前回に引き続き、『HUNTER×HUNTER』に垣間見える創作のヒントを語るハマナカとどてらい。
「創作縛りプレイ主義」を軸に、「バーニング定点観測」「クリエイティブ・マッスル」「諦めの力」など、互いの創作論を語る。
制約は不自由なのか、それとも作品を立ち上げるためのキャンバスなのか。話はあちこちへ転がりながら、最終的には「自分との付き合い方」へ向かっていく。
今夜も短編小説のようなトークをお楽しみください。
目次
- 00:00:00 少年ジャンプ過剰摂取
- 00:06:13 全力縛りプレイ主義
- 00:11:42 無法なる自由の無味無臭
- 00:15:46 バーニング定点観測
- 00:19:55 クリエイティブ・マッスル
- 00:25:28 摂取コンテンツの周期
- 00:38:28 諦めの力
要約
- 00:00:00 少年ジャンプ過剰摂取
前回の「ものづくりは命がけ」という話を受けて、今回はAI時代に人間がどこへ命をかけるのかを考えていく。どてらいは『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』のポップや偽勇者一行を引きながら、子どもにも届く形で人のあり方を見せる作品の強さを語る。 - 00:06:13 全力縛りプレイ主義
ハマナカは、設定を作ることは制約を作ることだと語る。制約があるからこそドラマが生まれ、物語が動き出す。どてらいも、雑誌や紙面の制約の中で書くからこそ作品になると応じる。制約は檻ではなく、創作が成立するためのフィールドなのだ。 - 00:11:42 無法なる自由の無味無臭
自由すぎるものは、かえって創作物として見えにくくなる。何かしらの枠が加わることで、表現は作品として立ち上がる。自分らしさとは、何をやるかだけでなく、何をやらないかでもあるという話へつながる。 - 00:15:46 バーニング定点観測
どてらいは、熱苦しい芸風として自分を見せながらも、しっとりした文学寄りの記事が評価された経験を語る。今の芸風を定点観測していると、ふと別の火の燃え方が見えてくる。制約は守るだけでなく、破ることで未来の芸風にもなりうる。 - 00:19:55 クリエイティブ・マッスル
ハマナカは、制約を持って一つの方向に努力するからこそ、技術は結晶化すると語る。どてらいも、物書きには筋肉があると話す。急に別方向へ無理をすると筋肉断裂が起きるため、これまでの筋肉を活かしながら少しずつ拡張していく必要がある。 - 00:25:28 摂取コンテンツの周期
話は、コンテンツ摂取の周期へ。ハマナカは、固い本、漫画、映画、音楽などに自然な波があると語り、今回の『HUNTER×HUNTER』も「今がその時期だ」と感じて迎え入れたものだったという。どてらいも、今は活字が読みにくい時期だと語る。 - 00:38:28 諦めの力
気圧や体調によって、書ける日と書けない日がある。若い頃は無理をしてでもやろうとするが、自分を知るほど、今日はインプット、軽作業、あるいはもうやらないと諦める力がついてくる。創作とは、自分という生物機械をどう乗りこなすかでもあるのだ。
漠然なる気付き
- AI時代だからこそ、どこに命をかけるのかが問われる。作り手の思念が作品の強度を左右する。
- 少年ジャンプ黄金期に浴びた作品は、あとから創作観や倫理観の地層として浮かび上がってくる。
- 創作における設定は制約であり、その制約があるからこそ物語の駆け引きが生まれる。
- 自由すぎるものは、作品として立ち上がりにくい。何かしらの枠があってこそ表現は輪郭を持つ。
- 自分らしさとは、やることだけではなく「やらないこと」で作られる。
- 制約は守るだけでなく、いつか破る必要もある。ただし、破るにはタイミングと理由がいる。
- どてらいの熱苦しい芸風と、しっとりした文学寄りの文章は対立ではなく、地続きの可能性である。
- クリエイティブ・マッスルは確実にある。急に別方向へ無理をすると筋肉断裂が起きる。
- 能力の拡張は、制約の放棄ではなく、制約の再解釈に近い。
- コンテンツ摂取には周期がある。自分の季節を見極めることも大切である。
- 気圧や体調は創作に普通に影響する。今日はやらないと切り替える方が健全な場合もある。
- 諦める力は、手抜きではなく自己管理である。
- 第13回は、制約、芸風、筋肉、周期、気圧、諦めまで、創作を続けるための身体論に踏み込んだ回だった。
本日の漠然マイスター
- ハマナカ
紙折り人。DJやプログラミングもする。折り紙デザインスタジオ Kamiori-Studioを運営。
漠然スタイルは「神降ろし」。研究家気質。
Instagram - どてらい
物書き。空手やたこ焼き職人もする。主に雑誌『散歩の達人』で執筆。
漠然スタイルは「イタコ」。単なる容れ物志向の男。
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