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2024年12月22日 待降節第4主日
説教題:歩み寄るクリスマス
聖書: ルカによる福音書 2:1–20、ミカ書 5:1–4a、詩編 100、ヨハネの手紙 一 4:7–11
説教者:稲葉基嗣
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神が人間となって、わたしたちのもとに来てくださったことは、わたしたちにとって、驚くべきことであり、そして喜びです。だからわたしたちは、喜ばしいときだけでなく、悲しみのときも、失望するときも、困難の中にあるときも、わたしたちに歩み寄り、わたしたちと共に生きてくださる、イエスさまの誕生を思い起こして、毎年この時期にはクリスマスをお祝いします。新約聖書が描くイエスさまの誕生の物語で、天使たちは歌い、イエスさまの誕生を祝福し、天使の知らせを聞いた羊飼いたちは喜んで、イエスさまを探しました。けれども、当事者である、イエスさまの両親のマリアとヨセフにとって、この出来事は、もっと困難に満ち、不安な思いを抱え続けるものでした。マリアの出産が近い時期に、住民登録をするために、彼らはヨセフの出身地のベツレヘムへと旅をしなければなりませんでした。それは、10日ほどの期間が必要な旅でした。ベツレヘムに到着して、マリアはイエスさまを出産することになりますが、この時のことについて、「宿屋には彼らの泊まる所がなかった」と記されています。ヨセフが親戚や知人を訪ねては、住民登録の時期のせいで人がいっぱいだから何度も宿泊を断られたということなのでしょうか。ルカが指摘している問題は、彼らに泊まる場所がなかったことではありません。1世紀のユダヤにおいて、結婚した夫婦のために、家の2階部分に部屋が増設され、彼らに割り当てられたように、ヨセフとマリアにも部屋が割り当てられました。しかし、そのような部屋(客間)は狭く、出産に適した部屋ではありませんでした。マリアと産まれてくる子の命を守るために、たくさんの人が協力しましたが、そのためのスペースが彼らの部屋にはありませんでした。イエスさまが飼い葉桶で寝ているという光景は、飼い葉桶のある広い部屋にマリアが移されて、イエスさまを産むことができたという証拠です。マリアとヨセフが、滞在しているその家の家族から受け入れられ、近所の人たちから助けられながら、イエスさまは産まれてきました。お互いの弱い部分を見て、傷つけ合うのではなく、支え合うことができる、安心できる場所を作るために、イエスさまは私たちのもとに来てくださいました。クリスマスは、このような出来事を喜び合う日です。助けが必要なときは、どうか安心して声を上げてください。そして、どこかで助けを必要としている声がみなさんの近くにあるのならば、そんな声に応えて歩み寄ることができますように。
By 小山ナザレン教会2024年12月22日 待降節第4主日
説教題:歩み寄るクリスマス
聖書: ルカによる福音書 2:1–20、ミカ書 5:1–4a、詩編 100、ヨハネの手紙 一 4:7–11
説教者:稲葉基嗣
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神が人間となって、わたしたちのもとに来てくださったことは、わたしたちにとって、驚くべきことであり、そして喜びです。だからわたしたちは、喜ばしいときだけでなく、悲しみのときも、失望するときも、困難の中にあるときも、わたしたちに歩み寄り、わたしたちと共に生きてくださる、イエスさまの誕生を思い起こして、毎年この時期にはクリスマスをお祝いします。新約聖書が描くイエスさまの誕生の物語で、天使たちは歌い、イエスさまの誕生を祝福し、天使の知らせを聞いた羊飼いたちは喜んで、イエスさまを探しました。けれども、当事者である、イエスさまの両親のマリアとヨセフにとって、この出来事は、もっと困難に満ち、不安な思いを抱え続けるものでした。マリアの出産が近い時期に、住民登録をするために、彼らはヨセフの出身地のベツレヘムへと旅をしなければなりませんでした。それは、10日ほどの期間が必要な旅でした。ベツレヘムに到着して、マリアはイエスさまを出産することになりますが、この時のことについて、「宿屋には彼らの泊まる所がなかった」と記されています。ヨセフが親戚や知人を訪ねては、住民登録の時期のせいで人がいっぱいだから何度も宿泊を断られたということなのでしょうか。ルカが指摘している問題は、彼らに泊まる場所がなかったことではありません。1世紀のユダヤにおいて、結婚した夫婦のために、家の2階部分に部屋が増設され、彼らに割り当てられたように、ヨセフとマリアにも部屋が割り当てられました。しかし、そのような部屋(客間)は狭く、出産に適した部屋ではありませんでした。マリアと産まれてくる子の命を守るために、たくさんの人が協力しましたが、そのためのスペースが彼らの部屋にはありませんでした。イエスさまが飼い葉桶で寝ているという光景は、飼い葉桶のある広い部屋にマリアが移されて、イエスさまを産むことができたという証拠です。マリアとヨセフが、滞在しているその家の家族から受け入れられ、近所の人たちから助けられながら、イエスさまは産まれてきました。お互いの弱い部分を見て、傷つけ合うのではなく、支え合うことができる、安心できる場所を作るために、イエスさまは私たちのもとに来てくださいました。クリスマスは、このような出来事を喜び合う日です。助けが必要なときは、どうか安心して声を上げてください。そして、どこかで助けを必要としている声がみなさんの近くにあるのならば、そんな声に応えて歩み寄ることができますように。