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中国のInnosiliconがRISC-Vベースの新GPU「Fenghua No.3(Fantasy 3)」を発表しました。目を引くのは“CUDA互換”を掲げた点と、112GB超のHBMを載せた大容量設計。用途はAIからゲーム、医療画像まで“オールファンクションGPU”を標榜し、DX12/Vulkan 1.2に加えてハードウェアレイトレーシングのデモも行われたと伝えられています。
対応環境はWindowsやAndroid、国産OS(UOS/Kylin)を含み、ディスプレイは8K×6面出力に対応とされます。AIについては、単体で720億パラメータ級、8枚構成で6850億パラメータ級モデルまで“扱える”との説明が紹介されました。もっとも、詳細なベンチや実働検証はこれからで、現時点ではメーカー発表や会場デモを元にした一次報道の段階です。
今回の“CUDA互換”主張は、技術と法務の二つの意味で注目を集めます。技術面ではエコシステム移行の摩擦を大きく下げうる一方、CUDAはNVIDIAのプロプライエタリ基盤であり、互換の範囲や実装手法次第では知財論点が浮上する可能性も指摘されています。いずれにせよ、実アプリや主要フレームワークでの互換性検証が市場受容の決め手になるでしょう。
背景には、中国の“国産GPU化”という国家的テーマがあります。Fenghua No.1/2がPowerVR系IP依存だったのに対し、No.3はRISC-Vやオープンコアの知見を取り込んだ自前設計へ舵を切ったとされ、供給制約下での自立性強化を狙います。搭載インターフェースや仮想化(vGPU)対応も謳い、クラウド側でのAIワークロードを意識した構成がうかがえます。
ビジネスの見立てとしては三点。第一に、もし本当にCUDA互換と大容量HBMの両立が実用域に達すれば、中国内のAI推論・可視化・医療画像など特定ドメインで“第3の選択肢”になり得ます。第二に、国際市場ではドライバ成熟とソフト互換の実績作りが最大の関門で、NVIDIA/AMDの厚いスタックに対抗するには時間が要るはず。第三に、法的リスクが顕在化した場合は販売・海外展開の足枷となる可能性がある――この三つが短中期の評価軸になりそうです。
By ikuo suzuki中国のInnosiliconがRISC-Vベースの新GPU「Fenghua No.3(Fantasy 3)」を発表しました。目を引くのは“CUDA互換”を掲げた点と、112GB超のHBMを載せた大容量設計。用途はAIからゲーム、医療画像まで“オールファンクションGPU”を標榜し、DX12/Vulkan 1.2に加えてハードウェアレイトレーシングのデモも行われたと伝えられています。
対応環境はWindowsやAndroid、国産OS(UOS/Kylin)を含み、ディスプレイは8K×6面出力に対応とされます。AIについては、単体で720億パラメータ級、8枚構成で6850億パラメータ級モデルまで“扱える”との説明が紹介されました。もっとも、詳細なベンチや実働検証はこれからで、現時点ではメーカー発表や会場デモを元にした一次報道の段階です。
今回の“CUDA互換”主張は、技術と法務の二つの意味で注目を集めます。技術面ではエコシステム移行の摩擦を大きく下げうる一方、CUDAはNVIDIAのプロプライエタリ基盤であり、互換の範囲や実装手法次第では知財論点が浮上する可能性も指摘されています。いずれにせよ、実アプリや主要フレームワークでの互換性検証が市場受容の決め手になるでしょう。
背景には、中国の“国産GPU化”という国家的テーマがあります。Fenghua No.1/2がPowerVR系IP依存だったのに対し、No.3はRISC-Vやオープンコアの知見を取り込んだ自前設計へ舵を切ったとされ、供給制約下での自立性強化を狙います。搭載インターフェースや仮想化(vGPU)対応も謳い、クラウド側でのAIワークロードを意識した構成がうかがえます。
ビジネスの見立てとしては三点。第一に、もし本当にCUDA互換と大容量HBMの両立が実用域に達すれば、中国内のAI推論・可視化・医療画像など特定ドメインで“第3の選択肢”になり得ます。第二に、国際市場ではドライバ成熟とソフト互換の実績作りが最大の関門で、NVIDIA/AMDの厚いスタックに対抗するには時間が要るはず。第三に、法的リスクが顕在化した場合は販売・海外展開の足枷となる可能性がある――この三つが短中期の評価軸になりそうです。