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Ep.559 ByteDance「Seedream 4.0」——ジェネレートも編集も“これ一台”、4K対応の新基準(2025年9月18日配信)


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9月10~11日にかけて、ByteDanceが最新の画像生成モデル「Seedream 4.0」を公開しました。特徴は“生成と編集の単一アーキテクチャ統合”。テキストからの新規生成に加えて、物体消去やライティング調整、文字の置換、モノクロ写真のカラー化といった編集を、自然言語だけで指示できます。さらに複数画像の一括入力・出力、参照一貫性(キャラクターの見た目やロゴを保ったまま別アングル生成)に対応し、出力は最大4K。前世代より推論が大幅に高速化したと説明されています。


性能面では、ByteDanceは社内評価「MagicBench」「MagicArena」で、テキスト誘導の忠実度、アラインメント、審美性などの指標で高得点を記録し、GoogleのGemini 2.5 Flash Image(Nano Banana)やOpenAIのGPT-Image 1を一部項目で上回ったと主張します。ただし、いずれも社内評価で、正式な技術報告として公開されたものではありません。公開系の評価で強いNano Bananaに挑む構図である一方、10倍以上の高速化や表の描画・タイポグラフィの精度向上など、実務で効く改良点は確かに目を引きます。


利用環境も広がっています。企業向けにはVolcano Engine(Ark)で提供が始まり、一般のクリエイターにはFALやFreepik、Wavespeedといったパートナー経由でアクセス可能。ComfyUIは9月10日付でSeedream 4.0対応ノードを案内し、ワークフローにそのまま組み込める形です。価格感はプラットフォーム差がありますが、パートナー経由で1イメージあたり約0.03ドルという目安が示され、解像度やバッチ処理で変動します。


現場のメリットを具体化すると、まずブランド制作での“文字とロゴ”の扱いが大幅に楽になります。指定フォント風のレイアウトや小さなテキストを破綻なく描き、製品写真のロゴ差し替えや配色変更を自然言語で一括指示。EC撮影では、同じ人物・被写体のまま別アングルを量産でき、撮影外注の一部を置き換える可能性があります。前世代の技術報告(Seedream 3.0、SeedEdit 3.0)が示してきた高速化・編集一貫性の流れを、4.0で“統合モデル”として実装した格好です。もっとも、社内ベンチの主張は鵜呑みにせず、公開アリーナや自社データでの再検証が欠かせません。


今回のエピソードは以上で終了です。また次回お会いしましょう。

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名古屋ではたらく社長のITニュースポッドキャストBy ikuo suzuki