われらの文学 レオンラジオ 楠元純一郎

72 鲁迅 故乡 16(第78-84段落)


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オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」

エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」

作詞作曲 楠元純一郎

編曲 山之内馨



<我らの文学72 魯迅「故郷」16(第78〜84段落)> ラジオ収録20210706

翻訳 レオー(中国語講師・美術家)

翻訳 楠元純一郎(法学者)

監訳・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)


  我们的船向前走,两岸的青山在黄昏中,都装成了深黛颜色,连着退向船后梢去。

 我々の船は前に進んでいった。両岸の青い山々はたそがれの中で、濃い墨色になり、つぎつぎと船尾に消え去って行った。


  宏儿和我靠着船窗,同看外面模糊的风景,他忽然问道:

 宏儿と私は船窓にもたれて、外のぼんやりとした風景を眺めていたとき、彼はふと問いかけた。 

  “大伯!我们什么时候回来?”

 「おじさん、僕たちはいつ帰ってくるの?」


  “回来?你怎么还没有走就想回来了。”

 「帰ってくるだって?どうしてまた行きもしないうちから帰ってくることを考えているんだい?」


  “可是,水生约我到他家玩去咧……”他睁着大的黑眼睛,痴痴的想。

 「でも、水生がね、僕に家に遊びにおいでって言うから。」彼は黒い目を大きく見張って、静かに考え込んでいた。


  我和母亲也都有些惘然,于是又提起闰土来。母亲说,那豆腐西施的杨二嫂,自从我家收拾行李以来,本是每日必到的,前天伊在灰堆里,掏出十多个碗碟来,议论之后,便定说是闰土埋着的,他可以在运灰的时候,一齐搬回家里去;杨二嫂发见了这件事,自己很以为功,便拿了那狗气杀(这是我们这里养鸡的器具,木盘上面有着栅栏,内盛食料,鸡可以伸进颈子去啄,狗却不能,只能看着气死),飞也似的跑了,亏伊装着这么高底的小脚,竟跑得这样快。

 私も母も呆然とした。そしてまた闰土の話になった。母はこう言った。あの豆腐屋西施の楊おばさんは、我が家の荷造りを始めて以来、毎日必ずやって来ていて、一昨日は、灰の山から、お椀やお皿を10数個掘り出し、あれこれ議論の末、それは闰土が埋めておいたに違いなく、彼は灰を運ぶとき一緒に持ち帰ろうとしていたと言い張った。楊おばさんはこの発見を自分の手柄にして、犬焦らし(これは我々のところで鶏を飼う器具であり、木の板に柵を取り付けたもので、中に食べ物を入れておくと、鶏は首を伸ばしてそれを啄むことができるが、犬にはそれができず、ただ見て焦れるだけである)を持って飛ぶように走り去った。彼女の履いている底の高い小さな靴でよくあれだけ速く走れたもんだ。


  老屋离我愈远了;故乡的山水也都渐渐远离了我,但我却并不感到怎样的留恋。我只觉得我四面有看不见的高墙,将我隔成孤身,使我非常气闷;那西瓜地上的银项圈的小英雄的影像,我本来十分清楚,现在却忽地模糊了,又使我非常的悲哀。

 古い家は我々からますます遠くなり、故郷の山水も我々からますます遠くなる。でも名残惜しい気はしない。ただ、私の周りに見えない高い壁があるように感じられ、その中に自分だけ取り残されたように非常に気が滅入るだけである。あの西瓜畑の銀の首輪をした小英雄の面影は、以前はとても鮮明であったが、今では急にぼんやりとしたものとなり、それがまた私をとても悲しい気持ちにさせた。




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