永瀬清子の世界

#102「短章「もしも私が」」


Listen Later

私たちは、生きている限り、強くもなれば弱くもなります。その強さや弱さの表れとして「人は裏切ろうと思わずに人を裏切る」うえに「自分は自分をも裏切る」ことになるのかもしれません。そしてこれは昔からの「人間のかたち」とあるように、人間が人間である以上避けられない「悲しみ」なのかもしれません。つまり、「もしも私が死んだら」という仮定は、生き物としての「死」ではなく、「裏切る」ことによる心の「死」といえるでしょう。たとえ「私自身は人を裏切るまい。」と心に誓ったところで、そのことにより誰かを傷つけ、結果として悲しみをもたらすことさえあるかもしれません。そんな逃れられない人間の矛盾が描かれています。<文・白根直子>

...more
View all episodesView all episodes
Download on the App Store

永瀬清子の世界By 永瀬清子の世界