われらの文学 レオンラジオ 楠元純一郎

221 中勘助 銀の匙 149(後編12③)


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21中勘助『銀の匙』149(後編12③)>

ラジオ収録20251126「日の出ラジオ(旧レオンラジオ日の出)」作詞作曲 楠元純一郎 OP「水魚の交わり」、ED 「遺伝子の舟」司会 楠元純一郎(法学者) 中国語翻訳・朗読 レオー(録音師・中国大慶美術教師) 中国語監修 冯宪中(国際経済学者) 朗読・読解者 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)読解者 福留邦浩(国際関係学博士)

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下の町のいぢめつ子のあげるはんぎや(般若)の二枚凧はみんなに嫌はれてゐた。

<いぢめつ子→いじめっ子→他の子供を虐める子。般若(はんにゃ)→恐ろしい鬼女の面であるが、改心して仏の智慧に至ったとされる。>

大家都不喜欢原野下面城镇里那个孩子所放的风筝般若。

そいつは初手から喧嘩を売るつもりで尻尾もつけずに「もつてん」にして、びいびいといやらしい紙うなりを鳴らしながらこづきどほしにしてあげる。

<そいつ→その人の乱暴な呼称。喧嘩を売る→喧嘩を仕掛ける。もってん→中心の糸目を詰めて短くしてわざと揺らして、こづきどほし→小突くこと>

那家伙总喜欢欺负人,一上来就摆出要和人打架的架势,连风筝尾巴也不装,将风筝调成“战斗模式”,纸片发出尖锐刺耳的啸叫,接近别人的风筝。

しんの糸目をつめられて一層顔をしかめた般若は気ちがひみたいになつて近処の凧にくつてかかり新発明の錨のがんぎりで忽ち糸を噛みきつてしまふ。

<顔をしかめて→顔に皺(しわ)を寄せて不快・不機嫌な表情を出す様子。気ちがひ→気狂い→心の状態が常軌を逸して普通でないこと→ただし、現在では放送禁止用語。食ってかかり→口調や態度で相手に攻撃的に立ち向かうこと。錨(いかり)→船を固定するために水底に沈めるおもり。忽(たちま)ち→急に、非常に短い時間で、にわかに>

般若的脸被提线绷得紧紧的,显得更加扭曲,疯狂地迫近旁边的风筝,新出的带钩的锯齿一下子就把对方的提线咬断。



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