四季にあわせてアートブック・写真集をセレクトし表現していく取り組み『trace』。前回配信した『面影飛行 vol.32 ご機嫌と太陽』では、2025年夏のアートブックの選書を前に、私たちそれぞれがこの期間で何を感じていたのかということについて話をしました。
今回の配信では、この企画会議を踏まえ3冊のアートブックをご紹介します。
今回セレクトした3冊に共通することは、写真集であるというところ。
テーマはそれぞれのフォトグラファーが過去・現在・未来へと進む、時の流れの中でその一瞬をファインダー越しにおさめています。
流れゆく日常や旅先の風景の中でその一瞬にフォーカスする、つまり光を当てるということは春夏秋冬の中でいえば夏の陽射しとしてとらえることもできるのではないでしょうか。
奇しくもアートブックの選書家の錦多希子さんとの企画の対話の中で話をしていたのは、『子ども』や『子育て』のこと。
成長著しく日々を全力で過ごしている子どもたちを見ているとその一瞬一瞬が、夏の陽射しなのではないかとも、思えてくるのです。
その時は暑く気だるい季節でも終わってみれば一瞬一瞬を強いコントラストで思い出すのはいつだって夏の時の思い出なのです。
写真と写真の間には、想像という名のイメージ言うなれば記憶が無限に広がっていきます。
ぜひページをめくりながら、記憶の扉を叩いてみてください。