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Ep.721 国産AIの逆襲なるか──SB Intuitions、「Sarashina API」で挑む“日本式”ビジネス革命(2025年11月27日配信)


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ついに、日本のビジネス現場に「日本語を真に理解するAI」が本格実装される時が来ました。ソフトバンクの子会社であるSB Intuitionsは、2025年11月25日の公式ブログにて、かねてより開発を進めていた国産LLM「Sarashina(サラシナ)」の法人向けAPIサービスの全貌を公開しました。


これまで、日本の企業が生成AIを導入する際は、どうしてもOpenAIなどの海外勢に頼らざるを得ませんでした。しかし、海外製AIは日本語の流暢さこそ向上したものの、「空気を読む」ような日本独特の文脈理解や、国内の商習慣に基づいた細やかな対応には課題が残っていました。


今回発表された「Sarashina API」は、まさにその隙間を埋める存在です。特筆すべきは、その頭脳を支えるインフラの強大さです。実はこの発表の直前、11月中旬に公開されたスーパーコンピュータのランキングにおいて、ソフトバンクの計算基盤「CHIE-4(チエ・フォー)」が国内1位、世界でもトップクラスの性能を叩き出しました。この圧倒的な計算力を背景に、Sarashinaは日本語能力だけでなく、推論速度やコストパフォーマンスでも海外勢に真っ向勝負を挑める水準に達しています。


ブログでは技術的な詳細も明かされており、特に注目されるのは「10万トークン」クラスの長文脈理解(コンテキストウィンドウ)への対応です。これにより、企業は膨大な社内規定や過去の議事録をAIに読み込ませ、セキュリティを担保したまま、高精度な検索や要約を行わせることが可能になります。すでに中外製薬などが臨床開発業務での活用を表明しており、機密情報を海外サーバーに出したくない金融・医療業界からの引き合いが強まっています。


「AIは海外製を買うもの」から「国産を選んで使うもの」へ。Sarashinaの商用解禁は、日本のAI産業が自立し、独自の進化を遂げるための大きな転換点となるかもしれません。11月28日のサービス開始を前に、市場の期待は最高潮に達しています。

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名古屋ではたらく社長のITニュースポッドキャストBy ikuo suzuki