連続ラジオ朗読劇『博多さっぱそうらん記』

博多駅沈没!㉒「どんな咎めも受ける」驛長に対し、マイヅル様が下した決断は?


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「驛長……。あんたはもう、この場所にはおられんばい」「わかっています。どんな咎めも受けます」「マイヅル様、驛長さんは怨念に操られとったとよ。咎めやら……」かなめが取り成そうとしたが、マイヅル様は頑固に首を振った。「うんにゃ。たとえ操られとったにせよ、博多の街ば壊滅させようとした罪は重かばい。驛長という存在は、私が今日限りで消し去ってしまうばい」「マイヅル様、そんな!」かなめが叫ぶと、マイヅル様は、への字の唇を無理に持ち上げるようにして、微笑みを浮かべた。「大変やのう。これからあんたが、新しか博多駅ば守ってやらんといかんとやけんな」思いがけない言葉に、駅長が驚いた顔を上げた。「駅ビルに祀られとる鉄道神社は、新駅ビル誕生を機に、住吉神社から分社されたもんやけん、歴史も浅かし、力も弱かとたい。驛長……。あんたが新たに、この鉄道神社の守り神になるこつで、博多駅ば守る力も強まって、怨念ば寄せ付けることもなくなるやろうたい」

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