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🔶 浄土真宗と海
熊本市中央区京町にある仏嚴寺の住職・高千穂光正(たかちほ こうしょう)さんと、今週はゲストに福岡県・筑紫女学園中学校・高等学校で宗教の先生をされている、佐賀県の専念寺ご所属の小杭浄海(おぐい じょうかい)さんをお迎えしています。
高千穂:はい、今週もどうぞよろしくお願いいたします。
小杭:よろしくお願いいたします。
丸井:おふたりは同級生だそうですね?
高千穂:そうなんです。龍谷大学大学院時代の同級生で、まさに“ご縁”でつながった仲間なんです。
丸井:本当に素敵なご縁ですね。では、今週のテーマは?
高千穂:はい、今回は「浄土真宗と海」についてお話しいたします。
🔶 海の日と仏教のつながり
7月21日は海の日。海の恩恵に感謝し、海洋国・日本の繁栄を願う国民の祝日です。
高千穂:そして今回のゲスト、小杭浄海さん。お名前に“浄”と“海”が入り、まさに今日のテーマにぴったりなんですよ。
小杭:私の名前は「海のように清らかな心を持ってほしい」という親の願いから付けられたんです。
🔶 煩悩の海と浄土の海
高千穂:浄土真宗には“海”を用いた多くの表現があります。一つ目は「煩悩の海」です。
親鸞聖人が詠まれた和讃には、「生死の苦海ほとりなし ひさしくしづめるわれらをば 弥陀弘誓のふねのみぞ のせてかならずわたしける」とあります。この「生死の苦海」は、私たちが煩悩に悩まされながら、六道輪廻のなかで苦しみ続ける姿を表しています。
一方で、「大悲の海」もあります。
「本願力(ほんがんりき)にあいぬれば むなしくすぐるひとぞなき 功徳の宝海みちみちて 煩悩の濁水へだてなし
」
ここでの「功徳の宝海」は阿弥陀様のお徳が、まるで広大な海のように満ち満ちているという意味です。
小杭:阿弥陀様の救いの広さ、深さを“海”に例えているんですね。
🔶 海の性質と仏の徳
高千穂:海の特性にも意味があります。
・広大さ:阿弥陀様の徳の広さを表す
・深さ:迷いの深さ、生死の苦しみの深さを示す
・動き続けること:如来の働きが常に私たちに及んでいること
・すべてを受け入れること:川の水が全て海に注ぐように、どんな命も阿弥陀様は救ってくださる
小杭:私の名前「浄海」にも、そうした意味が込められていると日々感じています。
🔶 親鸞聖人と海との出会い
高千穂:親鸞聖人は京都のお生まれなので、幼い頃は海を見る機会がなかったと思われます。
ですが、流罪となって越後に赴かれた際、新潟県の居多ヶ浜で初めて本物の海をご覧になったとされています。
小杭:そのときの広大で深い海の景色を見て、親鸞聖人がそれまで学んできた教えの真意をより深く実感されたのではないでしょうか。
🔶 海のような心を生徒たちへ
小杭:仏教では「海」は限りない慈悲の象徴とされます。私も「浄海」という名前にふさわしく、そうした広く深く清らかな心を持って生徒たちと接していきたいと思っています。
丸井:素敵なお話ですね。
🔶 今週のまとめ
高千穂:今週は「浄土真宗と海」をテーマにお話ししました。煩悩の海、功徳の宝海など、海に例えられる仏の教えは数多くあります。
海のように広く、深く、そしてすべてを包み込む阿弥陀様のお救い。その偉大さをあらためて感じるご縁となりました。
🔶 次回予告:仏教と教育について
丸井:来週は「仏教と教育」について、小杭浄海さんを引き続きゲストにお迎えしてお送りします。
どうぞお楽しみに。
🔶 お悩み相談、受付中
この番組では、リスナーの皆さまからのお悩み相談も受け付けています。
メールは → [email protected] まで。
今週も最後までお聴きいただき、ありがとうございました。あなたと結ばれたこのご縁に、心より感謝申し上げます。
では、また来週お会いしましょう。
出演
お話:仏嚴寺住職・高千穂光正(たかちほ こうしょう)
司会:丸井純子(まるい じゅんこ)
ゲスト:小杭浄海(おぐい じょうかい)
🔶 浄土真宗と海
熊本市中央区京町にある仏嚴寺の住職・高千穂光正(たかちほ こうしょう)さんと、今週はゲストに福岡県・筑紫女学園中学校・高等学校で宗教の先生をされている、佐賀県の専念寺ご所属の小杭浄海(おぐい じょうかい)さんをお迎えしています。
高千穂:はい、今週もどうぞよろしくお願いいたします。
小杭:よろしくお願いいたします。
丸井:おふたりは同級生だそうですね?
高千穂:そうなんです。龍谷大学大学院時代の同級生で、まさに“ご縁”でつながった仲間なんです。
丸井:本当に素敵なご縁ですね。では、今週のテーマは?
高千穂:はい、今回は「浄土真宗と海」についてお話しいたします。
🔶 海の日と仏教のつながり
7月21日は海の日。海の恩恵に感謝し、海洋国・日本の繁栄を願う国民の祝日です。
高千穂:そして今回のゲスト、小杭浄海さん。お名前に“浄”と“海”が入り、まさに今日のテーマにぴったりなんですよ。
小杭:私の名前は「海のように清らかな心を持ってほしい」という親の願いから付けられたんです。
🔶 煩悩の海と浄土の海
高千穂:浄土真宗には“海”を用いた多くの表現があります。一つ目は「煩悩の海」です。
親鸞聖人が詠まれた和讃には、「生死の苦海ほとりなし ひさしくしづめるわれらをば 弥陀弘誓のふねのみぞ のせてかならずわたしける」とあります。この「生死の苦海」は、私たちが煩悩に悩まされながら、六道輪廻のなかで苦しみ続ける姿を表しています。
一方で、「大悲の海」もあります。
「本願力(ほんがんりき)にあいぬれば むなしくすぐるひとぞなき 功徳の宝海みちみちて 煩悩の濁水へだてなし
」
ここでの「功徳の宝海」は阿弥陀様のお徳が、まるで広大な海のように満ち満ちているという意味です。
小杭:阿弥陀様の救いの広さ、深さを“海”に例えているんですね。
🔶 海の性質と仏の徳
高千穂:海の特性にも意味があります。
・広大さ:阿弥陀様の徳の広さを表す
・深さ:迷いの深さ、生死の苦しみの深さを示す
・動き続けること:如来の働きが常に私たちに及んでいること
・すべてを受け入れること:川の水が全て海に注ぐように、どんな命も阿弥陀様は救ってくださる
小杭:私の名前「浄海」にも、そうした意味が込められていると日々感じています。
🔶 親鸞聖人と海との出会い
高千穂:親鸞聖人は京都のお生まれなので、幼い頃は海を見る機会がなかったと思われます。
ですが、流罪となって越後に赴かれた際、新潟県の居多ヶ浜で初めて本物の海をご覧になったとされています。
小杭:そのときの広大で深い海の景色を見て、親鸞聖人がそれまで学んできた教えの真意をより深く実感されたのではないでしょうか。
🔶 海のような心を生徒たちへ
小杭:仏教では「海」は限りない慈悲の象徴とされます。私も「浄海」という名前にふさわしく、そうした広く深く清らかな心を持って生徒たちと接していきたいと思っています。
丸井:素敵なお話ですね。
🔶 今週のまとめ
高千穂:今週は「浄土真宗と海」をテーマにお話ししました。煩悩の海、功徳の宝海など、海に例えられる仏の教えは数多くあります。
海のように広く、深く、そしてすべてを包み込む阿弥陀様のお救い。その偉大さをあらためて感じるご縁となりました。
🔶 次回予告:仏教と教育について
丸井:来週は「仏教と教育」について、小杭浄海さんを引き続きゲストにお迎えしてお送りします。
どうぞお楽しみに。
🔶 お悩み相談、受付中
この番組では、リスナーの皆さまからのお悩み相談も受け付けています。
メールは → [email protected] まで。
今週も最後までお聴きいただき、ありがとうございました。あなたと結ばれたこのご縁に、心より感謝申し上げます。
では、また来週お会いしましょう。
出演
お話:仏嚴寺住職・高千穂光正(たかちほ こうしょう)
司会:丸井純子(まるい じゅんこ)
ゲスト:小杭浄海(おぐい じょうかい)