われらの文学 レオンラジオ 楠元純一郎

203 中勘助 銀の匙 131(後編9③)


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131(後編9③)>

ラジオ収録20250319

「レオンラジオ日の出」テーマ曲 作詞作曲 楠元純一郎 OP「水魚の交わり」、ED 「遺伝子の舟」司会 楠元純一郎(法学者) 中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国大慶の小学校美術教諭)朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)読解者 福留邦浩(国際関係学博士)

このじぶん私はもうそれらの絵を見るだけでは満足ができなかつたので、そんなことがなにより嫌ひな兄の不機嫌を承知のうへでやつと家から買つてもらつた安絵具――それは紺色のやくざなぼうる箱にたつた八種ほどの絵具と一本の筆がはひつて、箱のうへには獅子の跳ねてる商標がついてゐた。――と姉から譲られた筆洗を友として草双紙の透きうつしからはじめて粉本の絵のやさしいのを拾ひがきにかくやうになつた。

このじぶん→この頃、

やくざな→取るに足らない

、不良じみた。ぼうる箱→複数の紙を圧着して作られた厚みのある固い紙、つまり板紙で作られた箱。友として→横に置いて。草双紙→江戸時代の絵本、絵入りの娯楽本。拾い描き→続けて描くのではなく、一つひとつ別々に描くこと。>

那时候,光是看这些画已经无法令我满足了。哥哥最讨厌这些东西,而我明

知会惹他不高兴,还是与家里给我买的便宜颜料和姐姐用剩下的笔洗做了好朋友,

开始在绘本的空白处挑粉本画卷上简单的部分描画。画具装在一只看上去就不实用

的藏蓝色厚纸盒里,颜料仅有八种,还有一支毛笔,盒子上贴有一只跳跃狮子的商

标。

けれども誰ひとり教へてくれる者はなし、部屋にとぢこもつて幾度も幾度もかきそこなひながらさんざ苦心をして、ひとつの線のひきかたも、ひとつの色のだしかたも、みんな自分ひとりでくふうしなければならない。併しながらこれは私にとつていはば自由な創造であつた。

<かきそこないながら→描き損じながら→描くのに失敗しながら。さんざ→何度も何度も。苦心して→苦労して、悩んで。>

但没有一个人教我,我只好独自闷在屋里,绞尽脑汁还是画坏了无数次。一根

线的画法、一种颜色的用法,全部都要自己尝试。可这对我来说,正是所谓的自由

创造。



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