がんなどの病気になった際の高額な医療費を抑えてくれる仕組みについて、政府が自己負担額を増やす方針を示し、患者などからは不安の声があがっています。
主婦(60代)
「娘が29歳の時に(子宮けい)がんになって、いざという時には本当にありがたい制度。払えないです、何百万て」
医療のセーフティーネットといわれる「高額療養費制度」。手術や入院で治療が高額になった場合に、自己負担額を抑えてくれる仕組みです。
年間およそ1250万人が利用していますが、政府は去年12月、自己負担しなくてはならない額の上限を今年8月から段階的に引き上げる方針を決めました。
その理由について福岡厚労大臣はきょうの国会で…
福岡資麿 厚労大臣
「現在と同様のペースで高額療養費が増加し続けた場合に制度の持続可能性という観点、保険料負担の抑制をはかり、患者の方々にとって大変意義のある、この制度自体の持続可能性を高める観点から行いたいと考えている」
自己負担額の上限は年収や年齢に応じて異なりますが、政府の方針では年収およそ300万円の人の場合、現在の限度額はひと月5万7600円ですが2027年には8万円近くにまで上がります。
また、年収およそ600万円の人のひと月の限度額8万100円ほどは、2027年には11万円を超えることになります。
街の人たちからは賛否の声が…
会社員(20代)
「(引き上げに)賛成ですね。社会保険料をこれ以上、上がらないようにしてほしい」
歯科衛生士(30代)
「反対ですかね。大きい病気した時に一気にお金が飛んでしまうのは厳しいので。誰でも(高額療養費制度を)使う可能性があるので」
また、長く闘病を続けるがん患者の間では不安が広がっています。
胃がんの治療中の女性(40代)
「長い目で見た時に生活を保ちながら、治療をしていくことができるのか不安もある」
女性は7年前に胃がんと診断され、現在はパートタイムで働きながら週に1回程度通院し、薬を投与する治療を続けています。
3割負担で医療費を支払った場合、月およそ45万円ほどですが、「高額療養費制度」を利用することで自己負担額は月4万4400円に抑えられています。
胃がんの治療中の女性(40代)
「ただでさえ病気というだけで不安なのに、お金の面でも不安を抱えて治療していかなきゃいけないというのはすごく精神的にくるものがある」
きょう公表された、子どものいるがん患者らを対象にしたアンケート結果では、家計への影響を懸念する声が。
およそ6割の人は、子どもの「塾や習い事を減らす」と回答しました。
2人の子どもを持つがん患者 水戸部ゆうこさん
「一番困ってる人に届けられるような政策を審議してもらいたいですね」
医療のセーフティーネットはどうなるのか。政府は長期の治療を受ける人向けに負担の増加を緩和する方向で調整を始めています。
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