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オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」
エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」
作詞作曲 楠元純一郎
編曲 山之内馨
<我らの文学73 魯迅「故郷」17(第85〜89段落)> ラジオ収録20210713
翻訳 レオー(中国語講師・美術家)
翻訳 楠元純一郎(法学者)
監訳・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)
参加者 劉凱戈
母亲和宏儿都睡着了。
母と宏儿は二人とも寝入った。
我躺着,听船底潺潺的水声,知道我在走我的路。我想:我竟与闰土隔绝到这地步了,但我们的后辈还是一气,宏儿不是正在想念水生么。我希望他们不再像我,又大家隔膜起来……然而我又不愿意他们因为要一气,都如我的辛苦辗转而生活,也不愿意他们都如闰土的辛苦麻木而生活,也不愿意都如别人的辛苦恣睢而生活。他们应该有新的生活,为我们所未经生活过的。
私は横になって、船底の水のぶつかる音を聴きながら、私は今自分の道を歩んでいるとわかった。思えば、私は闰土と隔絶してここまで歩んできてしまったが、我々の後輩たちは今でも気が合っており、宏儿は水生を慕っているではないか。彼らは私のようにではなく、みなが隔絶することなく・・・しかし、私はまた、彼らが気が合うように、二人とも私のような苦しい点々流転の生活を送ることを望まない。また、二人とも闰土のように苦しく心が麻痺するような生活を送ってほしくはない。また、別の人のように、苦しさのあまり勝手気ままな生活を送ることを望まない。彼ら二人は新しい生活をもたなければならない。我々が経験しなかったような生活を。
我想到希望,忽然害怕起来了。闰土要香炉和烛台的时候,我还暗地里笑他,以为他总是崇拜偶像,什么时候都不忘却。现在我所谓希望,不也是我自己手制的偶像么?只是他的愿望切近,我的愿望茫远罢了。
私は希望という言葉が思い浮かんだので、ふと、怖い気がしてきた。闰土が香炉と燭台を欲しがった時、私は暗に彼を笑った。彼はいつも偶像崇拝で、いつもそれを忘れることができないと。今私のいう希望も、自分の手製の偶像ではないか。ただ彼の望むものはすぐ手に入り、私の望むものは手に入りにくいだけである。
我在朦胧中,眼前展开一片海边碧绿的沙地来,上面深蓝的天空中挂着一轮金黄的圆月。我想:希望是本无所谓有,无所谓无的。这正如地上的路;其实地上本没有路,走的人多了,也便成了路。
私は朦朧としていたとき、目の前に海辺の青緑の砂地が展開してきた。その上の紺碧の空には、金色の丸い月がかかっている。私は思うに、希望とはもともと有るものではなく、無いわけでもない。これはまさに地上の道のようなものである。実際、地上にはもともと道はない。歩く人が多ければ、それは道になるのである。
(一九二一年一月)
オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」
エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」
作詞作曲 楠元純一郎
編曲 山之内馨
<我らの文学73 魯迅「故郷」17(第85〜89段落)> ラジオ収録20210713
翻訳 レオー(中国語講師・美術家)
翻訳 楠元純一郎(法学者)
監訳・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)
参加者 劉凱戈
母亲和宏儿都睡着了。
母と宏儿は二人とも寝入った。
我躺着,听船底潺潺的水声,知道我在走我的路。我想:我竟与闰土隔绝到这地步了,但我们的后辈还是一气,宏儿不是正在想念水生么。我希望他们不再像我,又大家隔膜起来……然而我又不愿意他们因为要一气,都如我的辛苦辗转而生活,也不愿意他们都如闰土的辛苦麻木而生活,也不愿意都如别人的辛苦恣睢而生活。他们应该有新的生活,为我们所未经生活过的。
私は横になって、船底の水のぶつかる音を聴きながら、私は今自分の道を歩んでいるとわかった。思えば、私は闰土と隔絶してここまで歩んできてしまったが、我々の後輩たちは今でも気が合っており、宏儿は水生を慕っているではないか。彼らは私のようにではなく、みなが隔絶することなく・・・しかし、私はまた、彼らが気が合うように、二人とも私のような苦しい点々流転の生活を送ることを望まない。また、二人とも闰土のように苦しく心が麻痺するような生活を送ってほしくはない。また、別の人のように、苦しさのあまり勝手気ままな生活を送ることを望まない。彼ら二人は新しい生活をもたなければならない。我々が経験しなかったような生活を。
我想到希望,忽然害怕起来了。闰土要香炉和烛台的时候,我还暗地里笑他,以为他总是崇拜偶像,什么时候都不忘却。现在我所谓希望,不也是我自己手制的偶像么?只是他的愿望切近,我的愿望茫远罢了。
私は希望という言葉が思い浮かんだので、ふと、怖い気がしてきた。闰土が香炉と燭台を欲しがった時、私は暗に彼を笑った。彼はいつも偶像崇拝で、いつもそれを忘れることができないと。今私のいう希望も、自分の手製の偶像ではないか。ただ彼の望むものはすぐ手に入り、私の望むものは手に入りにくいだけである。
我在朦胧中,眼前展开一片海边碧绿的沙地来,上面深蓝的天空中挂着一轮金黄的圆月。我想:希望是本无所谓有,无所谓无的。这正如地上的路;其实地上本没有路,走的人多了,也便成了路。
私は朦朧としていたとき、目の前に海辺の青緑の砂地が展開してきた。その上の紺碧の空には、金色の丸い月がかかっている。私は思うに、希望とはもともと有るものではなく、無いわけでもない。これはまさに地上の道のようなものである。実際、地上にはもともと道はない。歩く人が多ければ、それは道になるのである。
(一九二一年一月)
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