名古屋ではたらく社長のITニュースポッドキャスト

名古屋ではたらく社長のITニュースポッドキャスト

By ikuo suzukiNewsTech News
Download on the App Store

名古屋ではたらく社長のITニュースポッドキャスト episodes

  • Ep.1015 The Anthropic Institute設立──迫り来る“超AI時代”の社会課題に挑む新組織(2026年3月19日配信)

    対話型AI「Claude」の開発で知られるアメリカのAnthropicが、2026年3月11日、「The Anthropic Institute」という新たな研究機関の設立を発表しました。同社は、今後2年間でAIの性能がこれまで以上に劇的な進化を遂げると予測しています。それに伴って生じるであろう、私たちの雇用への影響や法制度との摩擦、さらにはグローバルな安全保障上の課題といった大きな問題に正面から向き合うため、この専門組織を立ち上げました。


    新組織を率いるのは、Anthropicの共同創業者であるジャック・クラーク氏です。体制としては、AIの危険性をテストする「フロンティア・レッドチーム」、AIの現実世界での使われ方を分析する「社会的影響チーム」、そして「経済研究チーム」という社内の3つの部門を統合・拡大したものになります。さらに、Google DeepMindの元シニアリサーチディレクターや、著名な経済学者といった外部の優秀な頭脳も招き入れており、AIと法の支配、あるいは経済活動の根本的な変化といった壮大なテーマに取り組んでいく予定です。


    このニュースで特に注目したいのは、彼らが単なる技術の枠を超え、AIによって仕事が奪われる不安を抱える労働者や産業界と、直接対話していく姿勢を明確に打ち出している点です。最先端のAIを作っている企業だからこそ得られる「内部のリアルな情報」を包み隠さず発信し、社会全体がどうAIに適応していくべきかを共に考える手助けをしたいという狙いがあります。


    これまで世界のAI業界は「いかに賢いモデルを作るか」という激しい開発競争に明け暮れてきました。しかし、Anthropicの今回の動きは、これからのAI企業が「その賢いAIと人間社会をどう調和させるか」というルール作りや社会デザインの領域まで責任を持つフェーズに入ったことを示しています。急速な技術の進歩に対して、私たちがどう備え、どう活用していくべきか、その大きな羅針盤となるような取り組みとして、今後の活動が非常に期待されます。

    4 min
  • Ep.1014 Replit Agent 4登場──「創造性」に特化した次世代AIと4億ドルの大型調達(2026年3月19日配信)

    ブラウザ上で手軽にプログラム開発ができるプラットフォームとして人気を集めるアメリカのReplit社が、2026年3月11日、最新のAIシステムである「Agent 4」を発表しました。同時に、投資会社のGeorgianなどが主導するシリーズDラウンドで4億ドルという巨額の資金調達を行ったことも明らかにし、業界で大きな話題を呼んでいます。


    今回発表されたAgent 4は、「創造性のために作られた」というコンセプトを掲げています。最大の魅力は、デザインを描く作業と、実際にコードを書く作業を一つの場所でなめらかに行える点です。無限キャンバスと呼ばれる広大な視覚的ワークスペースが用意されており、頭の中にあるアイデアを画面上に整理しながら、そのまま実際に動くソフトウェアへと変換していくことができます。また、複数のタスクを並行して処理できる自律型のAIが裏側で働いているため、開発者は面倒な環境構築や細かな調整作業から解放され、純粋に「何を作るか」という創造的な作業のみに集中できるようになります。


    現在、AIコーディングの分野では、プログラマーの思考に寄り添うエディタとして人気の「Cursor」や、自律的にタスクをこなすエンジニアAI「Devin」などが激しい競争を繰り広げています。その中でReplitは、これまでも「アイデアからウェブ上への公開までの速さ」に定評がありました。今回のAgent 4の登場によって、企画、デザイン、実装、そして公開という一連の流れがひとつのプラットフォームに統合され、チームでの共同作業もよりスムーズに行えるようになります。デザインツールと強力なAIエンジニアが一体化したような、新しい開発体験と言えるでしょう。


    今回の巨額の資金調達は、単なるプログラミングの支援にとどまらず、ソフトウェア開発のあり方そのものを根底から変革しようとするReplitのビジョンに対する、市場の大きな期待の表れです。Agent 4のようなツールの普及により、人間は時間のかかる手作業をAIに任せ、よりクリエイティブな「ディレクター」としての役割を担う時代が、着実に近づいていると言えそうです。

    4 min
  • Ep.1013 Perplexity Computer登場──AIが「自律的ワーカー」になる日(2026年3月19日配信)

    対話型検索AIで注目を集めるアメリカのPerplexity AIが、私たちの働き方を大きく変えるかもしれない新システム「Perplexity Computer」を2026年2月25日に発表しました。これは単に質問に答えるだけのAIではなく、ユーザーが指示した目標に向かって、数時間から数ヶ月にわたって自律的に業務をこなし続ける頼もしい「デジタルワーカー」として機能するものです。


    使い方はとてもシンプルで、ユーザーが最終的な目標を伝えるだけです。するとPerplexity Computerが自らタスクを細かく分解し、ウェブ調査やデータ処理、書類の作成といった役割ごとに小さなAIである「サブエージェント」を自動で作り出します。それぞれの作業に最適なAIモデルを割り当てて同時に処理を進めるため、私たちが別の仕事をしている間にも、裏側でどんどん作業を進めてくれるのです。途中で壁にぶつかった時だけ人間に助けを求めてくるという、まるで本当の優秀な部下のような働きをしてくれます。


    この画期的な発表の後も、同社の開発スピードはとどまることを知りません。2026年3月5日には、より自然なやり取りを可能にする音声会話機能を追加しました。さらに直近の2026年3月11日には、個人のパソコン内のファイルと連携して24時間休まず働く専用端末向けの「Personal Computer」や、企業向けのサービスも新たに発表しています。


    実際の効果も非常に高く、Perplexityの社内テストでは、わずか4週間で人間がやれば3年以上かかる業務をこなし、160万ドルもの人件費削減に繋がったと報告されています。これまで私たちが手作業で行っていた情報収集や資料作成といった仕事が、自律型AIの登場によって完全に自動化される時代がいよいよすぐそこまで来ていると言えそうです。

    3 min
  • Ep.1012 Googleの新たな挑戦──全てのデータを一つに繋ぐAI「Gemini Embedding 2」がもたらす検索革命(2026年3月12日配信)

    2026年3月10日、GoogleはAIが多様なデータを理解するための新たな基盤モデル「Gemini Embedding 2」を発表しました。この技術は、私たちが普段利用している「検索」や「データの整理」の仕組みを根本から覆す可能性を秘めています。


    これまでのAI検索では、テキスト用、画像用、動画用と別々のシステムを用意し、それらを複雑に連携させる必要がありました。しかし、今回発表されたGemini Embedding 2は、業界初となる「ネイティブなマルチモーダル対応」を果たしました。これにより、最大8192トークンのテキストや複数枚の画像、最大120秒の動画、6ページまでのPDFファイル、さらには音声データに至るまで、すべての情報をわざわざ文字起こしすることなく、一つの同じ数学的な空間に配置して理解できるようになったのです。


    今回、英語のテクノロジーメディアや金融ニュースを通じて周辺の動向を深掘りしてみますと、開発者や投資家から非常に高い評価を得ていることがわかりました。発表直後の株式市場では、この強力な新機能が競合他社であるAmazonなどのAIサービスを大きく引き離す材料になると好感され、Googleの親会社であるAlphabetの株価が上昇する場面も見られました。ウォール街のアナリストたちも、この技術が世界100カ国語以上に対応し、企業のグローバル展開を強力に後押しすると高く評価しています。また技術的な工夫として、「マトリョーシカ表現学習」という斬新な手法が採用されている点も大きな話題を呼んでいます。これにより、企業はAIの検索精度を高く保ったまま、扱うデータサイズを柔軟に小さくすることができ、膨大なクラウドの保存費用や処理コストを大幅に削減できると期待されています。


    実際にこの技術が導入されると、例えば膨大な裁判記録や資料を扱う法務担当者が「この証拠映像のシーンと同じ内容が書かれたPDFのページを探して」と指示するだけで、AIが瞬時に動画と書類の意味を紐づけて探し出してくれるようになります。テキストと映像、そして音の垣根が完全に取り払われたことで、企業のデータ活用は新しい次元へと突入しました。IT業界以外のビジネスパーソンの皆様にとっても、自社に眠っている動画マニュアルや紙の書類の山が、明日からそのまま「超優秀なAI検索エンジン」として生まれ変わる。そんなデータ革命の波を実感できる、とてもワクワクするニュースですね。

    4 min
  • Ep.1011 MetaがAI専用のSNS「Moltbook」を買収──AI同士が語り合うプラットフォームの狙いとは(2026年3月12日配信)

    2026年3月10日、FacebookやInstagramを運営するMetaが、少し変わったソーシャルネットワーク「Moltbook」を買収したことが明らかになりました。このMoltbookの最大の特徴は、人間が投稿するのではなく、AIエージェント同士が会話をし、お互いの投稿に「いいね」を押したり、プログラミングや自分たちの存在意義について議論を交わしたりする「AI専用のSNS」であるという点です。人間はただその様子を外から眺めるだけという、非常にユニークで実験的なプラットフォームとして、2026年1月の立ち上げ直後から大きな注目を集めていました。


    今回の買収により、Moltbookを立ち上げたマット・シュリヒト氏とベン・パー氏の両名は、Metaの次世代AI研究部門である「MSL(Meta Superintelligence Labs)」に合流することになります。このMSLという部門は、2025年にMetaが巨額の資金でScale AIの元CEOであるアレクサンドル・ワン氏を招き入れて設立した、まさにMetaのAI戦略の心臓部とも言える組織です。


    今回、英語のニュースソースなどを通じて周辺の動向を深掘りしてみますと、この買収劇の裏には、IT巨人たちによる激しいAI人材の引き抜き合戦と、技術的なドラマが隠されていることがわかりました。実はMoltbookのシステム自体は、その大部分がAIアシスタントによって自動生成されたコードで構築されており、初期にはセキュリティの抜け穴から人間がAIのふりをして「人間には解読できない秘密の言語を作ろう」と書き込むようないたずらが発生し、ネット上を騒がせたこともありました。しかしMetaは、そうした混沌とした状況よりも、複数のAIエージェントが自律的につながり合う「常時接続のディレクトリ(名簿)」という新しい技術的なアプローチに大きな価値を見出したようです。


    さらに興味深いのは、最大のライバルであるOpenAIとの関係です。実はMoltbookの基盤技術の一つに「OpenClaw」という自律型AIを動かす枠組みが使われているのですが、つい最近、そのOpenClawの開発者であるピーター・スタインバーガー氏を巡って、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOとOpenAIが激しい獲得競争を繰り広げ、結果として彼がOpenAIに引き抜かれたばかりだったのです。今回のMoltbook買収は、OpenAIにキーマンを奪われたMetaが、AIエージェントの領域で再び主導権を握るための強烈なカウンターパンチとも言えますね。


    私たち人間がSNSで交流するように、これからは私たちの代わりに働くAIエージェント同士が、専用のネットワーク上で情報交換や仕事の調整を自動で行うようになるのかもしれません。IT業界以外のビジネスパーソンの皆様にとっても、これからのSNSが「人のため」だけでなく「AIのため」のインフラへと進化していくという、少し不思議でワクワクする未来を感じさせるニュースではないでしょうか。

    5 min
  • Ep.1010 テンセントが極秘のAIエージェント開発に着手──14億人のWeChatが中国AI競争の台風の目になる日(2026年3月12日配信)

    2026年3月10日、米国の有力テクノロジーメディア「The Information」の報道により、中国のIT大手テンセントが、自社の国民的メッセージアプリである「WeChat」に統合するための新たなAIエージェントを極秘裏に開発していることが明らかになりました。このプロジェクトは、アリババやバイトダンスといった強力なライバルたちを出し抜き、中国の国内AI市場で圧倒的な覇権を握るための強力な切り札として進められています。


    現在、中国のテクノロジー業界では、ユーザーに代わって自律的に作業をこなす「AIエージェント」の開発競争がかつてないほど激化しています。バイトダンスが提供するAIアプリなどが一定の支持を集める中、テンセントの戦略は「わざわざ別のAIアプリを開かせるのではなく、すでに14億人が毎日使っているWeChatという日常空間にAIを完全に溶け込ませる」という、非常に実用的かつ強力なものです。WeChatはすでに中国の生活インフラとして、お店の予約から決済、タクシーの手配まであらゆる機能とつながっています。ここに優秀なAIエージェントが住み着くことで、ユーザーは「今週末に家族で食事ができるレストランを予約して、支払いも済ませておいて」とチャットで話しかけるだけで、すべての実務をAIに完結させることができるようになります。


    さらに、Web検索で周辺の技術動向を深掘りしてみますと、この極秘プロジェクトと時を同じくして、非常に興味深い動きが確認できました。実は2026年3月8日から9日にかけて、テンセントが「QClaw」と呼ばれる新製品の社内テストを開始したとの情報が複数のメディアで報じられています。これは、現在世界中で爆発的な人気を集めている自律型のオープンソースAIエージェント「OpenClaw」を、WeChatやQQといった自社のプラットフォームにワンクリックで簡単に組み込めるようにするツールです。これまで一部の専門家やエンジニアにしか扱えなかった高度なAIエージェント機能を、一般のユーザーがスマートフォンから手軽に呼び出せるようにするためのインフラ整備が、着々と進められていることがうかがえます。


    これまで、最先端の大規模言語モデルそのものの開発においては、アメリカ企業に一歩リードを許していた感のある中国市場ですが、「世界最大規模のユーザー基盤」と「生活のすべてとつながったスーパーアプリ」という強烈な武器を持つテンセントがAIエージェントを本格稼働させれば、その社会実装のスピードはアメリカを凌駕するかもしれません。IT業界以外のビジネスパーソンの皆様にとっても、私たちが普段当たり前のように使っているチャットツールが、ある日突然「超優秀な専属秘書」に生まれ変わる未来がすぐそこまで迫っていることを感じさせる、とてもワクワクするニュースですね。

    4 min
  • Ep.1009 Node.jsがリリースサイクルを大刷新──年1回・全バージョンLTS化で開発現場はどう変わる?(2026年3月12日配信)

    2026年3月10日、世界中のWebシステムの基盤として広く使われている「Node.js」の開発チームが、今後のバージョンアップのスケジュールを根本から見直す方針を発表しました。これまでNode.jsは、半年ごとに新しいメジャーバージョンを公開し、そのうち偶数のバージョンだけを長期サポート(LTS)の対象とする、という独自のサイクルを採用していました。しかし今後は、新しいバージョンの発表を「年に1回」へと落ち着かせ、さらに「公開されるすべてのバージョンを長期サポート版として扱う」という、非常にシンプルで実用的なモデルへと移行します。この新しい体制は、2026年10月に公開が予定されている「Node.js 27」のアルファ版から段階的にスタートする見通しです。


    Web検索を通じて英語の技術フォーラムや国内のITニュースから周辺の動向を深掘りしてみますと、この大刷新の背景には、オープンソース開発の現場が抱える切実な「疲弊と人手不足」があったことがわかります。これまでの猛スピードなリリースサイクルは、最新の機能をいち早く試せるというメリットがあった一方で、プロジェクトを支える開発者たちにとっては、いくつもの古いバージョンを同時に管理し、セキュリティの修正プログラムを当て続けるという非常に過酷な保守作業を生み出していました。実際に昨年末から今年初めにかけても、重要なセキュリティアップデートの公開が、テストの難航などによって何度も延期されるという事態が発生しており、プロジェクトの持続可能性が危ぶまれていたのです。


    また、システムを利用する企業側にとっても、これまでの奇数のバージョンはサポート期間が短すぎて実際の業務には導入しづらく、「いつ、どのバージョンに乗り換えれば安全なのか」という計画が立てにくいという悩みの種になっていました。今回の変更によってすべてのバージョンが長期サポートの対象となるため、企業のIT部門はシステムの更新計画をゆったりと立てやすくなります。同時に、開発者側も過去のバージョンの保守に追われる時間を減らし、未来に向けた新しい技術の開発に集中できるようになるという、双方にとって理想的な解決策となっています。


    IT業界以外のビジネスパーソンの皆様にとっても、自社のサービスや顧客のデータを守る「縁の下の力持ち」が、より安定して長く使える仕組みに生まれ変わったというのは、とても安心できる前向きなニュースですよね。猛スピードで進化し続けるテクノロジーの世界において、あえて「歩みを緩め、メンテナンスのしやすさと働きやすさを優先する」という今回の決断は、あらゆるビジネスにおける長期的な組織運営の観点からも、深く考えさせられる素晴らしい事例ではないでしょうか。

    5 min
  • Ep.1008 Google Workspaceが劇的進化──GeminiがDocsやSheetsを自動操作する“真のAIアシスタント”へ(2026年3月12日配信)

    2026年3月10日、Googleは自社のビジネスツール「Google Workspace」において、生成AI「Gemini」の機能を大幅に強化するベータ版のアップデートを発表しました。今回のアップデートにより、Geminiは単なる文章作成のサポート役から、複数のアプリをまたいで情報を集め、資料を丸ごと作り上げてくれる「真のアシスタント」へと劇的な進化を遂げています。


    まず驚かされるのが、Googleドキュメントの新しい作成機能です。例えば「あのプロジェクトの企画書を作って」と指示するだけで、GeminiがあなたのGmailやGoogleドライブ内の関連ファイルを自ら探し出し、情報を整理して、あっという間に完璧なフォーマットの草案を作ってくれます。過去の自社の企画書を指定すれば、そのデザインや文体をそっくりそのまま真似してくれる機能まで追加されました。一から資料の構成を考えるあの苦労が、過去のものになりそうですね。


    さらに、データ処理の要であるスプレッドシートの進化も見逃せません。人間の言葉で「こんな表を作って」と伝えるだけで、Geminiが複数のステップを自律的にこなして複雑な表を構築してくれます。Googleの発表によると、このスプレッドシートを操作するAIの性能テスト「SpreadsheetBench」において、Geminiは70.48%という、人間の専門家レベルに迫る驚異的な成功率を叩き出しました。これまで手作業で何時間もかけていた関数の入力やデータの分類が、一瞬で終わってしまうわけです。他にも、Googleドライブが単なる「ファイル置き場」から、チャット感覚で過去のあらゆる情報から答えを引き出せる「アクティブな知識データベース」へと生まれ変わるなど、働き方を根本から変える機能が目白押しとなっています。


    今回、海外のテクノロジーメディアを中心に周辺の動向を調べてみますと、この機能は現在、英語環境かつ有料プラン向けにベータ版として先行提供されていることがわかりました。「AIが勝手に個人のメールを覗き見するのでは?」と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、米Mashableなどの報道によれば、ユーザーが明示的に指定したソースからのみ情報を取得する安全な設計になっており、どのファイルを参照したかも後からしっかり確認できるそうです。企業のセキュリティ担当者も一安心といったところでしょう。直近ではライバルのMicrosoftも「Copilot Cowork」などの強力な自律型AIを発表したばかりであり、私たちが普段使うオフィスソフトの裏側で、世界の2大テクノロジー企業による「どちらのAIがより優秀な部下になれるか」という激しい覇権争いが繰り広げられていることがよくわかります。


    IT業界以外のビジネスパーソンの皆様にとっても、毎日何時間も費やしている「情報の検索」や「資料の体裁整え」といった地道な作業を、これからはすべてAIに任せられる時代がすぐそこまで来ています。本来やるべき創造的なお仕事に、より多くの時間を注げるようになる、とても楽しみなニュースですね。

    5 min
  • Ep.1007 元OpenAIのムラティ氏が率いる新星にNVIDIAが巨額投資──「Thinking Machines Lab」が描くギガワット級の野望(2026年3月12日配信)

    2026年3月10日、世界のAI業界を大いに驚かせる巨大なパートナーシップが発表されました。米国の新興AI企業「Thinking Machines Lab」と、AI半導体の王者NVIDIAが、複数年にわたる戦略的提携を結んだというニュースです。この提携により、NVIDIAは同社に対して長期的な成長を支える大規模な資金投資を行うだけでなく、来年初頭に向けて、次世代チップである「Vera Rubin」システムを搭載した「少なくとも1ギガワット規模」という桁違いのAI学習基盤を提供することが明らかになりました。


    このニュースの最大のハイライトは、Thinking Machines LabのCEOを務めるミラ・ムラティ氏の存在にあります。彼女はつい最近まで、あのChatGPTを生み出したOpenAIのCTOとして、世界的なAIブームの最前線を力強く牽引してきた業界の超重要人物です。彼女がOpenAIを離れて新たに立ち上げたこの会社では、一部の企業がブラックボックスとして独占するAIではなく、世界中の企業や研究機関が自分たちの手で柔軟に形を変え、独自の用途に活用できる「オープンで協調的な最先端AIモデル」の構築を掲げています。NVIDIAのジェンスン・フアンCEOも、「彼女たちは世界最高クラスのチームを編成した。AIは人類史上最も強力な知識発見の道具になる」と絶賛し、自社の最新兵器を託す決断を下しました。


    今回、英語のテクノロジーメディアを中心に周辺の動向を深掘りしてみますと、業界の専門家たちが特に度肝を抜かれているのが「1ギガワットの次世代システム」という途方もない物理的スケールです。 1ギガワットといえば、ひとつの大きな都市の電力を丸ごと賄えるほどの凄まじいエネルギー量です。現在、世界の巨大IT企業が血眼になって最新の半導体と電力を奪い合っていますが、創業して間もないスタートアップが、NVIDIAから直接「次世代チップと原発1基分のインフラ」の確約を取り付けたというのは、まさに異例中の異例の出来事と言えます。


    IT業界以外のビジネスパーソンの皆様にとっても、かつての古巣であるOpenAIに立ち向かうため、トップエンジニアがNVIDIAという最強の後ろ盾を得て新たな挑戦を始めるこの展開は、非常にエキサイティングに映るのではないでしょうか。賢いAIを作るための戦いが、今や「どれだけ巨大な発電所と最先端の設備を確保できるか」というインフラの総力戦へと完全に移行している現実を突きつけられる、とても興味深いニュースですね。

    4 min
  • Ep.1006 日本初の防衛テック共創プログラム──富士通が挑む「AI幕僚」の開発とデュアルユースの最前線(2026年3月12日配信)

    2026年3月10日、米国の有力テクノロジーメディア「The Information」の報道により、中国のIT大手テンセントが、自社の国民的メッセージアプリである「WeChat」に統合するための新たなAIエージェントを極秘裏に開発していることが明らかになりました。このプロジェクトは、アリババやバイトダンスといった強力なライバルたちを出し抜き、中国の国内AI市場で圧倒的な覇権を握るための強力な切り札として進められています。


    現在、中国のテクノロジー業界では、ユーザーに代わって自律的に作業をこなす「AIエージェント」の開発競争がかつてないほど激化しています。バイトダンスが提供するAIアプリなどが一定の支持を集める中、テンセントの戦略は「わざわざ別のAIアプリを開かせるのではなく、すでに14億人が毎日使っているWeChatという日常空間にAIを完全に溶け込ませる」という、非常に実用的かつ強力なものです。WeChatはすでに中国の生活インフラとして、お店の予約から決済、タクシーの手配まであらゆる機能とつながっています。ここに優秀なAIエージェントが住み着くことで、ユーザーは「今週末に家族で食事ができるレストランを予約して、支払いも済ませておいて」とチャットで話しかけるだけで、すべての実務をAIに完結させることができるようになります。


    さらに、Web検索で周辺の技術動向を深掘りしてみますと、この極秘プロジェクトと時を同じくして、非常に興味深い動きが確認できました。実は2026年3月8日から9日にかけて、テンセントが「QClaw」と呼ばれる新製品の社内テストを開始したとの情報が複数のメディアで報じられています。これは、現在世界中で爆発的な人気を集めている自律型のオープンソースAIエージェント「OpenClaw」を、WeChatやQQといった自社のプラットフォームにワンクリックで簡単に組み込めるようにするツールです。これまで一部の専門家やエンジニアにしか扱えなかった高度なAIエージェント機能を、一般のユーザーがスマートフォンから手軽に呼び出せるようにするためのインフラ整備が、着々と進められていることがうかがえます。


    これまで、最先端の大規模言語モデルそのものの開発においては、アメリカ企業に一歩リードを許していた感のある中国市場ですが、「世界最大規模のユーザー基盤」と「生活のすべてとつながったスーパーアプリ」という強烈な武器を持つテンセントがAIエージェントを本格稼働させれば、その社会実装のスピードはアメリカを凌駕するかもしれません。IT業界以外のビジネスパーソンの皆様にとっても、私たちが普段当たり前のように使っているチャットツールが、ある日突然「超優秀な専属秘書」に生まれ変わる未来がすぐそこまで迫っていることを感じさせる、とてもワクワクするニュースですね。

    4 min

About 名古屋ではたらく社長のITニュースポッドキャスト

From the publisher's feed

システムサーバーの社長である鈴木生雄が気になるITニュースをピックアップして数分のコンテンツとしてお届けする番組です。主に取り上げるニュースはAI、半導体、ビッグテック企業です。