資料Xから読み解く世界

ユヴァル・ノア・ハラリ『NEXUS 情報の人類史』:情報ネットワークから読み解く人類の歴史、AI時代の「賢いヒト」への警鐘


Listen Later

ユヴァル・ノア・ハラリ著『NEXUS 情報の人類史』は、人類の歴史を情報ネットワークの視点から壮大なスケールで描いた作品です。原題は『Nexus: A Brief History of Information Networks from the Stone Age to AI』で、河出書房新社より2025年3月5日に上下巻で刊行されました。
本書は、石器時代からAI時代に至るまで、人類がいかに情報ネットワークを構築し、それによって途方もない力を獲得してきたかを考察します。同時に、人間が情報を膨大に蓄積し、力を得ながらも、なぜ知恵を伴わないまま自滅的な道を進むのか、その根源を**「情報」と「ネットワーク」の問題**として深く掘り下げています。

ハラリは、人間社会が「大規模な協力のネットワーク」を構築することで力を得てきたものの、その構造自体が力を無分別に使いやすくしていると主張します。また、情報の量が増えれば真実と知恵につながるという**「情報の素朴な見方」に疑問を呈し**、虚構や妄想が大規模なネットワークをまとめ、秩序を生み出してきた歴史的例としてナチズムやスターリン主義を挙げ、妄想的なネットワークも非常に強力になりうることを指摘しています。

特にAIの台頭がもたらす脅威と可能性に焦点を当て、AIが単なる道具ではなく、自ら情報を分析し意思決定する**「行為主体」となりうることを警告しています。AI研究者の間でも、その無軌道な発展が人命の喪失や人類の絶滅につながりかねないという懸念が共有されていることを紹介しています。さらに、情報がポピュリズムによって「武器」として利用され**、社会に分断をもたらす危険性についても深く掘り下げています。

本書は、過去の情報革命をひもとき、AIがもたらす「史上最大の情報革命」の政治的な意味合いと、その脅威に人間がどう対処すべきかを探求することで、情報ネットワークと知恵ある力の扱い方について、より微妙で希望に満ちた見方を提示することを目指しています。

『NEXUS 情報の人類史』は、「知の巨人」ハラリの「超話題作」と評されており、発売当初からAmazonや全国主要書店でベストセラーとなり、多くのメディアで注目を集めています。AI革命の未来を考える上で重要なヒントを数多く提供する一冊です。

Become a free member and never miss an update: https://open.firstory.me/join/cma7smwcr1nxt01vb2gajgk2j
投げ銭でこの番組を応援する: https://open.firstory.me/user/cma7smwcr1nxt01vb2gajgk2j
このエピソードへの感想をコメントで教えてください: https://open.firstory.me/user/cma7smwcr1nxt01vb2gajgk2j/comments



Powered by Firstory Hosting
...more
View all episodesView all episodes
Download on the App Store

資料Xから読み解く世界By けろりん