小山ナザレン教会

不都合な物語(稲葉基嗣) – マタイ28:11-15


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2023年4月16日 復活節第2主日

聖書 マタイによる福音書28:11−15、エゼキエル書37:1−11、詩編16、コリントの信徒への手紙 第一 15:1−8

説教者 稲葉基嗣


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【説教要旨】

イエスさまを通して神がもたらした良い知らせは、この世界を支配する人たちにとっては、かなり都合の悪い知らせでした。喜びも、平和も、将来への希望も、この世界を治める権威も、皇帝ではなく、イエスにこそあると宣言しているのですから。この世界を支配するほんの一握りの人たちの支配は過ぎ去り、イエスさまこそがこの世界の王として訪れたというのですから。

ユダヤの宗教指導者たちにとっても、イエスさまの周辺で起こった出来事と、イエスさまが復活したという知らせは、とても都合が悪いものだったようです。彼らは、イエスさまが死んだ後によみがえると話していたことを思い出して、イエスさまの身体が置かれた墓を兵士たちに守らせました。弟子たちがイエスさまの身体を盗んで、「主はよみがえった」と言い出さないように。でも、兵士たちはその役目を果たすことが出来ませんでした。天使が現れて、倒れて、気を失ってしまっていたのですから。天使が現れたことは、明らかに、神がイエスさまを通して働かれている証拠でした。だから、長老たちと祭司長たちは兵士たちからの報告を聞いたとき、この事実を隠そうとし、別の物語をでっち上げました。兵士たちが寝ている間に、弟子たちがイエスの身体を盗んだ、と。このようにして彼らは、自分たちにとって都合の悪い物語を、賄賂を用いて、たくさんの銀貨を用いて、どうにかして自分たちにとって都合の良い物語へと書き換えて、その偽りの物語を周りに広めていきました。けれど、結局のところ、彼らの試みは失敗に終わりました。主イエスにある福音は、誰にでも都合の悪い物語として届く可能性があります。耳をふさぎたくなる神の言葉が良い知らせとして届くことだってあるのです。

そんな都合の悪さに勝って、イエス・キリストにある福音は、わたしたちに喜びと希望を告げる物語です。天の国は、ほんの一握りの人のためのものではなく、あなたのためのものだと、神はすべての人々に向かって語りかけています。時々、わたしたちが良い知らせと受け止めている福音は、都合の悪い物語として、みなさんのもとに届くかもしれません。でもどうか、それにもまさる幸いが福音にあることに目を留め続けて、この地上での信仰の旅路を歩み続けていくことができますように!ときには、一緒に神と共に歩む幸いを分かち合いながら、またときには心に感じた不都合さを共に分かち合いながら、わたしたちはこの旅を続けていきましょう。

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