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「道真公の力のこもった鏡天満宮の鏡の光ばあてたら、雷神の力ば封じることができるっちゃない?」博と共に、博多リバレインの裏手の、鏡天満宮に向けて駆け出す。だが、百メートルも進めなかった。雷が、行く手を阻むように間近に落下する。危なっかしくて、とてもじゃないが前に進めない。いったいどうやって近づけば? 焦っていると何も思い浮かばない。かなめは無い頭を絞って、神社の境内をうろうろと歩き回った。「う~ん、姿ば隠して近づく方法はなかかねぇ……」「姿を隠して……。かなめ、それだ!」平らな一枚岩が池の上に渡されていて、かなめはその上に立っていた。博は、その岩を指さしていた。「かなめが今立っている一枚岩は、昔博多の町にあった、博多大水道を塞ぐための石蓋だったんだ」「ばってん……、そんな暗渠なんて、今の時代まで残ってるわけなかろうもん。地下鉄とか下水道工事で埋められとるっちゃない?」だが、博には何か考えがあるようだ。「マイヅル様、さっき冷泉公園でやったみたいに、傘鉾の周囲だけを、明治の頃に戻すことはできるんだろう?」マイヅル様の傘鉾を借りて、周囲だけを明治の頃に戻し、昔の暗渠の中を隠れ進む作戦のようだ。
「道真公の力のこもった鏡天満宮の鏡の光ばあてたら、雷神の力ば封じることができるっちゃない?」博と共に、博多リバレインの裏手の、鏡天満宮に向けて駆け出す。だが、百メートルも進めなかった。雷が、行く手を阻むように間近に落下する。危なっかしくて、とてもじゃないが前に進めない。いったいどうやって近づけば? 焦っていると何も思い浮かばない。かなめは無い頭を絞って、神社の境内をうろうろと歩き回った。「う~ん、姿ば隠して近づく方法はなかかねぇ……」「姿を隠して……。かなめ、それだ!」平らな一枚岩が池の上に渡されていて、かなめはその上に立っていた。博は、その岩を指さしていた。「かなめが今立っている一枚岩は、昔博多の町にあった、博多大水道を塞ぐための石蓋だったんだ」「ばってん……、そんな暗渠なんて、今の時代まで残ってるわけなかろうもん。地下鉄とか下水道工事で埋められとるっちゃない?」だが、博には何か考えがあるようだ。「マイヅル様、さっき冷泉公園でやったみたいに、傘鉾の周囲だけを、明治の頃に戻すことはできるんだろう?」マイヅル様の傘鉾を借りて、周囲だけを明治の頃に戻し、昔の暗渠の中を隠れ進む作戦のようだ。