連続ラジオ朗読劇『博多さっぱそうらん記』

エピローグ③おばあちゃんの横に立っていた男性。博のデザイン事務所の会長だった


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「あら、かなめ。あんた、ここにおったとね」おばあちゃんに呼び止められた。その横には、おばあちゃんより少し年上らしい男性。「ほら、かなめ、挨拶せんね。博さんのデザイン事務所の会長さんたい」博を博多に送り出した人物。そして、おじいちゃんが亡くなった後に、おばあちゃんを影で支えていたって人だ。「かなめさん、今回の公園プロジェクトの件では、お世話になりましたね」「あの……、博君を、博多に出向させる決定をしたのって、会長さんなんですよね? いったい、どうして?」「彼が青春時代を博多で過ごしたのは、履歴書で知っていましたが、なぜかかたくなに、博多での過去を語ろうとしませんでしたのでね。何か、トラウマを抱えているのでは……とは思っていたのですよ」かなめは黙って頷いた。まさかその「トラウマ」を、自分が産み付けただなんて、とてもじゃないけど言えなかった。「だからこそ、敢えて彼が向き合うのを避けていた博多に、私の一存で送り込んだのです。それで、おばあさまに、様子を見てもらえるようにお願いしていたんですよ。そうしたら偶然にも、お孫さんが同級生だったというじゃないですか」

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