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「戦う相手のことまで考えてたら、こっちが自滅しちまうぞ」「でも、敵のことばよくわかっとかんなら、作戦の立てようもなかやないね」「足りない頭で作戦立てようったって、ろくな案は浮かばないだろう。いいから黙ってついて来いよ」売り言葉に買い言葉で、二人ともヒートアップしてきた。「なんねーっ!」「なんだよ!」傘鉾の中で睨み合う。だが、睨み合いはすぐに、以外な事態で幕を閉じた。「傘鉾が、どんどん縮んできよる!」「そうか……。俺たちは、信頼して手を握りあっているからこそ、マイヅル様の力を借りることができるんだ」深呼吸して、気分を落ち着かせる。二人は改めてつないだ手に力を込めた。マイヅル様から託された力が、つないだ手から、二人の身体に満ちた。「よし、これで、怨念なんか寄せ付けないぞ」博が意気込んだ。やっぱり、怨念は敵でしかないのだろうか?わだかまりを抱えたまま、博と共に歩き続ける。「おかしいな……。そろそろ、曲がり角にたどり着いてもいい頃なのにな……」「もう、一時間は歩きよるごたる気がするとに……」「もしかすると、怨念に、同じ場所ば堂々巡りさせられとるとかもしれんね」「そんな馬鹿な……」
「戦う相手のことまで考えてたら、こっちが自滅しちまうぞ」「でも、敵のことばよくわかっとかんなら、作戦の立てようもなかやないね」「足りない頭で作戦立てようったって、ろくな案は浮かばないだろう。いいから黙ってついて来いよ」売り言葉に買い言葉で、二人ともヒートアップしてきた。「なんねーっ!」「なんだよ!」傘鉾の中で睨み合う。だが、睨み合いはすぐに、以外な事態で幕を閉じた。「傘鉾が、どんどん縮んできよる!」「そうか……。俺たちは、信頼して手を握りあっているからこそ、マイヅル様の力を借りることができるんだ」深呼吸して、気分を落ち着かせる。二人は改めてつないだ手に力を込めた。マイヅル様から託された力が、つないだ手から、二人の身体に満ちた。「よし、これで、怨念なんか寄せ付けないぞ」博が意気込んだ。やっぱり、怨念は敵でしかないのだろうか?わだかまりを抱えたまま、博と共に歩き続ける。「おかしいな……。そろそろ、曲がり角にたどり着いてもいい頃なのにな……」「もう、一時間は歩きよるごたる気がするとに……」「もしかすると、怨念に、同じ場所ば堂々巡りさせられとるとかもしれんね」「そんな馬鹿な……」