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104(後編5①)>
ラジオ収録20240317
「レオンラジオ日の出」テーマ曲 作詞作曲 楠元純一郎 OP「水魚の交わり」、ED 「遺伝子の舟」司会 楠元純一郎 中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国大慶の小学校美術教諭)朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)読解者 福留邦浩(国際関係学博士)楠元純一郎
五
ある時これも教育といふ名義のもとにある海岸へつれてゆかれたことがあつた。兄は私のいつにないいい返事をあの楽しかつたいつぞやの旅行の記憶と、先に行つて待つてる私の好きなお友達――兄の――のためとはしらずたつ前の晩には上機嫌で毘沙門様の縁日へつれていつて「小国民」を一冊買つてくれた。
<海岸(かいがん)。つれてゆかれた→連れて行かれた。いつにない→普段は見られない。いつぞやの→いつだったか。たつ前→出発前。上機嫌(じょうきげん)→機嫌がよいこと。毘沙門(びしゃもん)→武神。縁日(えんにち)→もともとは仏教に縁(ゆかり)、由来(ゆらい)のある日、神仏供養の祭り。>
有一次,哥哥借教育我的名义,将我带到某处海岸。他不知道,我之所以那么爽快地答应与他同去,是因为从前那次快乐的旅行还留在我记忆中,并且有一位哥哥的朋友已经先行一步在海岸等我们,而我很喜欢他。出发前一天晚上,他高兴地带我到毗沙门神的庙会上,买了一本《小国民》送给我。
あくる朝はいつになく親切な兄につれられて このぶんならまあよかつた と思ひながら「小国民」を荷物に家をでた。ちやうど棚機様たなばたさまの日で、はうばうの百姓家には五色の短冊をつけた笹がたつて藁屋根に蛍草が涼しく咲いてゐる。私はもの珍しくそれらのものに見とれながら なぜ町ではさうしないのだらう といつてまづ最初の一喝をくつた。
<いつになく→いつもとは違って。このぶんなら→この調子なら。棚機(たなばた)様→七夕の敬語。織姫(おりひめ)と彦星(ひこぼし)が7月7日夜、天の川を渡って年に一回だけ会える日。はうばう→ほうぼう(方々)→あちこちの。短冊(たんざく)→短文の文字を書く細長い紙、木の薄い皮、竹の皮。笹(ささ)→藁屋根(わらやね)→藁葺(わらぶ)きの屋根。蛍草(ほたるぐさ)→ツユクサ。もの珍しく→漠然とした様態を表す、いかにも、なにかと珍しく。一喝(いっかつ)をくった→ひどく叱られた>
第二天一早,他带我走出家门,态度从未如此亲切。如果哥哥一直这样待我,那还是很好的—我这样想着,把《小国民》装进行李里。那天正好是七夕,家家户户支起拴着五色细长纸条的竹竿,茅草屋顶上的鸭拓草绽开,让人觉得清新凉爽。我很少见到这样的情景,看得入了迷,问哥哥为什么住在市里的人不做这些,就这样挨了当天的第一顿训。
104(後編5①)>
ラジオ収録20240317
「レオンラジオ日の出」テーマ曲 作詞作曲 楠元純一郎 OP「水魚の交わり」、ED 「遺伝子の舟」司会 楠元純一郎 中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国大慶の小学校美術教諭)朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)読解者 福留邦浩(国際関係学博士)楠元純一郎
五
ある時これも教育といふ名義のもとにある海岸へつれてゆかれたことがあつた。兄は私のいつにないいい返事をあの楽しかつたいつぞやの旅行の記憶と、先に行つて待つてる私の好きなお友達――兄の――のためとはしらずたつ前の晩には上機嫌で毘沙門様の縁日へつれていつて「小国民」を一冊買つてくれた。
<海岸(かいがん)。つれてゆかれた→連れて行かれた。いつにない→普段は見られない。いつぞやの→いつだったか。たつ前→出発前。上機嫌(じょうきげん)→機嫌がよいこと。毘沙門(びしゃもん)→武神。縁日(えんにち)→もともとは仏教に縁(ゆかり)、由来(ゆらい)のある日、神仏供養の祭り。>
有一次,哥哥借教育我的名义,将我带到某处海岸。他不知道,我之所以那么爽快地答应与他同去,是因为从前那次快乐的旅行还留在我记忆中,并且有一位哥哥的朋友已经先行一步在海岸等我们,而我很喜欢他。出发前一天晚上,他高兴地带我到毗沙门神的庙会上,买了一本《小国民》送给我。
あくる朝はいつになく親切な兄につれられて このぶんならまあよかつた と思ひながら「小国民」を荷物に家をでた。ちやうど棚機様たなばたさまの日で、はうばうの百姓家には五色の短冊をつけた笹がたつて藁屋根に蛍草が涼しく咲いてゐる。私はもの珍しくそれらのものに見とれながら なぜ町ではさうしないのだらう といつてまづ最初の一喝をくつた。
<いつになく→いつもとは違って。このぶんなら→この調子なら。棚機(たなばた)様→七夕の敬語。織姫(おりひめ)と彦星(ひこぼし)が7月7日夜、天の川を渡って年に一回だけ会える日。はうばう→ほうぼう(方々)→あちこちの。短冊(たんざく)→短文の文字を書く細長い紙、木の薄い皮、竹の皮。笹(ささ)→藁屋根(わらやね)→藁葺(わらぶ)きの屋根。蛍草(ほたるぐさ)→ツユクサ。もの珍しく→漠然とした様態を表す、いかにも、なにかと珍しく。一喝(いっかつ)をくった→ひどく叱られた>
第二天一早,他带我走出家门,态度从未如此亲切。如果哥哥一直这样待我,那还是很好的—我这样想着,把《小国民》装进行李里。那天正好是七夕,家家户户支起拴着五色细长纸条的竹竿,茅草屋顶上的鸭拓草绽开,让人觉得清新凉爽。我很少见到这样的情景,看得入了迷,问哥哥为什么住在市里的人不做这些,就这样挨了当天的第一顿训。
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