心を磨く人間関係教室

#490:妄想と生命力


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西洋医学で定義される妄想とは、思考内容に関する障害で、主に自分に関係する誤った確信だと言われています。

「被害妄想」「誇大妄想」「被影響妄想」など様々に分類されます。

被害妄想とは:他人から危害を加えられると思い込むこと。対象となる他人は特定しにくく、変わりやすい。「いつも監視されている」「食べ物に毒を入れられた」「ものを盗まれた」というような妄想です。

誇大妄想とは:自分の能力や価値を過大評価すること。「高貴な家に生まれたが、事情があって貧しい家庭で育った」「トップモデルと交際している」「神から選ばれた預言者である」「守秘義務があるので詳しく言えないが、世界を変えるような大発明をした」というような妄想です。

微小妄想とは:他人と比べて、自分の能力や価値が低いと確信すること。「重大な犯罪を犯した」「重い病気で余命わずか」「自分には肺がひとつしかない」というような妄想です。

その他にも、「どこか、何かが違う」「この世の終わりがくる」「右足から踏み出さないと危険」などの妄想があります。

さて、ここからです。

妄想の反対にあるのは、「感性や情動によって」「反証・反論を精査し」「抽象的な概念と理論によって証明されたもの」ということになりますね。私たちは誰もが、妄想で生きているような気がします。たとえ「理性的な考察を重ね、証明された事実」であっても、そのように妄想しているだけかもしれません。

「相思相愛の関係」が、互いの妄想によって成立している可能性もあります。「犬猿の仲」も、互いの妄想によるのかもしれません。

目の前のできごとは現実であって、妄想ではない。…という認識が、妄想かもしれない。自分を守るためには、「妄想ではない」という妄想が必要なのかもしれない。

自分が真実だと感じるなら、それは生きる力になりそうです。妄想は、生命力のひとつ、とも言えそうです。

以上、妄想的な迷走でした。






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心を磨く人間関係教室By TOMOKO