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147 中勘助『銀の匙』74(前編51②)>
ラジオ収録20230120
「レオンラジオ日の出」テーマ曲 作詞作曲 楠元純一郎 OP「水魚の交わり」、ED 「遺伝子の舟」
司会 楠元純一郎
中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国大慶の小学校美術教諭)
中国語翻訳 編集 レオー
読解者・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)
読解者 福留邦浩(国際関係学者)
中国語朗読 刘耀鸿
聴講 张晓良 張智航 劉凱戈 吉川佳太
私たちは仲間はづれにされ意味ありげな眼にとりまかれてみじめな境涯に堕ちてしまつた。しかしさうなればいきほひ一層睦しくなり、厭はしい一日の課業をすませて家へ帰つて遊ぶときにはお互の胸にいひしらぬ楽しさと慰めのあふれるのをおぼえた。富公の意趣返しは日に日に悪辣になり、こちらの敵意もそれにつれてたかまつてゆく。
<ありげな→ありそうな。惨(みじ)めな→かわいそうで見るに忍びない、痛々しい様。境涯(きょうがい)→この世に生きていく上でおかれている立場、境遇、身の上。いきおい→自然の成り行きで、当然そうなる結果として。睦(むつ)ましい→睦まじい→仲がいい、情愛がこまやかだ。厭(いと)わしい→忌むべきだ、嫌だ、嫌いだ、避けたい。いいしらぬ→言い知らぬ→言い知れぬ→言い表せないほどの。おぼえた→感じた。意趣返(いしゅがえ)し→仕返し、復讐。日に日に→日を追うごとに、毎日毎日、悪辣(あくらつ)→タチが悪く、悪どい>
我和阿蕙被大家疏远,每天忍受着人们的有色眼光,处境一度十分悲惨。可是这反而让我们更加亲密。结束烦闷的课业,回家找彼此玩的时候,两人心里都感到说不出的快乐和安慰;我至今记忆犹新。富公的报复越发变本加厉,我们对他的敌意也越发高涨。
私はほかの雑兵ざふひやうばらはものの数とも思はないし、それに奴自身も案外強くないに相違ない。その證拠にはときどき私が赫かつとしてむかつてゆくと彼は一騎打ちをしずにうまく逃げて遠巻きにひとを苦しめようとする。私はやうやく相手を見くびると同時にいつか思ふさまこの返報をしてやらうといふ気がむらむらとおこつた。
<雑兵(ぞうひょう)→身分の低い兵隊、歩卒、雑魚(ザコ)。ばら→ども。ものの数→取り上げて数え立てるほどの価値のあるもの。 問題にすべきもの。 意に介すべきほどのもの。ものの数ではない→たいしたことない。奴(やつ)→嫌なやつ、いいやつ。證拠→証拠→判断の根拠。赫(かっ)として→怒りをもって。一騎討ち→一対一を原則として決着をつける戦闘手法。遠巻きに→接近せずに少し離れたところから。見くびる→侮る、軽く見る、過小評価する。思うさま→思う存分、思いのまま、満足いくまで。むらむらと→激しい感情や性的衝動が急に湧き起こるさま>
他的那些小跟班我从没放在眼里,他本人在我看来也是外强中干—当我偶尔动怒,要动真格的时候,他从未和我单挑,总是灵巧地躲开,在远处奚落我。我渐渐看不起他,心里涌起一个念头:迟早要痛快地报复他一次。
By Leo_楠元纯一郎147 中勘助『銀の匙』74(前編51②)>
ラジオ収録20230120
「レオンラジオ日の出」テーマ曲 作詞作曲 楠元純一郎 OP「水魚の交わり」、ED 「遺伝子の舟」
司会 楠元純一郎
中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国大慶の小学校美術教諭)
中国語翻訳 編集 レオー
読解者・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)
読解者 福留邦浩(国際関係学者)
中国語朗読 刘耀鸿
聴講 张晓良 張智航 劉凱戈 吉川佳太
私たちは仲間はづれにされ意味ありげな眼にとりまかれてみじめな境涯に堕ちてしまつた。しかしさうなればいきほひ一層睦しくなり、厭はしい一日の課業をすませて家へ帰つて遊ぶときにはお互の胸にいひしらぬ楽しさと慰めのあふれるのをおぼえた。富公の意趣返しは日に日に悪辣になり、こちらの敵意もそれにつれてたかまつてゆく。
<ありげな→ありそうな。惨(みじ)めな→かわいそうで見るに忍びない、痛々しい様。境涯(きょうがい)→この世に生きていく上でおかれている立場、境遇、身の上。いきおい→自然の成り行きで、当然そうなる結果として。睦(むつ)ましい→睦まじい→仲がいい、情愛がこまやかだ。厭(いと)わしい→忌むべきだ、嫌だ、嫌いだ、避けたい。いいしらぬ→言い知らぬ→言い知れぬ→言い表せないほどの。おぼえた→感じた。意趣返(いしゅがえ)し→仕返し、復讐。日に日に→日を追うごとに、毎日毎日、悪辣(あくらつ)→タチが悪く、悪どい>
我和阿蕙被大家疏远,每天忍受着人们的有色眼光,处境一度十分悲惨。可是这反而让我们更加亲密。结束烦闷的课业,回家找彼此玩的时候,两人心里都感到说不出的快乐和安慰;我至今记忆犹新。富公的报复越发变本加厉,我们对他的敌意也越发高涨。
私はほかの雑兵ざふひやうばらはものの数とも思はないし、それに奴自身も案外強くないに相違ない。その證拠にはときどき私が赫かつとしてむかつてゆくと彼は一騎打ちをしずにうまく逃げて遠巻きにひとを苦しめようとする。私はやうやく相手を見くびると同時にいつか思ふさまこの返報をしてやらうといふ気がむらむらとおこつた。
<雑兵(ぞうひょう)→身分の低い兵隊、歩卒、雑魚(ザコ)。ばら→ども。ものの数→取り上げて数え立てるほどの価値のあるもの。 問題にすべきもの。 意に介すべきほどのもの。ものの数ではない→たいしたことない。奴(やつ)→嫌なやつ、いいやつ。證拠→証拠→判断の根拠。赫(かっ)として→怒りをもって。一騎討ち→一対一を原則として決着をつける戦闘手法。遠巻きに→接近せずに少し離れたところから。見くびる→侮る、軽く見る、過小評価する。思うさま→思う存分、思いのまま、満足いくまで。むらむらと→激しい感情や性的衝動が急に湧き起こるさま>
他的那些小跟班我从没放在眼里,他本人在我看来也是外强中干—当我偶尔动怒,要动真格的时候,他从未和我单挑,总是灵巧地躲开,在远处奚落我。我渐渐看不起他,心里涌起一个念头:迟早要痛快地报复他一次。

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