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「私の心に、いつのまにか怨念が入り込んでいた……。そして私の心を鎧のように囲って、操るようになってしまったのです」それが本当なら、驛長は、いったいなぜ、操られたのだろうか。「私の話ば、聞いてもらえんですかな」一人の人物が、驛長の横に立った。ひょろりと背が高く、七福神の福禄寿を思わせる、仙人風の白髭を長く伸ばした老人だった。「あなたは、住吉さん……?」マイヅル様がつぶやいた。どうやらこの人物が、住吉神社の守り神の「住吉さん」のようだ。「マイヅル様、そしてフクハクたちも……。どうか、驛長を責めんどってくれんですか」「住吉さん……。あんたも、驛長におどされるごつして、博多駅沈没計画に加わったとやなかとな? どうして驛長ばかばうとな?」「許してくれんですか……。驛長も、そして私も、無意識のうちに、怨念に操られとったとですたい」「逆でしょうもん? 驛長が怨念ば操りよったとでしょうが?」住吉さんが首を振った。「原因は、人間たちが、今の博多駅ば守るための均衡ば破ってしもうたけんですたい」
「私の心に、いつのまにか怨念が入り込んでいた……。そして私の心を鎧のように囲って、操るようになってしまったのです」それが本当なら、驛長は、いったいなぜ、操られたのだろうか。「私の話ば、聞いてもらえんですかな」一人の人物が、驛長の横に立った。ひょろりと背が高く、七福神の福禄寿を思わせる、仙人風の白髭を長く伸ばした老人だった。「あなたは、住吉さん……?」マイヅル様がつぶやいた。どうやらこの人物が、住吉神社の守り神の「住吉さん」のようだ。「マイヅル様、そしてフクハクたちも……。どうか、驛長を責めんどってくれんですか」「住吉さん……。あんたも、驛長におどされるごつして、博多駅沈没計画に加わったとやなかとな? どうして驛長ばかばうとな?」「許してくれんですか……。驛長も、そして私も、無意識のうちに、怨念に操られとったとですたい」「逆でしょうもん? 驛長が怨念ば操りよったとでしょうが?」住吉さんが首を振った。「原因は、人間たちが、今の博多駅ば守るための均衡ば破ってしもうたけんですたい」