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Ep.700 Anthropic、米AIインフラに500億ドル──Fluidstackと“自前DC”でギガワット勝負(2025年11月20日配信)


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米Anthropicが、米国内のAI計算インフラに総額500億ドルを投じ、テキサスとニューヨークでFluidstackと共同の専用データセンター建設に踏み切ります。最初のサイトは2026年に順次稼働し、常用約800人、建設関連約2,400人の雇用創出を見込むと発表しました。背景には、企業向けClaudeの需要拡大と“フロンティア研究を支える自前の計算基盤”の必要性があります。公式発表は、施設がAnthropicのワークロード最適化に特化して設計され、将来的に追加拠点も予定していると強調しました。


この計画の注目点は“自前DCシフト”です。ブルームバーグによれば、今回の建設は、これまで主にAmazonやGoogleといったクラウドパートナーを通じて確保してきた計算資源に加え、Anthropicが自社主導で進める初の本格的なデータセンター群になるといいます。Fluidstack側は「ギガワット級の電力を迅速に供給できる」としており、電力制約がインフラ拡張のボトルネックになりやすい今、電力確保を含めた垂直統合色が濃い動きです。


政策面の追い風も織り込みました。発表文は、米国のAIリーダーシップ維持を掲げるAI Action Planの目標に資する投資であると位置づけています。エネルギー源や細かな所在地の詳細は現時点で限定的ですが、需要急増の只中で、米国内に専用インフラを張る流れは業界全体の潮流でもあります。複数の報道は、AI向けDC建設ラッシュと環境・電力コストへの懸念の高まりを併記しつつ、Anthropicの大規模投資がその最前線に加わる格好だと伝えています。


実務の観点では、クラウド依存一辺倒から“クラウド+自前”のハイブリッドへ舵を切ることで、レイテンシやコスト、供給確実性を自社設計で最適化しやすくなります。2026年の立ち上げタイムラインをにらみつつ、AIワークロードの配置戦略、電力・冷却の前提、そして安全運用の枠組みを“米国内でどう確保するか”が、今後の競争力の分かれ目です。

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名古屋ではたらく社長のITニュースポッドキャストBy ikuo suzuki