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オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」
エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」
作詞作曲 楠元純一郎
編曲 山之内馨
ラジオ収録20220111
中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国の小学校教諭)
読解者・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)
読解者 福留邦浩(国際関係学者)楠元純一郎(法学者)
中国語朗読 刘耀鸿
聴講 张晓良 張智航
三十四
さきにあがつた子供たちはもう学校になれてるし、それに私みたいな弱虫はひとりもゐないのでわがもの顔にわいわい騒いでゐる。さうかうするうちにいつもききなれてる鈴が ちやらんちやらん と鳴つた。そばできくときんきん耳の底まで響いていやでならない。<弱虫→気が弱いこと、意気地(いくじ)なし。わがもの顔に→それが自分のためにあるかのように遠慮のない態度や顔つき、ひとり威張っていること。さうかうするうちに→そうこうするうちに→あれこれするうちにmeanwhile 。いやでならない→とてもいやだ>
先上学的孩子们已经习惯了学校的生活,也没有人像我一样气虚体弱,于是就肆意地大声吵闹起来。与此同时平常听惯了的铃声也"锵锵"地响起了。在校园里听起来,这声音在我耳朵深处响着,讨厌得不得了。
姉たちは またこの次の遊び時間にくるから といつて、伯母さんは お稽古のすむまでちやんと戸のそとに番をしてゐる といふ約束で出ていつた。で、ひとりぼつちになつてこはごは見まはしてみたら強さうな意地のわるさうな奴ばかりがむかうでも変な顔をしてじろじろ見てゐる。私は小さくなつて机にあいてる節穴ばかりのぞいてゐた。
<お稽古→一般には芸道の練習だが、ここでは小学校に慣れる訓練?番をする→見張りをする、監視をする、ここではただ待っている。節穴(ふしあな)→木版の節の抜けた穴、ちなみに「あなたの目は節穴か?」→見えるものが見えないこと、洞察力が足りないこと。こわごわ→怖々→恐る恐る>
姐姐们说"下次的课间休息还会过来的",阿姨和我说好了会守在大门外等我放学,然后出去了。我形单影只,怯怯地看了看四周,看到周围都是看着身子强壮又坏心眼儿的家伙,做着奇怪的表情贼眉鼠眼的看着我。我缩着身子只管看着桌子上的眼儿。
そこへはひつてきたのは古沢先生といふ受持ちの先生だつた。この人は顔いちめんのあばたのためにちよつと見は怖いけれどほんたうは評判のやさしい先生で学校ぢゆうの生徒が 古沢先生 古沢先生 といつてなついてゐた。本は伯母さんに教はつた ちん わん ねこにやあ ちう の絵草紙や、いぬ はし ほん つくゑ の絵本とはちがつてたが、やさしかつたのでそのはうはろくに見ずに先生の白髪まじりの髪の毛がばらばら風にふかれるのばかり眺めてゐた。
<受持ちの先生→担任の先生、顔いちめん→顔一面→顔中(かおじゅう)、あばた→痘痕(とうそう)が治った後に残る皮膚の窪(くぼ)み→「あばたもえくぼ→醜いあばたも可愛らしい笑窪(えくぼ)に見えること、惚れたら(好きになったら)欠点も長所に見えてしまう心裡。ちょっと見は→一見。なついている→懐いている→慣れて、愛情をもって親しみ、従順であること。ちう→ちゅう(ネズミ)、絵草紙(えぞうし)→江戸時代に事件を絵入りの読み物にして売ったもの。日本の江戸時代の識字率は当時世界一か。ろくに見ずに→あまり見ずに。白髪(しらが)>
接着走进来的是我们的班主任,叫做古泽老师。这位老师因为脸上有很多痘坑,所以一眼看去挺吓人,其实都说他人挺好,学生们都"古泽老师""古泽老师"地叫得很亲热。书上的东西阿姨都教过我,讲着小猫小狗和老鼠是怎样叫的带图的小册子,还有画了小狗、筷子、书本、书桌的绘本,因为太简单了,我没怎么细看,倒是一直在看老师那掺着白发的头发被风吹的呼啦呼啦的。
オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」
エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」
作詞作曲 楠元純一郎
編曲 山之内馨
ラジオ収録20220111
中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国の小学校教諭)
読解者・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)
読解者 福留邦浩(国際関係学者)楠元純一郎(法学者)
中国語朗読 刘耀鸿
聴講 张晓良 張智航
三十四
さきにあがつた子供たちはもう学校になれてるし、それに私みたいな弱虫はひとりもゐないのでわがもの顔にわいわい騒いでゐる。さうかうするうちにいつもききなれてる鈴が ちやらんちやらん と鳴つた。そばできくときんきん耳の底まで響いていやでならない。<弱虫→気が弱いこと、意気地(いくじ)なし。わがもの顔に→それが自分のためにあるかのように遠慮のない態度や顔つき、ひとり威張っていること。さうかうするうちに→そうこうするうちに→あれこれするうちにmeanwhile 。いやでならない→とてもいやだ>
先上学的孩子们已经习惯了学校的生活,也没有人像我一样气虚体弱,于是就肆意地大声吵闹起来。与此同时平常听惯了的铃声也"锵锵"地响起了。在校园里听起来,这声音在我耳朵深处响着,讨厌得不得了。
姉たちは またこの次の遊び時間にくるから といつて、伯母さんは お稽古のすむまでちやんと戸のそとに番をしてゐる といふ約束で出ていつた。で、ひとりぼつちになつてこはごは見まはしてみたら強さうな意地のわるさうな奴ばかりがむかうでも変な顔をしてじろじろ見てゐる。私は小さくなつて机にあいてる節穴ばかりのぞいてゐた。
<お稽古→一般には芸道の練習だが、ここでは小学校に慣れる訓練?番をする→見張りをする、監視をする、ここではただ待っている。節穴(ふしあな)→木版の節の抜けた穴、ちなみに「あなたの目は節穴か?」→見えるものが見えないこと、洞察力が足りないこと。こわごわ→怖々→恐る恐る>
姐姐们说"下次的课间休息还会过来的",阿姨和我说好了会守在大门外等我放学,然后出去了。我形单影只,怯怯地看了看四周,看到周围都是看着身子强壮又坏心眼儿的家伙,做着奇怪的表情贼眉鼠眼的看着我。我缩着身子只管看着桌子上的眼儿。
そこへはひつてきたのは古沢先生といふ受持ちの先生だつた。この人は顔いちめんのあばたのためにちよつと見は怖いけれどほんたうは評判のやさしい先生で学校ぢゆうの生徒が 古沢先生 古沢先生 といつてなついてゐた。本は伯母さんに教はつた ちん わん ねこにやあ ちう の絵草紙や、いぬ はし ほん つくゑ の絵本とはちがつてたが、やさしかつたのでそのはうはろくに見ずに先生の白髪まじりの髪の毛がばらばら風にふかれるのばかり眺めてゐた。
<受持ちの先生→担任の先生、顔いちめん→顔一面→顔中(かおじゅう)、あばた→痘痕(とうそう)が治った後に残る皮膚の窪(くぼ)み→「あばたもえくぼ→醜いあばたも可愛らしい笑窪(えくぼ)に見えること、惚れたら(好きになったら)欠点も長所に見えてしまう心裡。ちょっと見は→一見。なついている→懐いている→慣れて、愛情をもって親しみ、従順であること。ちう→ちゅう(ネズミ)、絵草紙(えぞうし)→江戸時代に事件を絵入りの読み物にして売ったもの。日本の江戸時代の識字率は当時世界一か。ろくに見ずに→あまり見ずに。白髪(しらが)>
接着走进来的是我们的班主任,叫做古泽老师。这位老师因为脸上有很多痘坑,所以一眼看去挺吓人,其实都说他人挺好,学生们都"古泽老师""古泽老师"地叫得很亲热。书上的东西阿姨都教过我,讲着小猫小狗和老鼠是怎样叫的带图的小册子,还有画了小狗、筷子、书本、书桌的绘本,因为太简单了,我没怎么细看,倒是一直在看老师那掺着白发的头发被风吹的呼啦呼啦的。
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