
Sign up to save your podcasts
Or
オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」
エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」
作詞作曲 楠元純一郎
編曲 山之内馨
ラジオ収録20220315
中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国の小学校教諭)
読解者・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)
読解者 福留邦浩(国際関係学者)楠元純一郎(法学者)
中国語朗読 刘耀鸿
聴講 张晓良 張智航 劉凱戈
便所は教場からはなれたところにあつてちやうど隣の八幡様の笹藪のしたになつてゐる。ちよつぺいはそこに待ちかまへてゐて「相撲とらう」といふ。
<八幡様(はちまんさま)→武運の神様を祀る神社。笹藪→笹は稲科の植物、背が高いものは竹、低いものは笹。笹薮(ささやぶ)→笹が乱雑に生い茂って密集しているところ。相撲をとらう→相撲をとろう→相撲をとる→相撲をする→相撲→筋肉を付けた力士の格闘技、日本古来の神事>
厕所和教室有一段距离,在旁边的八幡神社的竹林下边。啾平在那里等到我来了,说:“我们来玩相扑吧。”
見ればほかの奴らは廊下の手すりをのりこえて崖の甘根を掘つたり、へな土の団子をこしらへてぶつけあつたりしてゐる。彼らは小用にかこつけてちよつと息ぬきにくるのだつた。
<崖(がけ)。甘根→稲科のチグサの地下茎で噛むを甘い。へな土→粘土→粘っこい土。土器の原材料にもなる。小用→小便。かこつけて→ほかの何かと強引に関連付けること。息抜き→緊張を緩めリラックスすること>
仔细一看,其他的孩子都越过走廊的扶手栏杆,去山崖边挖白茅,用土搓丸子扔来扔去。原来他们都用上厕所当作借口在偷懒。
ちよつぺいが「とらう とらう」とせきたてるので今日が今日まで伯母さん相手に四王天清正の立廻りのほかやつたことのない私ははたと当惑したがのつぴきならず
「あぶないからそうつとだよ」と弱いことをいひながらいいかげんに取組んだ。
<せきたてる→急きたてる→急がす、すぐにするよう催促する。今日が今日まで→たった今まで。四王天清正→四王天政孝(明智光秀の家臣)と加藤清正の戦い(山崎合戦)→須弥山(しゅみせんsumeru→古代インドの世界観の中心にそびえる高山)の中腹にあたる所=玄奘三蔵法師は須弥山を妙高山と訳したとか 。清正→加藤清正。豊臣秀吉の部下で戦国武将。立廻り→立ち回り→振る舞い、自分が有利になるよう行動すること。はたと→急に立ち止まったり、気づいたりすること。当惑した(とうわく)→まごついた、戸惑った。のつぴきならない→退き、引きできない→どうにもならない。そうっと→秘かに、静かに、軽く。いいかげんに→ほどほどに、適当に>
啾平“玩嘛,玩嘛!”地催着我。以前除了和阿姨一起玩过四王天清正的游戏之外其他的都没玩过,我手足无措,但是也没办法,就说:“那可危险,你要轻点啊。”然后和他很克制地扭打在一起。
力のあるちよつぺいは「はつけよい はつけよい」と景気よく掛声をしながらくるくる人をひき廻したためむざんやさすがの清正も忽ち袴の裾をふんで尻餅をついてしまつた。彼は鼻たかだかと「弱えな。またこんだとらう」と先にたつて帰つてゆく。
<はっけよい→八卦よい→相撲の行司が力士にかける掛け声。八卦→乾(けん)=天(てん)、兌(だ)=沢(たく)、離(り)=火(か)、震(しん)=雷(らい)、巽(そん)=風(ふう)、坎(かん)=水(すい)、艮(ごん)=山(さん)、坤(こん)=地(ち)。むざん→無惨→残酷。さすがの〜も→普通より実力がある者でも負けざるを得ない、実力があることを一応認めつつも、それとは相反する感情。忽ち(たちまち)→すぐに。 尻餅をつく→転んで尻を地面に打ち付けること。鼻たかだかと→自慢げに、得意げに、偉そうな天狗になっている状態。>
力气大的他“嘿!嘿!”地大声吆喝着,很快就拽着我转来转去,清正大人忽然踩到自己的裙摆,摔了个大屁股蹲儿,啾平得意地说“你很弱耶,下次我们再玩吧。”,先我一步回了教室。
私もねぢくれた著物をなほして後についていつた。教場へはひるやいなや彼はなにくはぬ顔で「先生ただいま」とひよつこり頭をさげた。私も黙つて頭をさげた。
<ねじくれた→捻れて歪んだ。なほす→直す→元に戻す、改める。なに食わぬ顔→注意を逸らすためわざと平然としている顔。ひょっこり→思いがけず、不意に、突然に>
我整理了一下被弄皱的衣服,跟在后面。刚刚进教室,他就若无其事地向老师点头,说:“老师我回来了。”我也默不作声地低下头。
ほかの奴もぞろぞろ帰つてきたが、甘根を掘つてた奴はあんまりいつまでもかじつてたもので先生に立たされ、おまけに懐からはみだしてる甘根をみつかつて大眼玉をくつた。私はもう二度と便所へは行くまいと思つた。
<ぞろぞろ→多勢が引き続いて。懐(ふところ)→着物の胸のあたりの内側の部分。大目玉を食らう→酷(ひど)く叱られる、怒られる。行くまい→まい→打消しの推量、禁止の決意(二度と行かないぞ)>
其他的孩子也一个一个回来了,但是挖白茅的家伙时间太长,被老师罚站了。而且胸前露出了白茅被发现,被狠狠地训了。我想,以后我再也不上课的时候上厕所了。
オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」
エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」
作詞作曲 楠元純一郎
編曲 山之内馨
ラジオ収録20220315
中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国の小学校教諭)
読解者・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)
読解者 福留邦浩(国際関係学者)楠元純一郎(法学者)
中国語朗読 刘耀鸿
聴講 张晓良 張智航 劉凱戈
便所は教場からはなれたところにあつてちやうど隣の八幡様の笹藪のしたになつてゐる。ちよつぺいはそこに待ちかまへてゐて「相撲とらう」といふ。
<八幡様(はちまんさま)→武運の神様を祀る神社。笹藪→笹は稲科の植物、背が高いものは竹、低いものは笹。笹薮(ささやぶ)→笹が乱雑に生い茂って密集しているところ。相撲をとらう→相撲をとろう→相撲をとる→相撲をする→相撲→筋肉を付けた力士の格闘技、日本古来の神事>
厕所和教室有一段距离,在旁边的八幡神社的竹林下边。啾平在那里等到我来了,说:“我们来玩相扑吧。”
見ればほかの奴らは廊下の手すりをのりこえて崖の甘根を掘つたり、へな土の団子をこしらへてぶつけあつたりしてゐる。彼らは小用にかこつけてちよつと息ぬきにくるのだつた。
<崖(がけ)。甘根→稲科のチグサの地下茎で噛むを甘い。へな土→粘土→粘っこい土。土器の原材料にもなる。小用→小便。かこつけて→ほかの何かと強引に関連付けること。息抜き→緊張を緩めリラックスすること>
仔细一看,其他的孩子都越过走廊的扶手栏杆,去山崖边挖白茅,用土搓丸子扔来扔去。原来他们都用上厕所当作借口在偷懒。
ちよつぺいが「とらう とらう」とせきたてるので今日が今日まで伯母さん相手に四王天清正の立廻りのほかやつたことのない私ははたと当惑したがのつぴきならず
「あぶないからそうつとだよ」と弱いことをいひながらいいかげんに取組んだ。
<せきたてる→急きたてる→急がす、すぐにするよう催促する。今日が今日まで→たった今まで。四王天清正→四王天政孝(明智光秀の家臣)と加藤清正の戦い(山崎合戦)→須弥山(しゅみせんsumeru→古代インドの世界観の中心にそびえる高山)の中腹にあたる所=玄奘三蔵法師は須弥山を妙高山と訳したとか 。清正→加藤清正。豊臣秀吉の部下で戦国武将。立廻り→立ち回り→振る舞い、自分が有利になるよう行動すること。はたと→急に立ち止まったり、気づいたりすること。当惑した(とうわく)→まごついた、戸惑った。のつぴきならない→退き、引きできない→どうにもならない。そうっと→秘かに、静かに、軽く。いいかげんに→ほどほどに、適当に>
啾平“玩嘛,玩嘛!”地催着我。以前除了和阿姨一起玩过四王天清正的游戏之外其他的都没玩过,我手足无措,但是也没办法,就说:“那可危险,你要轻点啊。”然后和他很克制地扭打在一起。
力のあるちよつぺいは「はつけよい はつけよい」と景気よく掛声をしながらくるくる人をひき廻したためむざんやさすがの清正も忽ち袴の裾をふんで尻餅をついてしまつた。彼は鼻たかだかと「弱えな。またこんだとらう」と先にたつて帰つてゆく。
<はっけよい→八卦よい→相撲の行司が力士にかける掛け声。八卦→乾(けん)=天(てん)、兌(だ)=沢(たく)、離(り)=火(か)、震(しん)=雷(らい)、巽(そん)=風(ふう)、坎(かん)=水(すい)、艮(ごん)=山(さん)、坤(こん)=地(ち)。むざん→無惨→残酷。さすがの〜も→普通より実力がある者でも負けざるを得ない、実力があることを一応認めつつも、それとは相反する感情。忽ち(たちまち)→すぐに。 尻餅をつく→転んで尻を地面に打ち付けること。鼻たかだかと→自慢げに、得意げに、偉そうな天狗になっている状態。>
力气大的他“嘿!嘿!”地大声吆喝着,很快就拽着我转来转去,清正大人忽然踩到自己的裙摆,摔了个大屁股蹲儿,啾平得意地说“你很弱耶,下次我们再玩吧。”,先我一步回了教室。
私もねぢくれた著物をなほして後についていつた。教場へはひるやいなや彼はなにくはぬ顔で「先生ただいま」とひよつこり頭をさげた。私も黙つて頭をさげた。
<ねじくれた→捻れて歪んだ。なほす→直す→元に戻す、改める。なに食わぬ顔→注意を逸らすためわざと平然としている顔。ひょっこり→思いがけず、不意に、突然に>
我整理了一下被弄皱的衣服,跟在后面。刚刚进教室,他就若无其事地向老师点头,说:“老师我回来了。”我也默不作声地低下头。
ほかの奴もぞろぞろ帰つてきたが、甘根を掘つてた奴はあんまりいつまでもかじつてたもので先生に立たされ、おまけに懐からはみだしてる甘根をみつかつて大眼玉をくつた。私はもう二度と便所へは行くまいと思つた。
<ぞろぞろ→多勢が引き続いて。懐(ふところ)→着物の胸のあたりの内側の部分。大目玉を食らう→酷(ひど)く叱られる、怒られる。行くまい→まい→打消しの推量、禁止の決意(二度と行かないぞ)>
其他的孩子也一个一个回来了,但是挖白茅的家伙时间太长,被老师罚站了。而且胸前露出了白茅被发现,被狠狠地训了。我想,以后我再也不上课的时候上厕所了。
147 Listeners
235 Listeners
0 Listeners
181 Listeners
44 Listeners