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9月11日、Anthropicが「Claudeにメモリを導入」と発表しました。今回の目玉は、チームやエンタープライズの現場で、過去の会話からユーザーの嗜好やプロジェクト情報を自動で覚え、次の返答に反映してくれる点。何度も前提を説明し直す手間を減らし、継続案件のスピードを底上げします。メモリは完全オプトインで、設定から確認・編集・無効化が可能。まずはTeam/Enterpriseで即日ロールアウトし、一般ユーザー向けには会話を記録に残さないIncognito chatを同時に解禁しています。
実務向けに作り込んだのが「プロジェクト境界」です。製品ローンチ用の議論とクライアント案件のやり取りを別々に記憶し、機密性の高い会話が他の案件へ“にじむ”のを防ぐ設計。さらに、Claudeが保持する記憶をひと目で見渡せる「メモリサマリー」も用意され、ユーザーが「これは覚えないで」「ここを重視して」と指示すると参照方針を調整してくれます。
プライバシーの新設計として、Incognito chatは全ユーザー対象で提供。画面右上の“ゴースト”アイコンから即時に切り替えでき、当該チャットは履歴にもメモリにも残りません。Teamの場合でも、組織のデータ保持ポリシーの範囲でエクスポートに含まれるなど、企業の統制要件に配慮した仕様が示されています。
足元の機能拡張の流れを見ると、9月9日にはExcelやPPT、PDFまで直接生成・編集できる「ファイル作成・編集」機能も加わりました。長大な資料を扱うには器(コンテキスト)と記憶(メモリ)の両輪が必要で、Claudeは既に最大100万トークン級の取り回しを実現。今回の自動メモリは、この大容量処理と組み合わせて“長期プロジェクトの分断”をなくす狙いが色濃いといえます。
競合比較では、OpenAIやGoogleも横断メモリやプライベートモードを進化させていますが、Anthropicは“仕事前提”の設計を前面に出しました。プロジェクト単位の記憶境界、管理者による機能無効化、ユーザーによるメモリの可視化と修正といった制御性が、企業導入の判断軸になりそうです。The Vergeも自動メモリの対象をTeam/Enterpriseに絞った点と、全ユーザーのIncognito提供を強調し、現場仕様の打ち出しを評価しています。
今回のエピソードは以上で終了です。また次回お会いしましょう。
By ikuo suzuki9月11日、Anthropicが「Claudeにメモリを導入」と発表しました。今回の目玉は、チームやエンタープライズの現場で、過去の会話からユーザーの嗜好やプロジェクト情報を自動で覚え、次の返答に反映してくれる点。何度も前提を説明し直す手間を減らし、継続案件のスピードを底上げします。メモリは完全オプトインで、設定から確認・編集・無効化が可能。まずはTeam/Enterpriseで即日ロールアウトし、一般ユーザー向けには会話を記録に残さないIncognito chatを同時に解禁しています。
実務向けに作り込んだのが「プロジェクト境界」です。製品ローンチ用の議論とクライアント案件のやり取りを別々に記憶し、機密性の高い会話が他の案件へ“にじむ”のを防ぐ設計。さらに、Claudeが保持する記憶をひと目で見渡せる「メモリサマリー」も用意され、ユーザーが「これは覚えないで」「ここを重視して」と指示すると参照方針を調整してくれます。
プライバシーの新設計として、Incognito chatは全ユーザー対象で提供。画面右上の“ゴースト”アイコンから即時に切り替えでき、当該チャットは履歴にもメモリにも残りません。Teamの場合でも、組織のデータ保持ポリシーの範囲でエクスポートに含まれるなど、企業の統制要件に配慮した仕様が示されています。
足元の機能拡張の流れを見ると、9月9日にはExcelやPPT、PDFまで直接生成・編集できる「ファイル作成・編集」機能も加わりました。長大な資料を扱うには器(コンテキスト)と記憶(メモリ)の両輪が必要で、Claudeは既に最大100万トークン級の取り回しを実現。今回の自動メモリは、この大容量処理と組み合わせて“長期プロジェクトの分断”をなくす狙いが色濃いといえます。
競合比較では、OpenAIやGoogleも横断メモリやプライベートモードを進化させていますが、Anthropicは“仕事前提”の設計を前面に出しました。プロジェクト単位の記憶境界、管理者による機能無効化、ユーザーによるメモリの可視化と修正といった制御性が、企業導入の判断軸になりそうです。The Vergeも自動メモリの対象をTeam/Enterpriseに絞った点と、全ユーザーのIncognito提供を強調し、現場仕様の打ち出しを評価しています。
今回のエピソードは以上で終了です。また次回お会いしましょう。