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GoogleがAI半導体の覇者であるNVIDIAの領域に、かつてない強さで切り込んでいます。Googleはこのたび、自社開発のAIチップの最新版となる第7世代TPU、「Ironwood(アイアンウッド)」を発表しました。
報道によりますと、このIronwoodは前世代のモデルと比較して4倍以上のパフォーマンスを誇るとされています。特筆すべきは、Googleがこのチップを単に自社の検索エンジンやYouTubeの裏側で使うだけでなく、外部の顧客に対しても積極的に提供し始めた点です。実際、有力AIスタートアップであるAnthropicは、自社のAIモデル「Claude」を動かすために、最大で100万個規模のIronwoodを採用する計画であると報じられています。
これまでAI開発の現場では、「とりあえずNVIDIAのGPU(H100など)を確保する」ことが最優先事項でした。GPUは汎用性が高く、あらゆる計算に対応できるからです。しかし、Googleはここで「推論(インファレンス)」という特定の工程に勝負をかけました。AIモデルを作ること(学習)も重要ですが、今後AIが普及するにつれて、作られたAIを動かすコスト、つまり推論のコストが膨大になるからです。Ironwoodは、この推論処理において、NVIDIAのGPUよりも電力効率やコストパフォーマンスが良いとアピールしています。
さらに興味深いのは、GoogleがこのチップをMeta(Facebook)などの他の巨大テック企業や金融機関にも売り込んでいるという動きです。これは、NVIDIAからすれば、自社の優良顧客を直接奪われることを意味します。Googleは自社のクラウドサービスとセットでこの強力なチップを提供することで、「NVIDIA税」とも呼ばれる高額なハードウェアコストに悩む企業の受け皿になろうとしているのです。
もちろん、NVIDIAも黙ってはいません。彼らも次世代チップの開発を急いでいますが、Googleのようなクラウド事業者が「自社製チップ」を武器に本格的な独立戦争を仕掛けてきたことで、AI半導体市場は単なる性能競争から、コストと効率を巡る総力戦のフェーズに入ったと言えるでしょう。
By ikuo suzukiGoogleがAI半導体の覇者であるNVIDIAの領域に、かつてない強さで切り込んでいます。Googleはこのたび、自社開発のAIチップの最新版となる第7世代TPU、「Ironwood(アイアンウッド)」を発表しました。
報道によりますと、このIronwoodは前世代のモデルと比較して4倍以上のパフォーマンスを誇るとされています。特筆すべきは、Googleがこのチップを単に自社の検索エンジンやYouTubeの裏側で使うだけでなく、外部の顧客に対しても積極的に提供し始めた点です。実際、有力AIスタートアップであるAnthropicは、自社のAIモデル「Claude」を動かすために、最大で100万個規模のIronwoodを採用する計画であると報じられています。
これまでAI開発の現場では、「とりあえずNVIDIAのGPU(H100など)を確保する」ことが最優先事項でした。GPUは汎用性が高く、あらゆる計算に対応できるからです。しかし、Googleはここで「推論(インファレンス)」という特定の工程に勝負をかけました。AIモデルを作ること(学習)も重要ですが、今後AIが普及するにつれて、作られたAIを動かすコスト、つまり推論のコストが膨大になるからです。Ironwoodは、この推論処理において、NVIDIAのGPUよりも電力効率やコストパフォーマンスが良いとアピールしています。
さらに興味深いのは、GoogleがこのチップをMeta(Facebook)などの他の巨大テック企業や金融機関にも売り込んでいるという動きです。これは、NVIDIAからすれば、自社の優良顧客を直接奪われることを意味します。Googleは自社のクラウドサービスとセットでこの強力なチップを提供することで、「NVIDIA税」とも呼ばれる高額なハードウェアコストに悩む企業の受け皿になろうとしているのです。
もちろん、NVIDIAも黙ってはいません。彼らも次世代チップの開発を急いでいますが、Googleのようなクラウド事業者が「自社製チップ」を武器に本格的な独立戦争を仕掛けてきたことで、AI半導体市場は単なる性能競争から、コストと効率を巡る総力戦のフェーズに入ったと言えるでしょう。