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制度の無駄を経済学の知見で改善する「マーケットデザイン」とは?|PETボトルのリサイクル最適化から考える|ゲスト:東京大学マーケットデザインセンター野田俊也さんと考える


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東京大学マーケットデザインセンターでプロジェクトマネージャーを務める野田俊也さんをお招きし、日本のペットボトルリサイクル制度の最適化について掘り下げました。

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野田さんの専門分野である「マーケットデザイン」とは、市場を成り立たせるための制度を設計する科学であり、ゲーム理論や数理的な分析を用いて、より効率のいい制度を構築するための学術領域。経済や社会の多くの状況は、複数のプレイヤーが自己の利益を最大化しようとする「ゲーム的な状況」であるため、ゲーム理論を基盤として社会実装を重んじる経済学の新潮流です。

日本ではペットボトルのリサイクル率は8割を超え、欧米よりも高い水準にあります。家庭ゴミのうち、容量ベースで6割が容器や包装のゴミであるため、そのリサイクル効率向上は持続可能な社会の実現に大きく寄与します。

マーケットデザインの視点から見ると、現行のリサイクル環境制度にも改善の余地があるというのが野田俊也さんの見立てで、「封印入札」ではなく、「同時競り上げ入札」への移行を提案しています。この変更により、ペットボトルの資源としての価値が最大化され、自治体の売却収入も高くなると試算されています。

👤今週のゲスト 野田俊也(東京大学マーケットデザインセンター プロジェクトマネジャー)

1990年生まれ。東京大学経済学部経済学科卒業。東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。スタンフォード大学経済学部博士課程修了。経済学博士。ブリティッシュコロンビア大学経済学部助教授を経て現職。東京大学大学院経済学研究科講師も務める。

https://x.com/himagegine

👤ホスト 西村博一(「Foresight」編集長)

1970年、千葉県佐倉市生まれ。東京大学文学部英語英米文学科卒業後、94年に株式会社新潮社に入社。96年から2006年まで「Foresight」編集部に所属。文庫編集部、文芸出版部、小説誌「yom yom」編集長などを経て、21年より現職。

https://x.com/Fsight

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