ジョーシスサイバー地経学研究所(JCGR)

ISMSとISOの新局面:脱炭素と地政学がもたらす変化と対応策を専門家が語る(ゲスト:笹原英司クラウドセキュリティアライアンスジャパン代表理事)


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ISOやISMS(ISO27001)は今、クラウド技術の進化、カーボンニュートラルへの要請、そして地政学リスクといった現代の複雑な外部環境に、企業が適応していくための重要な指針となっています。 今回は、クラウドセキュリティアライアンスジャパン代表理事でISOの動向に精通した笹原英二さんをゲストにお迎えし、これらのテーマが企業経営に与えるインパクトと、私たちがビジネスで対応すべきポイントを深掘りします。

■□ハイライト □■

  • ISO・ISMSと地政学: ISO基準の策定プロセスやISMSのガイド改訂における地政学的な影響力がITインフラにもたらすリスクについて専門家の視点から解説します。
  • クラウドセキュリティの新潮流: ISO27001(ISMSの基礎となる規格)やISO27017といったクラウドセキュリティ基準の重要性 、そして米国のビッグテック企業が国防総省レベルのセキュリティ基準をどのように展開しているのか、その実態に迫ります。
  • SaaS利用の盲点と責任: 利用者側が見落としがちなSaaSのセキュリティ課題や、シャドーITの問題、そしてインシデント発生時における法人代表者の責任について警鐘を鳴らします。
  • デジタルサプライチェーンと環境負荷: サプライチェーン全体でのセキュリティリスク管理や、データセンターのカーボンニュートラルへの取り組みなど、クラウド利用と環境問題の密接な関係を解き明かします。
  • 日本企業への提言: グローバル競争を勝ち抜くために日本企業がISO・ISMSへどう対応していくべきか。欧米企業との比較を交えながら、具体的な課題と解決のヒントを提示します。


<ゲスト・プロフィール>
笹原英司(ささはら・えいじ)さん
クラウドセキュリティアライアンスジャパン・代表理事
NPO法人ヘルスケアクラウド研究会・理事

宮崎県出身。千葉大学大学院医学薬学府博士課程修了(医薬学博士)。労働省、ダウジョーンズ、IDCジャパン、デロイトトーマツサイバー合同会社等でデジタルマーケティング全般(B2B/B2C)および健康医療/介護福祉/ライフサイエンス業界のガバナンス/リスク/コンプライアンス関連調査研究/コンサルティング実績を持つ。現在、クラウドセキュリティアライアンス、在日米国商工会議所、グロバルヘルスイニシャチブ(GHI)等でビッグデータのセキュリティに関する啓発活動を行っている。IT Media/Monoistでクラウドセキュリティや海外ヘルスケア事情に関する長期連載中(https://www.itmedia.co.jp/author/208938/)など、講演や執筆多数。

Twitter:https://twitter.com/esasahara

LinkedIn:https://www.linkedin.com/in/esasahara

■□ 収録後記 □■ 

収録を終えて、改めてISOやISMSといった国際標準が、私たちのビジネス環境と想像以上に深く、そして多角的に関わっていることを実感しています。

クラウドセキュリティや国際標準の話と聞くと、どうしても専門的で少し距離を感じる方もいらっしゃるかもしれません。私自身も、お話を伺うまではそうした側面があると感じていました。しかし、笹原さんのお話は、それらが日々のニュースで触れる地政学的な動きや、企業の喫緊の課題であるカーボンニュートラルといったテーマと、具体的な事例を通じて結びつけてくれるものでした。

特に興味深かったのは、クラウドサービスを支える技術が、環境負荷や企業のサステナビリティとどう関わり、それがISOのような国際的な取り決めの中でどう議論されているか、という視点です。普段あまり意識しないところで、実は様々な要素が連動しているのだなと、改めて考えさせられました。

笹原さんが触れられたように、こうした「外部環境」の変化を理解し、それに合わせて企業全体で「適応」していくことの重要性は、今後ますます高まっていくのでしょう。今回の放送が、皆さまの組織内で、そうした新しい視点からの対話や、次の一歩を考える上でのヒントになれば幸いです。

(ホスト:JCGR 川端隆史)

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