小山ナザレン教会

あなたが必要です(稲葉基嗣) – ルカ 2:22–40


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2025年1月5日 降誕節第2主日

説教題:あなたが必要です

聖書: ルカによる福音書 2:22–40、イザヤ書 57:14–21、詩編 133、ガラテヤの信徒への手紙 6:14–18

説教者:稲葉基嗣

 

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この物語は、イエスさまが産まれてから40日経った後の出来事を描いています。ルカはイエスさまのために行われたいけにえを捧げる儀式ではなく、この家族がエルサレム神殿で出会った人たちに注目をしています。シメオンとアンナという高齢のふたりの男女は、赤ちゃんイエスさまを見つけると喜び、イエスさまについて話し始めました。他の親と何も変わらない40日間を過ごしていたため、天使が自分のもとに現れた出来事や羊飼いたちが訪れたことの意味は、マリアとヨセフの中で影を潜めていったことでしょう。だからこそ、シメオンとアンナの反応には、驚かされたことでしょう。自分たちからは何も伝えていないのに、シメオンは、「この目で神の救いを見た」と神をたたえ、喜んでいるのです。それを聞いていた女預言者アンナも、仲間たちと一緒に喜び始めました。イエスさまがどのような存在であるのかを思い起こすために、マリアとヨセフにとって、シメオンやアンナは必要な存在でした。なぜ赤ちゃんイエスさまを見て、シメオンはメシアだと確信できたのでしょうか。ルカにとってその理由は、シメオンに神の霊の導きがあったからでした。聖霊が指し示した幼子は、ベツレヘムの飼い葉桶で寝たままではありませんでした。イエスさまは、マリアとヨセフによって、神殿に連れて来られました。その意味で、シメオンがイエスさまと出会うためには、神の教えに従い、神の導きを求めて行動するマリアとヨセフの行動が必要でした。このように、ルカが描くこの神殿での場面は、登場人物たちがお互いにお互いのことを必要としています。そのような光景がイエスさまを中心として、この物語の中で描かれています。それは何もルカによる福音書の中で終わる話ではありません。わたしたちだって、共に生きるお互いのことを必要としています。ルカの紡いだ物語は、神の霊である聖霊が、小さなピースを繋いで、お互いの必要を満たしてくれる光景を描いています。神の霊が、神の導きを求めて歩むわたしたちを豊かに用いてくださるのです。神が招いてくださる教会の交わりにおいて、わたしたちの間の誰もが、お互いに必要とし、必要とされています。そして、この世界には、この社会には、あなたが必要です。神の愛や憐れみに触れ、キリストの平和を携える、あなたが必要です。お互いに必要とし、必要とされているわたしたちを神の霊が結びつけ続けてくださいますように。

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