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債券・米国公共政策担当グローバル責任者のマイケル・ゼザス 債券・米国公共政策担当グローバル責任者のマイケル・ゼザスが弊社の重要なテーマである脱グローバル化、長寿化、エネルギーの未来および人口知能が2025年、そしてそれ以降にどのように進展するかについて解説します。
このエピソードを英語で聴く。
トランスクリプト
「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
債券・米国公共政策担当グローバル責任者のマイケル・ゼザス. 今回は、債券・米国公共政策担当グローバル責任者のマイケル・ゼザスが、弊社が2025年に注視する重要な投資のメガトレンドについてお話します。
このエピソードは1月15日 にニューヨークにて収録されたものです。
英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。
投資においては、短期的なトレンドが目先の市場の動向に関する貴重な洞察を提供することがあります。しかし、本当の意味で投資環境を形成するのは長期的なトレンドです。常に変わり続ける世界で、弊社が毎年、長期的な投資機会を提供すると目されるメガトレンドの候補を絞り込むのはこのためです。
弊社が選んだメガトレンドのうち、人工知能、長寿化、エネルギーの未来の3つは、昨年から持ち越されたものです。4つ目の世界経済の再構成は、2024年のリストから抜けた後、復活したものです。いずれも全く新しいものではありませんが、それぞれ投資戦略への適用方法が異なります。
まず、「多極化世界」に合わせた世界の商取引の再構築について見てみましょう。先に述べたように、こちらは昨年1年間テーマから外れた後、弊社が選ぶ重要なメガトレンドとしてリストに復活しました。なぜでしょうか?手短に言えば、世界の政策担当者は、冷戦後のグローバル化トレンドの崩壊を加速させる政策を実行しようとしていることが明白だからです。端的に言って、政策担当者は、商取引の規制強化とサプライチェーンおよび重要技術に対する国内主導権の強化を通じて、目指す国家と経済の安全保障を促進しようと考えています。多国籍企業や国家はこの現実への適応を急ぐ必要があるかも知れません。他者よりも厳しい選択を迫られる者がある一方で、この移行を助けることでまだ恩恵を受ける者もあるでしょう。誰がどのカテゴリーに属するか、そしてこの新しい現実がどのように進展するのかを知ることが、投資家にとって極めて重要になると考えられます。
次のテーマである長寿化は、長期的、構造的なトレンドであることに変わりなく、今年は政府、経済、企業に与える重要な影響が焦点になると見られます。人口高齢化の波及効果、健康長寿志向および少子高齢化の課題が多くの地域で引き続き市場に影響を及ぼしています。2025年は投資家が長寿化の具体的な論点のいくつかに注目すると予想しています。第1は、引き続き肥満症治療をはじめとしたAI関連を中心とする医療全般のイノベーションです。第2は、手頃な価格の栄養摂取志向を含む消費行動への影響です。第3は、特に定年が引き上げられる場合、高齢化する労働者に対するリスキリングの必要性があることです。そして、もう一点は、ファイナンシャル・プランニングおよび定年退職へのインプリケーションです。金融アドバイザリー業務の強気相場が始まりつつあります。
次のテーマはエネルギーに関するものです。エネルギーの未来について考える際、2025年は弊社の注目点が脱炭素から、すべての地域における供給、需要およびエネルギー送達を左右する幅広い要素にシフトします。そして、その共通点は、急速に展開する可能性です。弊社が追跡している重要な動向は次の4つです。第1は、エネルギー安全保障に対する注目の高まりです。第2は、数兆ドルのAIインフラ投資に牽引され、火力発電と再生可能エネルギーの両面から対応する、エネルギー需要の大幅な拡大です。第3は、炭素回収、エネルギー貯蔵、原子力発電および送電網の最適化といった、革新的なエネルギー技術です。そして第4は、様々な産業における電力利用への移行です。様々な国で二酸化炭素排出量が気候変動に関する目標を上回る公算が大きいとの弊社見解に変わりはありません。このため、気候変動への適応および回復力を高める技術とビジネスモデルに焦点がシフトすると予想しています。
最後の重要テーマは人工知能と技術の拡散です。ChatGPTの提供開始から2年が経過しましたが、セクターおよび地域で見たAIの普及はまだ始まったばかりです。
しかし、2024年はAIイネーブラーおよびインフラ企業が牽引したのに対して、2025年は、効率と市場シェアを高めるための川下分野におけるAI使用事例に市場が注目すると予想しています。弊社テーマリサーチ担当グローバル責任者のエド・スタンレーが、昨日のポッドキャストで申し上げたように、この変化率の理解がアルファの創出につながります。大企業による着実な採用、早期採用企業の株価アウトパフォーマンス、予想を上回るモデルの能力、収益化の幅の広がりを背景に、エージェンティックAIは、注目の的になるでしょう。そして投資収益率(ROI)に 関する議論への関心は薄れると見られます。
最後にもう一点、これらの複雑なテーマの間につながりが見えて来るとみられる点にも言及する価値があります。例を挙げると、多極化世界の複雑性がエネルギー安全保障の重要性をさらに高めています。エネルギーに対する需要は、AIが必要としている膨大な電力とつながります。AIは、今後、医療のイノベーションを牽引し、健康長寿を促進する可能性があります。これら4つのテーマの分類は静止状態にあるのではなく、互いにつながりのある長期投資のロードマップと弊社は捉えています。そして、今年1年を通じて、具体的な論点をさらにお届けして行く予定です。
最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。
債券・米国公共政策担当グローバル責任者のマイケル・ゼザス 債券・米国公共政策担当グローバル責任者のマイケル・ゼザスが弊社の重要なテーマである脱グローバル化、長寿化、エネルギーの未来および人口知能が2025年、そしてそれ以降にどのように進展するかについて解説します。
このエピソードを英語で聴く。
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「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
債券・米国公共政策担当グローバル責任者のマイケル・ゼザス. 今回は、債券・米国公共政策担当グローバル責任者のマイケル・ゼザスが、弊社が2025年に注視する重要な投資のメガトレンドについてお話します。
このエピソードは1月15日 にニューヨークにて収録されたものです。
英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。
投資においては、短期的なトレンドが目先の市場の動向に関する貴重な洞察を提供することがあります。しかし、本当の意味で投資環境を形成するのは長期的なトレンドです。常に変わり続ける世界で、弊社が毎年、長期的な投資機会を提供すると目されるメガトレンドの候補を絞り込むのはこのためです。
弊社が選んだメガトレンドのうち、人工知能、長寿化、エネルギーの未来の3つは、昨年から持ち越されたものです。4つ目の世界経済の再構成は、2024年のリストから抜けた後、復活したものです。いずれも全く新しいものではありませんが、それぞれ投資戦略への適用方法が異なります。
まず、「多極化世界」に合わせた世界の商取引の再構築について見てみましょう。先に述べたように、こちらは昨年1年間テーマから外れた後、弊社が選ぶ重要なメガトレンドとしてリストに復活しました。なぜでしょうか?手短に言えば、世界の政策担当者は、冷戦後のグローバル化トレンドの崩壊を加速させる政策を実行しようとしていることが明白だからです。端的に言って、政策担当者は、商取引の規制強化とサプライチェーンおよび重要技術に対する国内主導権の強化を通じて、目指す国家と経済の安全保障を促進しようと考えています。多国籍企業や国家はこの現実への適応を急ぐ必要があるかも知れません。他者よりも厳しい選択を迫られる者がある一方で、この移行を助けることでまだ恩恵を受ける者もあるでしょう。誰がどのカテゴリーに属するか、そしてこの新しい現実がどのように進展するのかを知ることが、投資家にとって極めて重要になると考えられます。
次のテーマである長寿化は、長期的、構造的なトレンドであることに変わりなく、今年は政府、経済、企業に与える重要な影響が焦点になると見られます。人口高齢化の波及効果、健康長寿志向および少子高齢化の課題が多くの地域で引き続き市場に影響を及ぼしています。2025年は投資家が長寿化の具体的な論点のいくつかに注目すると予想しています。第1は、引き続き肥満症治療をはじめとしたAI関連を中心とする医療全般のイノベーションです。第2は、手頃な価格の栄養摂取志向を含む消費行動への影響です。第3は、特に定年が引き上げられる場合、高齢化する労働者に対するリスキリングの必要性があることです。そして、もう一点は、ファイナンシャル・プランニングおよび定年退職へのインプリケーションです。金融アドバイザリー業務の強気相場が始まりつつあります。
次のテーマはエネルギーに関するものです。エネルギーの未来について考える際、2025年は弊社の注目点が脱炭素から、すべての地域における供給、需要およびエネルギー送達を左右する幅広い要素にシフトします。そして、その共通点は、急速に展開する可能性です。弊社が追跡している重要な動向は次の4つです。第1は、エネルギー安全保障に対する注目の高まりです。第2は、数兆ドルのAIインフラ投資に牽引され、火力発電と再生可能エネルギーの両面から対応する、エネルギー需要の大幅な拡大です。第3は、炭素回収、エネルギー貯蔵、原子力発電および送電網の最適化といった、革新的なエネルギー技術です。そして第4は、様々な産業における電力利用への移行です。様々な国で二酸化炭素排出量が気候変動に関する目標を上回る公算が大きいとの弊社見解に変わりはありません。このため、気候変動への適応および回復力を高める技術とビジネスモデルに焦点がシフトすると予想しています。
最後の重要テーマは人工知能と技術の拡散です。ChatGPTの提供開始から2年が経過しましたが、セクターおよび地域で見たAIの普及はまだ始まったばかりです。
しかし、2024年はAIイネーブラーおよびインフラ企業が牽引したのに対して、2025年は、効率と市場シェアを高めるための川下分野におけるAI使用事例に市場が注目すると予想しています。弊社テーマリサーチ担当グローバル責任者のエド・スタンレーが、昨日のポッドキャストで申し上げたように、この変化率の理解がアルファの創出につながります。大企業による着実な採用、早期採用企業の株価アウトパフォーマンス、予想を上回るモデルの能力、収益化の幅の広がりを背景に、エージェンティックAIは、注目の的になるでしょう。そして投資収益率(ROI)に 関する議論への関心は薄れると見られます。
最後にもう一点、これらの複雑なテーマの間につながりが見えて来るとみられる点にも言及する価値があります。例を挙げると、多極化世界の複雑性がエネルギー安全保障の重要性をさらに高めています。エネルギーに対する需要は、AIが必要としている膨大な電力とつながります。AIは、今後、医療のイノベーションを牽引し、健康長寿を促進する可能性があります。これら4つのテーマの分類は静止状態にあるのではなく、互いにつながりのある長期投資のロードマップと弊社は捉えています。そして、今年1年を通じて、具体的な論点をさらにお届けして行く予定です。
最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。