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145 中勘助『銀の匙』72(前編50②)>
ラジオ収録20230106
「レオンラジオ日の出」テーマ曲 作詞作曲 楠元純一郎 OP「水魚の交わり」、ED 「遺伝子の舟」
司会 楠元純一郎
中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国大慶の小学校美術教諭)
中国語翻訳 編集 レオー
読解者・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)
読解者 福留邦浩(国際関係学者)
中国語朗読 刘耀鸿
聴講 张晓良 張智航 劉凱戈
それをさまで気にするでもないらしく袂からお手玉をだしはじめるのを「なぜ来なかつたの」といへば案外平気で「富ちやんとこへいつてたから」といふ。
〈さまで→それほど。袂(たもと)→和服の袖の下のあたりの袋のように垂れた部分。袂を分かつ→絶縁、絶交、決別。とこ→ところ。〉
阿蕙似乎不太在意我的反应,从袖子里掏出小沙包来。 我问:“你之前为什么不来?” 她答得格外轻松:“我去阿富那儿了。”
畳みかけて「なぜ今日はいかないの」と詰なじれば事もなげに「富ちやんとこなんかいつちやいけないつてお母様かあさまに叱られたから」と答へる。
〈畳みかけて→相手に余裕を与えずに、立て続けて。詰(なじ)る→相手を問い詰めて責める、詰問する。事もなげに→なんでもないかのように、平然としている様。〉
我继续逼问:“那怎么今天不去他那儿了?” 她依然若无其事地说:“因为妈妈批评了我,叫我不能再去找阿富了。”
私は気を折られながらもいつぞやの怨みをすこしいつたらお蕙ちやんは「ごめんなさいね」と前おきをし、富ちやんが あんな子と遊ばないでも家へくればいくらでも面白いことがある といつたからだといひ訳をして「お母様に叱られて富ちやんが大嫌ひになつたからまたあなたと仲よくしませう」といふ。
<気を折られ→気が弱くなる、気落ちする、失望する、気力がくじける。いつぞやの→いつかの、先日の。怨み(うらみ)。前おき→前振り→枕(まくら)→本題に入る前にするちょっとした世間話。いひ訳→いい訳→そうせざるを得なかった事情を説明して了解を求めること。>
我感到泄气,忍不住又抱怨了一会儿以前的事,阿蕙这才说了对不起,并解释说之前是阿富要她不要再和我这样的孩子玩,说他家有的是好玩的东西。
“因为妈妈批评了我,我一点也不喜欢阿富了。我还是和你做好朋友吧!”
私の心をなんといはうか。お蕙ちやんはやつぱし私のものだつた。さうとは知らず富公は一日待ちくたびれてたのだらう。明る日学校でこちらが見張つてるとも気づかずこつそりそばへよつてなにかいひかけたがお蕙ちやんは もうあなたなんぞ嫌ひだ とけんもほろろの挨拶をした。お蕙ちやんはお母様に叱られて以来しんから彼を軽蔑するらしかつた。
<なんといはうか→なんといおうか。やつぱし→やっぱり、やはり。見張る→監視する。あんたなんぞ→あんたなんか。けんもほろろ→雉子の鳴き声が「けん」や「ほろほろ」で、そのハスキーな音が無愛想に聞こえることから、人の頼み、相談をまったく取り合わず、相手にせず、はねつけ、拒絶し、取り付く島もない→海で溺れても上陸する島もない。しんから→心底から。>
该怎么形容我那一刻的心情呢?阿蕙果然还是属于我的。富公不知道这件事,想必会等上她一整晚吧。第二天到了学校,富公没察觉我在偷偷观察他。只见他悄悄走到阿蕙身边,似乎对她说了些什么。阿蕙冷淡道:“我已经讨厌你了!”看样子被妈妈批评后,阿蕙是真心看不起富公了。
145 中勘助『銀の匙』72(前編50②)>
ラジオ収録20230106
「レオンラジオ日の出」テーマ曲 作詞作曲 楠元純一郎 OP「水魚の交わり」、ED 「遺伝子の舟」
司会 楠元純一郎
中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国大慶の小学校美術教諭)
中国語翻訳 編集 レオー
読解者・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)
読解者 福留邦浩(国際関係学者)
中国語朗読 刘耀鸿
聴講 张晓良 張智航 劉凱戈
それをさまで気にするでもないらしく袂からお手玉をだしはじめるのを「なぜ来なかつたの」といへば案外平気で「富ちやんとこへいつてたから」といふ。
〈さまで→それほど。袂(たもと)→和服の袖の下のあたりの袋のように垂れた部分。袂を分かつ→絶縁、絶交、決別。とこ→ところ。〉
阿蕙似乎不太在意我的反应,从袖子里掏出小沙包来。 我问:“你之前为什么不来?” 她答得格外轻松:“我去阿富那儿了。”
畳みかけて「なぜ今日はいかないの」と詰なじれば事もなげに「富ちやんとこなんかいつちやいけないつてお母様かあさまに叱られたから」と答へる。
〈畳みかけて→相手に余裕を与えずに、立て続けて。詰(なじ)る→相手を問い詰めて責める、詰問する。事もなげに→なんでもないかのように、平然としている様。〉
我继续逼问:“那怎么今天不去他那儿了?” 她依然若无其事地说:“因为妈妈批评了我,叫我不能再去找阿富了。”
私は気を折られながらもいつぞやの怨みをすこしいつたらお蕙ちやんは「ごめんなさいね」と前おきをし、富ちやんが あんな子と遊ばないでも家へくればいくらでも面白いことがある といつたからだといひ訳をして「お母様に叱られて富ちやんが大嫌ひになつたからまたあなたと仲よくしませう」といふ。
<気を折られ→気が弱くなる、気落ちする、失望する、気力がくじける。いつぞやの→いつかの、先日の。怨み(うらみ)。前おき→前振り→枕(まくら)→本題に入る前にするちょっとした世間話。いひ訳→いい訳→そうせざるを得なかった事情を説明して了解を求めること。>
我感到泄气,忍不住又抱怨了一会儿以前的事,阿蕙这才说了对不起,并解释说之前是阿富要她不要再和我这样的孩子玩,说他家有的是好玩的东西。
“因为妈妈批评了我,我一点也不喜欢阿富了。我还是和你做好朋友吧!”
私の心をなんといはうか。お蕙ちやんはやつぱし私のものだつた。さうとは知らず富公は一日待ちくたびれてたのだらう。明る日学校でこちらが見張つてるとも気づかずこつそりそばへよつてなにかいひかけたがお蕙ちやんは もうあなたなんぞ嫌ひだ とけんもほろろの挨拶をした。お蕙ちやんはお母様に叱られて以来しんから彼を軽蔑するらしかつた。
<なんといはうか→なんといおうか。やつぱし→やっぱり、やはり。見張る→監視する。あんたなんぞ→あんたなんか。けんもほろろ→雉子の鳴き声が「けん」や「ほろほろ」で、そのハスキーな音が無愛想に聞こえることから、人の頼み、相談をまったく取り合わず、相手にせず、はねつけ、拒絶し、取り付く島もない→海で溺れても上陸する島もない。しんから→心底から。>
该怎么形容我那一刻的心情呢?阿蕙果然还是属于我的。富公不知道这件事,想必会等上她一整晚吧。第二天到了学校,富公没察觉我在偷偷观察他。只见他悄悄走到阿蕙身边,似乎对她说了些什么。阿蕙冷淡道:“我已经讨厌你了!”看样子被妈妈批评后,阿蕙是真心看不起富公了。
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