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「舞鶴公園では今、藤の花が満開のはずだ。その花を風に乗せてここまで運ぶことができたなら、藤巴の家紋も力を得られるんじゃないかな」風に乗って、藤の花がひらひらと舞い降りてきた。マイヅル様の「力」の導きで、藤の花が、花壇の上に降り注いだ。藤の花に覆われ、名実共に「藤巴」となった花壇は、かなめにもわかるほどに光を増して行った。「行こう、かなめ。早いほうがいい」博に促され、二人でまっすぐ、であい橋に向かった。であい橋の向こうでは、ハンの者たちが封鎖に必死に槍を突き立て、破ろうとしていた。かなめは博と手を携えて、槍の穂先に向けた。藤巴の印に集まった力が、かなめと博の手を通じて、槍を引っ張る。槍が、透明な壁に少しずつめり込んでいった。ハンの者たちの押す力に、花壇の引っ張る力が助力し、少しずつ、槍が押し込まれてゆく。そして、ある瞬間、槍が封鎖を突き抜けた。「ああ、かなめさん。今回もあんたが助けてくれたとか!」「話は後だ! 橋の上の枡形門を、博多大仏を復活させて守りを固めている。対抗できるのは、福岡大仏だけだ」「わ……わかった。とにかく、東長寺に向かうばい!」
「舞鶴公園では今、藤の花が満開のはずだ。その花を風に乗せてここまで運ぶことができたなら、藤巴の家紋も力を得られるんじゃないかな」風に乗って、藤の花がひらひらと舞い降りてきた。マイヅル様の「力」の導きで、藤の花が、花壇の上に降り注いだ。藤の花に覆われ、名実共に「藤巴」となった花壇は、かなめにもわかるほどに光を増して行った。「行こう、かなめ。早いほうがいい」博に促され、二人でまっすぐ、であい橋に向かった。であい橋の向こうでは、ハンの者たちが封鎖に必死に槍を突き立て、破ろうとしていた。かなめは博と手を携えて、槍の穂先に向けた。藤巴の印に集まった力が、かなめと博の手を通じて、槍を引っ張る。槍が、透明な壁に少しずつめり込んでいった。ハンの者たちの押す力に、花壇の引っ張る力が助力し、少しずつ、槍が押し込まれてゆく。そして、ある瞬間、槍が封鎖を突き抜けた。「ああ、かなめさん。今回もあんたが助けてくれたとか!」「話は後だ! 橋の上の枡形門を、博多大仏を復活させて守りを固めている。対抗できるのは、福岡大仏だけだ」「わ……わかった。とにかく、東長寺に向かうばい!」