市場の風を読む

米政府閉鎖の再発リスクとその影響について


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弊社グローバルリサーチ副責任者のマイケル・ゼザスが、米国で新たな政府閉鎖が起きるリスクについて、投資家が注意すべき点と、過度に反応すべきでない理由を解説します。

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トランスクリプト 

 

「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。

本日のエピソードは、弊社グローバルリサーチ副責任者のマイケル・ゼザスが、今週後半に米国政府が閉鎖される可能性について、投資家として何を心配すべきか、そして何を心配する必要はないのかをお話しします。

このエピソードは1月28日 にニューヨークにて収録されたものです。

英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。

ここ数週間、投資家の皆さまは、さまざまな政策リスクが市場に与える影響を考える必要がありました。たとえば、ベネズエラでの軍事行動による原油供給や新興国市場への影響、イランでの軍事行動の可能性、さらにはグリーンランドをめぐる米欧関係の分断リスクなどです。

それと比べると、今回の米政府閉鎖の可能性は、やや小さな問題のように思えるかもしれません。しかし、優れた投資家はすべてのリスクをしっかり管理します。そこで、この問題を整理していきましょう。

現在、上院では予算をめぐる交渉が続いており、民主党は最近の出来事を受けて、移民取締りの運用方法について、ルールの厳格化と監督強化を求めています。共和党側も一定の歩み寄りを示してはいるものの、最大の制約はスケジュールです。下院は来週初めまで休会しているため、たとえ上院が今週中に採決を行っても下院が対応できず、一時的に政府資金が途切れる可能性があります。そのため、「今週末に短期間の政府閉鎖が起き、下院が再開した後に短いつなぎ予算が成立する」という展開は十分にあり得ます。これは、どちらの政党も閉鎖を望んでいないというよりは、戦略について完全に合意できていないうえ、時間が不足していることが理由です。

もちろん、ひとたび閉鎖が起きると、長引くリスクもあります。しかし、弊社の基本シナリオでは、経済への影響は限定的になるとみています。歴史的に、政府閉鎖は、影響を受ける職員や政府請負業者にとって大きな負担となりますが、マクロ全体への影響は比較的軽く、また元に戻りやすい傾向があります。政府支出の多くは後から執行されますし、成長率への一時的な悪影響も、予算が復活すれば比較的早く解消されるためです。経験則では、「全面閉鎖の場合、1週間続くごとに、四半期ベースのGDP成長率を年率換算で 0.1ポイント押し下げる」程度とされています。そして、今回はすでに複数の歳出法案が可決済みであるため、想定されるのは「部分的な閉鎖」です。その場合、影響はさらに小さくなります。

市場についても、反応は比較的穏やかになる可能性があります。政府閉鎖が企業収益やインフレ、またはFRBの見通しといった、資産のパフォーマンスを左右する重要な市場ドライバーを大きく変えることはほとんどありません。そのため市場は、こうしたノイズを受け流して、より本質的な材料に目を向ける姿勢が続くと考えられます。

最後に、政治状況についても触れておきます。ただし、多くの投資家が考える意味とは少し違う観点で重要です。今回の政府閉鎖リスクは、大統領および共和党の支持率低下につながる一連の動きの延長線上にあります。そのため、多くの投資家は「この状況が中間選挙にどう影響するのか、そして政策はどう変わるのか」と弊社に質問されます。

一見すると、こうした政治力学は、共和党が厳しい中間選挙を迎える可能性を示唆しているように見えるかもしれません。しかし、弊社としては、まだ確かな結論を出すには早すぎると考えています。そして仮に結論が出たとしても、それが市場にとって本当に重要かどうかは別の話です。

第一に、市場にとって最も重要な政策、たとえば貿易、規制、産業戦略、リショアリング、そして近年ではAI関連政策などは、議会ではなく大統領権限で進められているものが多い点です。つまり、短期的な政治の揺れでは、その方向性が変わりにくいのです。

第二に、去年 成立した法人の設備投資を促す税制優遇措置について、仮に議会で撤回の動きがあったとしても、大統領はほぼ確実に拒否権を行使するとみられます。

これらの政策は、2026年の経済見通しにとって重要な要素です。

 総合すると、議会のスケジュールを原因とする今回の政府閉鎖の可能性は、注意して観察すべきリスクではありますが、過度に反応すべきものではありません。

最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。

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市場の風を読むBy Morgan Stanley