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ツンデレうさぎ“キク”の目線で描かれる家族と幸せの物語。笑って、泣いて、心がふわっと温まる──
【ペルソナ】
・ヒメ/キク(1歳2か月)=ネザーランドドワーフ種のツンデレウサギ。1年前ペットショップでRUIの目に止まる
・RUI(38歳)=高浜市から安城市の自動車部品メーカーに通っている一人暮らしの女性
【シーン1:一人暮らしの自宅】
◾️SE:TVの音声
『おかえりなさ〜い!
朝から準備してた、アレ・・
もうキンキンに冷えてますよぉ
今日もお疲れ様でした
新発売のダイコクビール!
あ、もう一本いっちゃいます?』
◾️SE:TVを切る音/窓を開ける音/吹き込む北風
「う〜さむっ」
ちょっとちょっとご主人。
真冬に窓あけちゃ寒いでしょ。
いくらフワフワモミモミの毛皮を着てるアタシでも。
あ、申し遅れました。
アタシはう・さ・ぎ。
ネザーランドドワーフ、っていう種類なの。
知ってる人は知ってるよね。
うさぎの中では、ちっちゃな方。
性格はよく”ツンデレ”って言われるわ。
一応、言っておくと、ネザーランドドワーフは純血種。
誇り高き種族、ってところかしら。
その分、ほかのうさぎたちに比べてちょっと体が弱いんだけど・・・
◾️SE:TVを切る音〜ビールをグビっと飲む音
「プハ〜!」
しっかし、冬にキンキンに冷えたビールって・・
人間の嗜好ってようわからんわ。
「あ〜〜〜〜〜っ」
あ〜あ。
ご主人、また会社でなんか嫌なことあったんだな。
あ〜もう・・いちいちご主人って呼ぶのはめんどくさいなあ。
名前でいっか。
いいよね、ルイさんで。
アタシがルイさんと出会ったのは一年前。
生後2か月くらいの頃だったかなあ。
高浜市内のペットショップでミルクを飲んでたら、
じい〜っとアタシのこと見つめている目があったの?
とってもキレイなブラウンの瞳。
あれ、カラコン、って言うの?
でもよく見たら、なんか潤んでるの。
え?
泣いてる?
なんで?
アタシ、なんか悪いことした?
うんちだって、さっき店員さんが片付けてくれたし。
匂ってないでしょ。
しばらくしてから、店員さんがアタシをかごから出してくれた。
そのお姉さんはアタシを抱っこして、アタシに話しかけてきたの。
「かわいい子。
ねえ、うちにくる?」
しょうがないなあ。
そんなに言うなら行ってやるよ。
お姉さんは、ペットショップで、
ケージから食器、トイレ、マット、ブラシにかじり木まで用意してくれた。
もちろん、ごはんも。
アタシ、チモシーやペレットより、アルファルファの方が好きなんだ。
店員さん、ちゃんと伝えてくれた?
アルファルファのない生活なんて、耐えられないんだからね。
お姉さんは1時間以上もペットショップで店員さんと話してた。
そのあとは、車のトランクに荷物を積み込んで、ケージのアタシは助手席へ。
「よろしくね、ヒメ。
う〜ん・・・ヒメ・・?
・・じゃなくて・・・
キク!
あなたはこれから、キクよ。
わかった?」
ええええええ。
アタシ、ペットショップで呼ばれてた『ヒメ』の方がいいな。
だってぇ、キク、なんて・・
アタシ、うさぎだよ。お花じゃないんだから。
「私はルイ。これから一緒だよ。さ、おうちに帰ろ」
もう〜、しょうがないなあ。
これが、アタシとルイさんの出会いだった。
【シーン2:名鉄吉浜駅】
◾️SE:吉浜駅到着アナウンス
ルイさんは吉浜から名鉄三河線で安城(※頭高)まで通っている。
会社は、自動車部品メーカーの工場らしい。
工場、ってなんだ?
ま、いいや。
とにかくその工場で、品質管理エンジニア、という仕事をしてるんだと。
「私の仕事はねー、ヒメ。
自動車部品の品質を保証するための検査とか、データ分析とかしてるんだよ。
わかるー?」
わかるわけないだろ。
さっぱりちんぷんかんぷん。
だけど、まあ、とっても難しい仕事をしてるんだってことはわかる。
お休みは土曜・日曜だけ。
でもときどき、何日も仕事を休んで、アタシと遊んでくれるから感謝してるわ。
遊ぶときはたいてい、アタシを抱っこして、お散歩。
人形小路(にんぎょうこみち)、って言うの?
吉浜駅から続く散歩道を歩いていくんだ。
うわ!びっくりした!
真っ白なゾウがいる!
と思ったら人形なんだもの。
細工人形って言うらしい。
駅からすぐのとこにある「人形小路一番館」。
他にもいっぱい、等身大の細工人形が、まるで生きているみたい・・・
だけじゃなかった。
菊の花を体中にまとった、ものすごく色鮮やかな人形たちがいる。
菊人形、っていうの?
へえ〜。
うさぎのアタシから見てもほれぼれするわ。
あ、ひょっとして・・
だから、アタシの名前は「キク」って言うの?
そっかぁ。
早く言ってよ、もう〜。
11月になると、吉浜の町に菊人形がいっぱい並ぶんだね。
じゃあ、これから毎年一緒に見にこれるのかな。
アタシの声が聴こえたか聴こえないのかわかんないけど、
ルイさんはアタシを見てニッコリと微笑んだ。
【シーン3:ひとり暮らしの自宅】
◾️SE:アパートの扉が開く音
「ただいまー、キク。
おりこうにしてた?」
失礼だな。子供じゃないんだから。
うさぎの1歳2か月は、人間で言うと24歳なんだぞ。
立派なレディなんだから。
なんか、いつもより楽しそうな顔。
今日、いいことでもあったのか?
ルイさんってわかりやすいからなー。
「キクー、聞いてくれる。
今日ね、知立の駅で、彼に会ったの」
ほーほー。
彼ってだれだー。
まったく話が見えないぞー。
「ペットショップで初めてキクに会った日。
あの日、遠くに行っちゃった彼よ」
あー、それであのとき目がウルウルしてたのかー。
「5年は帰れないって言ってたけど、
一時帰国したんだって。
で今日、知立駅の三河線ホーム。
安城から帰ってくるアタシを待ちかまえて、サプラ〜イズ!」
へ〜、よかったじゃない。
「今日はそのままセントレアから成田へ行って、明日の朝またとんぼ返りなんだけど・・」
あ、また、泣きそうな顔・・・
と思ったら・・・
「実は来年日本へ戻ってくるのよ!」
感情の起伏がジェットコースターみたいだな。
まあ、でも、ルイさんが幸せそうでよかった。
で、なんの話だっけ?
「キクにも早く会わせたいなー」
え?
いまなんてった?
「ほら見て。これが彼よ〜。
ソラ、っていうの」
そう言ってルイさんはアタシの目の前にスマホを置いた。
ふうん。
こういうのが好みなんだー。
イケメン度はまあまあかな。
「ソラ、早くまた会いたいよー」
こらこら、顔をくっつけてくるなら、メイク落とせよー。
よくわかんないけど、アタシ的にはなんだかちょっぴり不安。
ルイさんは鼻歌を歌いながら、
アタシにグルーミングスプレーをかけて
いつまでもいつまでもブラッシングをしてくれた。
【シーン4:やってきた他人】
◾️SE:アパートの扉が開く音
「ただいまー。
さ、ソラ。入って。遠慮しないで」
一年後。
アタシとルイさんのアパートに、見知らぬ人間がやってきた。
この匂い・・・
今まで嗅いだことのない匂いだ。
ルイさんとはまったく違う。
「見て。この子がキク。
ちっこくて可愛いでしょう」
ルイさんがケージからアタシをひっぱり上げる。
体を撫でながら、その男の方を向ける。
やめろ。アタシにとっては、こいつは敵だ。
アタシは、ケージの中で激しく足ダン(※うさぎの威嚇行為)をした。
「どうしたのよ、キク。
そんなに足をバタバタさせて。
そっかー。嬉しいの?ひょっとしてー」
なワケあるか。
うさぎのこともっと勉強しろよ。
空気が読めないのはルイさんだけじゃない。
目の前の男。
背が高くてヒゲを生やした男は、アタシに手を伸ばしてくる。
思わず耳を立てて、威嚇の声を出した。
そのまま両足でパ〜ンチ!てかキ〜ック!
「なにすんのよ、キク!」
ルイさんが、アタシの頭を小さく叩く。
すごく優しい叩き方だったけど、アタシの心にはものすごく強く響いた。
アタシは、自分からケージの中に駆け込み、奥の方でうずくまる。
「ごめんなさい。この子、きっと緊張してるんだわ。
そのうちきっと仲良くなれるから」
結局そいつは、アタシたちのアパートに居着いてしまった。
ねえちょっとルイさん、そいつ、いつまでおいとくんだよ?
【シーン5:気まずい時間】
「ごめんねー、ソラ。
工場に抜き打ちの検査が入っちゃったみたい。
ホントは私、今日お休みとってたんだけど。
どうしても私じゃなきゃ、ってことだから行ってくるわ。
お留守番頼んでもいい?
せっかくの休日だったのにごめんね。
じゃ、行ってきます。キクもいい子にしてるのよ」
◾️SE:アパートの扉が閉まる音
なんだなんだ?
アタシとこいつを2人きりにするつもりなの?
こりゃあかん。
今日はできるだけケージの奥から動かないようにしよう。
ルイさんが出ていくと、ソラという男は部屋の片付けを始めた・・・
※続きは音声でお楽しみください。
By Ks(ケイ)、湯浅一敏、空と海の彼方にツンデレうさぎ“キク”の目線で描かれる家族と幸せの物語。笑って、泣いて、心がふわっと温まる──
【ペルソナ】
・ヒメ/キク(1歳2か月)=ネザーランドドワーフ種のツンデレウサギ。1年前ペットショップでRUIの目に止まる
・RUI(38歳)=高浜市から安城市の自動車部品メーカーに通っている一人暮らしの女性
【シーン1:一人暮らしの自宅】
◾️SE:TVの音声
『おかえりなさ〜い!
朝から準備してた、アレ・・
もうキンキンに冷えてますよぉ
今日もお疲れ様でした
新発売のダイコクビール!
あ、もう一本いっちゃいます?』
◾️SE:TVを切る音/窓を開ける音/吹き込む北風
「う〜さむっ」
ちょっとちょっとご主人。
真冬に窓あけちゃ寒いでしょ。
いくらフワフワモミモミの毛皮を着てるアタシでも。
あ、申し遅れました。
アタシはう・さ・ぎ。
ネザーランドドワーフ、っていう種類なの。
知ってる人は知ってるよね。
うさぎの中では、ちっちゃな方。
性格はよく”ツンデレ”って言われるわ。
一応、言っておくと、ネザーランドドワーフは純血種。
誇り高き種族、ってところかしら。
その分、ほかのうさぎたちに比べてちょっと体が弱いんだけど・・・
◾️SE:TVを切る音〜ビールをグビっと飲む音
「プハ〜!」
しっかし、冬にキンキンに冷えたビールって・・
人間の嗜好ってようわからんわ。
「あ〜〜〜〜〜っ」
あ〜あ。
ご主人、また会社でなんか嫌なことあったんだな。
あ〜もう・・いちいちご主人って呼ぶのはめんどくさいなあ。
名前でいっか。
いいよね、ルイさんで。
アタシがルイさんと出会ったのは一年前。
生後2か月くらいの頃だったかなあ。
高浜市内のペットショップでミルクを飲んでたら、
じい〜っとアタシのこと見つめている目があったの?
とってもキレイなブラウンの瞳。
あれ、カラコン、って言うの?
でもよく見たら、なんか潤んでるの。
え?
泣いてる?
なんで?
アタシ、なんか悪いことした?
うんちだって、さっき店員さんが片付けてくれたし。
匂ってないでしょ。
しばらくしてから、店員さんがアタシをかごから出してくれた。
そのお姉さんはアタシを抱っこして、アタシに話しかけてきたの。
「かわいい子。
ねえ、うちにくる?」
しょうがないなあ。
そんなに言うなら行ってやるよ。
お姉さんは、ペットショップで、
ケージから食器、トイレ、マット、ブラシにかじり木まで用意してくれた。
もちろん、ごはんも。
アタシ、チモシーやペレットより、アルファルファの方が好きなんだ。
店員さん、ちゃんと伝えてくれた?
アルファルファのない生活なんて、耐えられないんだからね。
お姉さんは1時間以上もペットショップで店員さんと話してた。
そのあとは、車のトランクに荷物を積み込んで、ケージのアタシは助手席へ。
「よろしくね、ヒメ。
う〜ん・・・ヒメ・・?
・・じゃなくて・・・
キク!
あなたはこれから、キクよ。
わかった?」
ええええええ。
アタシ、ペットショップで呼ばれてた『ヒメ』の方がいいな。
だってぇ、キク、なんて・・
アタシ、うさぎだよ。お花じゃないんだから。
「私はルイ。これから一緒だよ。さ、おうちに帰ろ」
もう〜、しょうがないなあ。
これが、アタシとルイさんの出会いだった。
【シーン2:名鉄吉浜駅】
◾️SE:吉浜駅到着アナウンス
ルイさんは吉浜から名鉄三河線で安城(※頭高)まで通っている。
会社は、自動車部品メーカーの工場らしい。
工場、ってなんだ?
ま、いいや。
とにかくその工場で、品質管理エンジニア、という仕事をしてるんだと。
「私の仕事はねー、ヒメ。
自動車部品の品質を保証するための検査とか、データ分析とかしてるんだよ。
わかるー?」
わかるわけないだろ。
さっぱりちんぷんかんぷん。
だけど、まあ、とっても難しい仕事をしてるんだってことはわかる。
お休みは土曜・日曜だけ。
でもときどき、何日も仕事を休んで、アタシと遊んでくれるから感謝してるわ。
遊ぶときはたいてい、アタシを抱っこして、お散歩。
人形小路(にんぎょうこみち)、って言うの?
吉浜駅から続く散歩道を歩いていくんだ。
うわ!びっくりした!
真っ白なゾウがいる!
と思ったら人形なんだもの。
細工人形って言うらしい。
駅からすぐのとこにある「人形小路一番館」。
他にもいっぱい、等身大の細工人形が、まるで生きているみたい・・・
だけじゃなかった。
菊の花を体中にまとった、ものすごく色鮮やかな人形たちがいる。
菊人形、っていうの?
へえ〜。
うさぎのアタシから見てもほれぼれするわ。
あ、ひょっとして・・
だから、アタシの名前は「キク」って言うの?
そっかぁ。
早く言ってよ、もう〜。
11月になると、吉浜の町に菊人形がいっぱい並ぶんだね。
じゃあ、これから毎年一緒に見にこれるのかな。
アタシの声が聴こえたか聴こえないのかわかんないけど、
ルイさんはアタシを見てニッコリと微笑んだ。
【シーン3:ひとり暮らしの自宅】
◾️SE:アパートの扉が開く音
「ただいまー、キク。
おりこうにしてた?」
失礼だな。子供じゃないんだから。
うさぎの1歳2か月は、人間で言うと24歳なんだぞ。
立派なレディなんだから。
なんか、いつもより楽しそうな顔。
今日、いいことでもあったのか?
ルイさんってわかりやすいからなー。
「キクー、聞いてくれる。
今日ね、知立の駅で、彼に会ったの」
ほーほー。
彼ってだれだー。
まったく話が見えないぞー。
「ペットショップで初めてキクに会った日。
あの日、遠くに行っちゃった彼よ」
あー、それであのとき目がウルウルしてたのかー。
「5年は帰れないって言ってたけど、
一時帰国したんだって。
で今日、知立駅の三河線ホーム。
安城から帰ってくるアタシを待ちかまえて、サプラ〜イズ!」
へ〜、よかったじゃない。
「今日はそのままセントレアから成田へ行って、明日の朝またとんぼ返りなんだけど・・」
あ、また、泣きそうな顔・・・
と思ったら・・・
「実は来年日本へ戻ってくるのよ!」
感情の起伏がジェットコースターみたいだな。
まあ、でも、ルイさんが幸せそうでよかった。
で、なんの話だっけ?
「キクにも早く会わせたいなー」
え?
いまなんてった?
「ほら見て。これが彼よ〜。
ソラ、っていうの」
そう言ってルイさんはアタシの目の前にスマホを置いた。
ふうん。
こういうのが好みなんだー。
イケメン度はまあまあかな。
「ソラ、早くまた会いたいよー」
こらこら、顔をくっつけてくるなら、メイク落とせよー。
よくわかんないけど、アタシ的にはなんだかちょっぴり不安。
ルイさんは鼻歌を歌いながら、
アタシにグルーミングスプレーをかけて
いつまでもいつまでもブラッシングをしてくれた。
【シーン4:やってきた他人】
◾️SE:アパートの扉が開く音
「ただいまー。
さ、ソラ。入って。遠慮しないで」
一年後。
アタシとルイさんのアパートに、見知らぬ人間がやってきた。
この匂い・・・
今まで嗅いだことのない匂いだ。
ルイさんとはまったく違う。
「見て。この子がキク。
ちっこくて可愛いでしょう」
ルイさんがケージからアタシをひっぱり上げる。
体を撫でながら、その男の方を向ける。
やめろ。アタシにとっては、こいつは敵だ。
アタシは、ケージの中で激しく足ダン(※うさぎの威嚇行為)をした。
「どうしたのよ、キク。
そんなに足をバタバタさせて。
そっかー。嬉しいの?ひょっとしてー」
なワケあるか。
うさぎのこともっと勉強しろよ。
空気が読めないのはルイさんだけじゃない。
目の前の男。
背が高くてヒゲを生やした男は、アタシに手を伸ばしてくる。
思わず耳を立てて、威嚇の声を出した。
そのまま両足でパ〜ンチ!てかキ〜ック!
「なにすんのよ、キク!」
ルイさんが、アタシの頭を小さく叩く。
すごく優しい叩き方だったけど、アタシの心にはものすごく強く響いた。
アタシは、自分からケージの中に駆け込み、奥の方でうずくまる。
「ごめんなさい。この子、きっと緊張してるんだわ。
そのうちきっと仲良くなれるから」
結局そいつは、アタシたちのアパートに居着いてしまった。
ねえちょっとルイさん、そいつ、いつまでおいとくんだよ?
【シーン5:気まずい時間】
「ごめんねー、ソラ。
工場に抜き打ちの検査が入っちゃったみたい。
ホントは私、今日お休みとってたんだけど。
どうしても私じゃなきゃ、ってことだから行ってくるわ。
お留守番頼んでもいい?
せっかくの休日だったのにごめんね。
じゃ、行ってきます。キクもいい子にしてるのよ」
◾️SE:アパートの扉が閉まる音
なんだなんだ?
アタシとこいつを2人きりにするつもりなの?
こりゃあかん。
今日はできるだけケージの奥から動かないようにしよう。
ルイさんが出ていくと、ソラという男は部屋の片付けを始めた・・・
※続きは音声でお楽しみください。