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ラジオ収録20220503
中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国の小学校教諭)
読解者・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)
読解者 福留邦浩(国際関係学者)楠元純一郎(法学者)
中国語朗読 刘耀鸿
聴講 张晓良 張智航 劉凱戈 孟徳偉
こちらへこしてからも私は三日にあげず怖い夢に魘(おそ)はれて夜よるよなか家ぢゆう逃げまはらなければならなかつた。
<こしてから→引っ越してきてから、移転してから。三日にあげず→三日と経たないうちに?。夢に襲われる→怖い夢を見ること。夜よなか→夜の夜中→真夜中→深夜、夜半。逃げ回る→あちこち逃げる>
自从搬到这里,我不出三天就会做一场噩梦,深更半夜在家里胡乱逃窜。
そのひとつは、空中に径一尺ぐらゐの黒い渦巻がかかつて時計のぜんまいみたいに脈をうつ。
<径一尺→直径が約30cm。ぜんまい→ 金属のような弾性の強い素材を渦巻状に巻いた機械要素であり、巻かれた渦巻(うずまき)がもとに戻ろうとする力を動力源とするバネ。山菜のゼンマイの新芽に似ていることから。脈をうつ→心臓の鼓動に合わせて血液が血管を流れること、生き生きとした拍動。鼓動と拍動の違いは?>
其中一个梦是在空中出现了一个一尺大的黑色漩涡,好像钟表的发条一样不停跳动。
それが気味がわるくてならないのを一所懸命こらへてるとやがてどこからか化け鶴が一羽とんできてその渦巻をくはへる といふので、もうひとつは、暗闇のなかでなにか臓腑のやうにくちやくちやと揉みあつてゐる。
<気味がわるくて→なんとなく恐ろしくて気持ちが悪くて。ならない→気持ちを抑えられない。一生懸命=一所懸命。こらえて→堪えて。くわえる→銜える→口に軽く挟んで支えること。臓腑→はらわた、内臓 五臓六腑 おいしい酒→五臓六腑に染み渡る 五臓→心臓・肺臓・肝臓・腎臓・脾臓 六腑→胃・小腸・大腸・膀胱・胆嚢・三焦>
那感觉讨厌到不行,我却只能拼命地忍耐,接着不知从哪里飞来一只妖鹤,将那漩涡衔住向我飞来。还有一个梦,在黑暗当中有一个不知是谁的脏器一样的东西,黏糊糊地揉成一团。
と、それが女の顔になつて馬鹿みたいに口をあけはなし、目をぱつとあいて長い長い顔をする。
<あけはなし→開けっ放し。あいて→開けて>
然后,那东西变成一个女人的脸,嘴巴张的老大,眼睛“哈”地张开,让脸拉得长长的。
かと思へばその次には口をつぶつて横びろくし、目も鼻もくしやくしやに縮めて途方もないぴしやんこな顔になる。
<口をつぶって→閉じる。ぴしゃんこ寝室→ぺしゃんこ→圧し潰されて平らになった状態>
刚刚看清这些,接下来那嘴又闭上了,脸被横着拉开,眼睛和鼻子都被压缩着拉成一条细得不行的线。
そんなにして人が泣きだすまではいつまでも伸び縮みするのであつた。
这东西就这样伸伸缩缩,直到把我吓哭为止。
そのやうに魘はれてばかりゐるのは伯母さんのお伽話のせゐだらうといふ疑がおこつたのと、ひとつにはまた寐間をかへてみたらといふので私は父のそばに寐ることになつた。
<お伽噺(おとぎばなし)→非現実的な夢物語、子供に聞かせる昔話 寐間(ねま)>
我怀疑这些梦魇总是缠着我和阿姨给我讲的故事有关。而且家人让我换个屋子睡觉,我就和父亲睡在了一起。
が、毎晩父が話してくれる宮本武蔵や義経弁慶なぞの武勇譚もなんのかひもなく、化けものはおやぢぐらゐは屁とも思はずに相変らずやつてきた。
<宮本武蔵(みやもと むさし)、義経弁慶(よしつね べんけい)。なぞの→などの。武勇譚(ぶゆうたん)→武勇のお話。かひもなく→甲斐もなく→努力が報われない、効果がない。屁とも思わない→取るに足りない、屁とさえ思わない>
父亲每天晚上给我讲宫本武藏和义经辩庆的英勇故事,可是妖怪并没把父亲放在眼里,照样每次闯进我的梦中。
先の寐間には床の間の天井に魔がゐたが、こんだの部屋では柱にかかつた八角時計が一つ目になり、四本の障子が大きな口になつてみせた。
<寝間(ねま)→寝室。こんだの→今度の>
在以前卧室睡觉的时候,妖怪藏在壁橱上的天花板里,在这次的房间,它们藏在八卦钟那里,四张木制的拉门对我张开血盆大口。
ラジオ収録20220503
中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国の小学校教諭)
読解者・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)
読解者 福留邦浩(国際関係学者)楠元純一郎(法学者)
中国語朗読 刘耀鸿
聴講 张晓良 張智航 劉凱戈 孟徳偉
こちらへこしてからも私は三日にあげず怖い夢に魘(おそ)はれて夜よるよなか家ぢゆう逃げまはらなければならなかつた。
<こしてから→引っ越してきてから、移転してから。三日にあげず→三日と経たないうちに?。夢に襲われる→怖い夢を見ること。夜よなか→夜の夜中→真夜中→深夜、夜半。逃げ回る→あちこち逃げる>
自从搬到这里,我不出三天就会做一场噩梦,深更半夜在家里胡乱逃窜。
そのひとつは、空中に径一尺ぐらゐの黒い渦巻がかかつて時計のぜんまいみたいに脈をうつ。
<径一尺→直径が約30cm。ぜんまい→ 金属のような弾性の強い素材を渦巻状に巻いた機械要素であり、巻かれた渦巻(うずまき)がもとに戻ろうとする力を動力源とするバネ。山菜のゼンマイの新芽に似ていることから。脈をうつ→心臓の鼓動に合わせて血液が血管を流れること、生き生きとした拍動。鼓動と拍動の違いは?>
其中一个梦是在空中出现了一个一尺大的黑色漩涡,好像钟表的发条一样不停跳动。
それが気味がわるくてならないのを一所懸命こらへてるとやがてどこからか化け鶴が一羽とんできてその渦巻をくはへる といふので、もうひとつは、暗闇のなかでなにか臓腑のやうにくちやくちやと揉みあつてゐる。
<気味がわるくて→なんとなく恐ろしくて気持ちが悪くて。ならない→気持ちを抑えられない。一生懸命=一所懸命。こらえて→堪えて。くわえる→銜える→口に軽く挟んで支えること。臓腑→はらわた、内臓 五臓六腑 おいしい酒→五臓六腑に染み渡る 五臓→心臓・肺臓・肝臓・腎臓・脾臓 六腑→胃・小腸・大腸・膀胱・胆嚢・三焦>
那感觉讨厌到不行,我却只能拼命地忍耐,接着不知从哪里飞来一只妖鹤,将那漩涡衔住向我飞来。还有一个梦,在黑暗当中有一个不知是谁的脏器一样的东西,黏糊糊地揉成一团。
と、それが女の顔になつて馬鹿みたいに口をあけはなし、目をぱつとあいて長い長い顔をする。
<あけはなし→開けっ放し。あいて→開けて>
然后,那东西变成一个女人的脸,嘴巴张的老大,眼睛“哈”地张开,让脸拉得长长的。
かと思へばその次には口をつぶつて横びろくし、目も鼻もくしやくしやに縮めて途方もないぴしやんこな顔になる。
<口をつぶって→閉じる。ぴしゃんこ寝室→ぺしゃんこ→圧し潰されて平らになった状態>
刚刚看清这些,接下来那嘴又闭上了,脸被横着拉开,眼睛和鼻子都被压缩着拉成一条细得不行的线。
そんなにして人が泣きだすまではいつまでも伸び縮みするのであつた。
这东西就这样伸伸缩缩,直到把我吓哭为止。
そのやうに魘はれてばかりゐるのは伯母さんのお伽話のせゐだらうといふ疑がおこつたのと、ひとつにはまた寐間をかへてみたらといふので私は父のそばに寐ることになつた。
<お伽噺(おとぎばなし)→非現実的な夢物語、子供に聞かせる昔話 寐間(ねま)>
我怀疑这些梦魇总是缠着我和阿姨给我讲的故事有关。而且家人让我换个屋子睡觉,我就和父亲睡在了一起。
が、毎晩父が話してくれる宮本武蔵や義経弁慶なぞの武勇譚もなんのかひもなく、化けものはおやぢぐらゐは屁とも思はずに相変らずやつてきた。
<宮本武蔵(みやもと むさし)、義経弁慶(よしつね べんけい)。なぞの→などの。武勇譚(ぶゆうたん)→武勇のお話。かひもなく→甲斐もなく→努力が報われない、効果がない。屁とも思わない→取るに足りない、屁とさえ思わない>
父亲每天晚上给我讲宫本武藏和义经辩庆的英勇故事,可是妖怪并没把父亲放在眼里,照样每次闯进我的梦中。
先の寐間には床の間の天井に魔がゐたが、こんだの部屋では柱にかかつた八角時計が一つ目になり、四本の障子が大きな口になつてみせた。
<寝間(ねま)→寝室。こんだの→今度の>
在以前卧室睡觉的时候,妖怪藏在壁橱上的天花板里,在这次的房间,它们藏在八卦钟那里,四张木制的拉门对我张开血盆大口。
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