#オンライン礼拝 #徳島北教会 #平和聖日 #ホモ・サピエンス #戦争
聖書の引用……旧約聖書・創世記4章1-16節(カインとアベル)
説き明かし……「平和をつくるという反逆」by ぼやき牧師|富田正樹
カインとアベルの物語は、人間というものが、同じ生物種を殺す特異な生物なのだということを洞察した物語です。人はアダムとエバの第1世代で神から離れ、カインとアベルの第2世代で殺人が起こります。人間とはそういうものなのだ、という悲嘆がここに表されていると言えるのではないでしょうか。
そもそもホモ・サピエンスというのは、他のホモ属よりも秀でて戦争が上手で残虐な種であったと言われています。そのために、他のホモ属を全て滅ぼして優位に立ち、現在まで地上の支配者となりました。
そして、その戦争の強さの背景、あるいは根底にあったのが、宗教心であったという説があります。見えない何者かを想像するまでに進化した脳を持ったサピエンスは、共通の見えないものによって守られ、その見えないものによって団結し、その見えないもののために命を捨てることに意味を見出すようになります。それにより、もっとも戦争の強い種族になったのでした。
したがって、ホモ・サピエンスはこの本性からして好戦的であり、そのような戦争好きな性質を支えているのが宗教だということなのです。
キリスト教は、変わった宗教です。このような人間の本性に反して、「敵を愛しなさい」、「七の七十倍赦しなさい」、「剣を取る者は剣で滅びる」、「右の頬を打たれたら、左の頬をも向けなさい」……そのようなことを教える宗教です。これはおそらく他の宗教には見られないものです。
他の宗教はもっと現実主義的です。例えばイスラームは専守防衛ですが、攻められたら戦うという現実主義、合理主義的です。そして私は何人ものムスリムに「キリスト教よりも我々の方が現実主義的だ」、「キリスト教は自分たちの教えを守れていないじゃないか」と笑われたことがあります。
しかし、この守れてもいない絶対平和主義・非戦の教えを、イエスの命令として掲げ続けることがキリスト教の特質なのです。
イエスの命令はホモ・サピエンスにとっては「不自然な」命令なのです。しかし、クリスチャンはこれからでも、イエスのこの「不自然な」、「絵に描いた餅」のような命令についてゆきたいと思うのです。
それは人類の本性に対する反逆のようなものです。平和を作る者は幸いであると言われている、その平和をつくるわざは人類の基本的な傾向に対する反逆なのです。
それは単に無抵抗になって諦めるという意味ではありません。平和を作るという反逆を実行するのが、クリスチャンの企てなのです。イエスに着いて、この企てに参加しませんか。
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