数は1万9000人と、2万人近くに達しています。主計総処では、こうした新型コロナウイルス流行が、賃金に影響を与えていると指摘、4月はさらに顕著となると述べています。
こうした中、台湾企業の職員採用、大学、大学院など新卒者の採用、賃金の状況はどうなっているのでしょうか。本日のこのコーナーでは、大手人材バンクの調査結果などを元に、特に、台湾のフレッシュパーソンを取り巻く現状、そして彼らの思いについて、ご紹介したいと思います。
大手人材バンクの「1111人力銀行」は先週の13日、企業の採用に関する最新の調査結果を発表しました。台湾ではまもなく、大学、専科学校でおよそ28万人が卒業を迎えます。
まずは、中途採用も含めた採用全体についてです。62%の企業は、新型コロナウイルスは、採用計画へ影響を与えない、と答えました。一方、計画を見直すと答えた残りの38%の企業は、採用の延期、採用ルートの多様化、採用人数の減少などを検討していると答えました。
「1111人力銀行」の担当者は、「例年、旧正月明けに転職者が増える傾向があるが、今年は新型コロナウイルス流行により動きが鈍っており、結果、企業による募集も減っていた。しかし、3ヶ月以上経過、5月に入り、募集の動きが出てきている」としています。
続いては、この6月に、大学、専科学校、大学院などを卒業する新卒者採用の状況です。日本で大学生は大学3年の後半から準備を始め、4年次に活動、在学中に内定をもらうことが一般的ですが、台湾では、在学中の企業でのインターンは増えているものの、卒業直前から本格的な就職活動をすることが多く、今がちょうど準備期間、就職活動のシーズンなんですね。
「1111人力銀行」の調査によりますと、今年の新卒者のうち、63.7%が卒業後に就職したいと考えています。このうち55.2%が正規の仕事を、8.5%は兼業でできる仕事を探しているということです。ただ、この63.7%という割合は、昨年の調査結果、72.5%から9ポイント近く減少しました。
「1111人力銀行」でも、新型コロナウイルスの影響は、SARSや金融危機よりも大きいと見ており、海外での就職を夢見ていた若者の夢は今年に関しては叶いそうにはありません。こうした中、多くの新卒者が不安を感じており、卒業前に、就職先が決まる自信があるという人はわずか16%のみ、また、内定が出るまでの予想期間は、平均4.2ヶ月と、昨年の平均2.9ヶ月よりも1ヶ月以上も長くかかるとみています。
彼らの抱える不安は、就職先が決まるか否かだけではありません。30歳以下の新卒者を対象にした調査によりますと、彼らの不安のトップ5は、「産業自体の今後の展望が不透明」が48.6%で最も多くなっています。続いて多かったのは「就業機会の減少」で44.4%、「無給休暇を実施される可能性」が41.6%、「出勤日数、給料カット」が40.2%、「初任給の低さ」が38.8%でした。
では、企業側はどのように考えているのでしょうか、「1111人力銀行」の調査では、6割近い企業が、今年もフレッシュパーソンを採用したいと答えました。そしてこのうち、約半分、52.1%の企業は毎年新卒者の採用をしているということです。ただ、新型コロナウイルスの影響により、初任給の平均は、台湾元2万8106元(日本円にしておよそ10万700円)と、昨年の同時期比で、0.43%減と昨年を下回りました。中でも大卒者は0.69%マイナスの平均2万7854元となりました。一方で、大学院の修士課程卒の新卒者への影響はなく、むしろ昨年同時期比で3.06%のプラスとなりました。
「1111人力銀行」の担当者はこの結果に対し、修士課程卒の新卒者を採用する意欲のある企業は、比較的規模が大きく、基盤もしっかりとしている企業が多く、短期間の景気の変動が、給与に影響しにくいと分析しています。この担当者によりますと、すでに今年卒業する学生のうち、4割が就職活動を行っているとして、早めに始動するよう呼びかけました。担当者によりますと、セールス、不動産・保険、事務などの業種は比較的募集が多いといいます。
こうした中、労働部は、企業に対する従業員の賃金の補助など、台湾元60億元(日本円およそ214億8800万円)を投じ、青年就業安定プランを打ち出し、企業による新卒者を中心とした若者の採用を後押ししています。また、地方自治体も同様の取り組みをおこなっています。このような、政府のサポートと、体力のある企業の努力により、できるだけ若者を採用し、コロナ終息後のV字回復に備えてほしいですね。