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2024年問題 ①


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「2000年問題」という言葉を覚えていらっしゃいますか。西暦 2000年に、コンピュータが年号を正しく認識しなくなるために、システムの誤作動でさまざまな混乱や影響が生じると心配された問題でした。その頃は僕も企業で、2000年対応をしていましたが、幸いに大きな混乱は生じませんでした。また、昨今「2024年問題」ということが言われていますが、ご存知でしょうか。2024年といえばもう来年のことですから、今そこにある危機として、今日は「2024年問題」について、改めてお話ししたいと思います。
まず2024年問題とは何かを簡単に説明すると、2024年4月から働き方改革関連法によって、トラックドライバーの時間外労働時間に上限規制が設けられることで、発生が予想されるさまざまな社会的な問題のことです。物流の2024年問題とも言われていますが、予想される問題は、単に物流業界に留まらないということです。
トラックのドライバーの時間外労働に規制がかかると、ひとりあたりの労働時間が減るかと思いますが、それがなぜそれほど大きな問題になるのでしょうか。それは日本国内の生活物資を含めた貨物輸送は、トラック輸送に大きく依存していることがあります。トンキロベースというのは、1トンの貨物を1キロ輸送する貨物量のことですが、それについてはトラックが国内貨物の約5割、フェリーや国内の海上輸送が4割、鉄道が5パーセント程度です。これが全体の輸送量になると、92パーセントが営業用と自家用のトラックによるからです。トラックというのは、そこまで重要な役割を果たしています。
スーパーマーケットで常に新鮮な野菜や商品が購入できること、コンビニでお昼の時間にお弁当やおにぎりなどの欠品がないこと、オンライン購入した商品が宅配便で指定の期日に配達されること。これらはわたしたちの日常生活の中であたりまえのことですが、それは産地から市場までの安定的なサプライチェーンを、基盤として支えているトラック輸送の存在があってのことです。トラックがそのように生活物資や産業関連の貨物輸送の多くを担っているとすれば、トラックドライバーの勤務時間が短縮化されると、ドライバー不足が生じることになります。トラックドライバーの勤務時間が短縮されると、そのような当たり前のサービスの提供に、支障が出る可能性があるということです。
その背景について少しお話します。まず1番目の要因として、来年2024年4月に、トラックドライバーの時間外労働時間が、年間960時間に制限されることがあります。これは2019年に施行された「働き方改革関連法」の一環で、トラックドライバーの労働環境の改善が図られるということでは、健全なことです。一方で時間外労働が制限されると、ドライバー一人当たりの走行距離が短くなり、ひとりでは長距離の幹線輸送などができないことにもなります。
2番目には、トラックドライバーの労働環境の問題があります。全日本トラック協会の調査では、トラックドライバーは全産業の平均と比較して、年間所得は5パーセントから1割程度低く、労働時間は約2割長いという状況があります。その結果、ピークだった1995年の98万人のドライバーの数は、現在では20万人以上減少していて、長い労働時間と過酷な力仕事のために、若者の成り手がいないために、ドライバーの平均年齢が、年々上昇していると言う現実があります。全産業比平均7歳の差があります。
3番目に挙げられるのは、昨今のEC市場の規模の拡大です。これは世界的な兆候ですが、国内でもオンラインショッピングなどのEC市場が、急激に拡大していることです。2013年から2021年の8年間で、市場規模は倍増しており、これはコロナ禍の在宅勤務などで、さらに加速されました。宅配便の取扱数は、2016年から2021 年の5年間で、23パーセント、約11億個も増加したそうです。当然オンラインショッピングで購入した商品の配達は、トラックによるものです。
2024年問題の原因として、なぜトラックドライバーが不足するのかについて、法律の改正と労働環境により不足が生じる供給面と、オンラインショッピングなどのEC市場の拡大という需要の両面から説明しました。今まで当たり前に受け取っていた宅配便も受け取れなくなるし、購入できていたものもできなくなる可能性があるということです。宅配便やオンラインショッピングの翌日配送や時間指定がどこまで維持できるのかということになります。さらにはコストの上昇も避けられないでしょう。トラックドライバーの職をより魅力的にするために、給与面の改善もそうですし、時間外労働に対する割増手当も必要になってきます。
来年2024年4月に、働き方改革関連法によってトラックドライバーの時間外労働時間に上限規制が設けられることになります。そうなると構造的な問題もあり、トラックドライバーの不足によって、さまざまな社会的な問題が生じる可能性があります。それを「2024年問題」と言いますが、今日はその概要や原因について説明しました。
パーソルホールディングス株式会社の2024年問題に関する昨年の1,000社を対象とした調査では、「2024年問題」を認識している企業が、全体の半分の49.5パーセントだったようです。来年に発生する重要な課題なのですが、認識が驚くくらい低いですね。まさに来年に予想される問題ですので、どう取り組むかについて、明日はお話ししたいと思います。
今日のまとめ:来年2024年4月に、働き方改革関連法によってトラックドライバーの時間外労働時間に上限規制が設けられることから、社会的な問題が生じる可能性が「2024年問題」です。
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