『芦田の毎日』

大学入試改革の時代錯誤


Listen Later

筆者は、大学入試改革における「人物本位入試」について、その実質が教育再生実行会議の提言にある「能力・意欲・適正や活動歴の多面的・総合的な評価」であることを指摘します。この評価方法は、かつての中曽根臨教審答申に基づく「新学力観」の復古に過ぎないと論じ、特に「意欲」評価が知識偏重への対抗軸として位置づけられている点を挙げます。しかし、「意欲」と知識は不可分であり、知識格差こそが真の意欲格差を生むと主張します。また、多段階評価や複数回受験といった改革の方向性が、かえって階層格差を固定化し、「知識偏重の1点刻みの選抜」が持つ階層シャッフル機能を失わせる危険性があることを示唆します。最後に、学校教育の本来の役割は家族や地域の影響を相対化し、知識に定位することで近代的な能力主義を支えることにあると結論付け、人物評価重視の入試は今日の社会状況においては時代錯誤であると批判します。

...more
View all episodesView all episodes
Download on the App Store

『芦田の毎日』By Hironao Ashida