名古屋ではたらく社長のITニュースポッドキャスト

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名古屋ではたらく社長のITニュースポッドキャスト episodes

  • Ep.890 Chromeが“手足”を持つ日──「Gemini 3 Auto Browse」でブラウザは秘書になる(2026年2月5日配信)

    2026年1月28日、GoogleはWebブラウザ「Chrome」に歴史的なアップデートを行いました。それが、Gemini 3を搭載した新機能「Auto Browse(オートブラウズ)」です。これまでのAI機能は、ページの要約や文章作成のサポートといった「情報の処理」が主でしたが、今回のアップデートでついにAIが「行動」を起こせるようになりました。


    具体的に何ができるようになったのか。例えばあなたが「来週の金曜日、会社の近くで4人で入れる静かなイタリアンを予約して」とChromeのサイドパネルに話しかけたとします。すると、AIはまずGoogleマップで場所を検索し、レストラン予約サイトにアクセスし、空き状況を確認し、予約フォームの入力までを自律的に行います。あなたは、AIが提示した「ここで予約を確定しますか?」という最終確認ボタンを押すだけ。これまで複数のタブを行き来して行っていた面倒な作業が、一瞬で終わるのです。


    この機能の裏側には、先日発表されたGemini 3の高い推論能力と、今回刷新された「サイドパネル」のUIがあります。画面の右側に常駐するこのパネルは、AIが今何をしているかをリアルタイムで表示し、まるで優秀な秘書が隣でPCを操作してくれているような安心感を与えてくれます。さらに「Connected Apps」機能により、Gmailにあるフライト情報を参照してホテルの送迎を予約するなど、アプリの壁を越えた連携もスムーズになりました。


    米国ではすでにAI ProおよびAI Ultraプランの契約者向けに提供が開始されており、日本でも近いうちに利用可能になる見込みです。「ググる」という言葉が生まれてから20年以上が経ちましたが、これからは「ググって、やっておいて」という新しい習慣が定着するかもしれません。Webブラウザは単なる「閲覧ソフト」から、あなたの仕事を代行する「司令塔」へと進化を遂げたのです。

    4 min
  • Ep.889 Google「Agentic Vision」発表──AIの目は“見る”から“調査する”へ(2026年2月5日配信)

    2026年1月27日、GoogleはAIの「視覚」における常識を覆す新機能、「Agentic Vision」を発表しました。これまでAIが画像を認識する際は、人間がパッと全体を見るように、静止画を一度だけ入力して処理するのが一般的でした。しかし、これには限界があります。例えば、引きの画像に写っている小さな文字や、複雑な図面の細部など、解像度の壁で「見落とし」や「当てずっぽうな回答」が発生しがちだったのです。


    今回、Gemini 3 Flashに搭載されたAgentic Visionは、この受動的なプロセスを「能動的な調査」へと変えました。具体的には、AIが画像を一度見て「ここの文字が読みにくいな」と判断すると、自らPythonコードを書いてその部分だけを拡大(クロップ)し、高解像度で再読込して確認するという動きを見せます。これはまさに、私たちが細かい文字を読むときに虫眼鏡を取り出したり、顔を近づけてのぞき込んだりする動作と同じです。


    Googleの公式ブログによると、この「思考・行動・観察」のループによって、AIは自信を持って細部を認識できるようになります。例えば、建物の設計図をチェックする「PlanCheckSolver.com」というサービスでは、この技術を導入することで、複雑な図面のコンプライアンス確認精度が向上したと報告されています。屋根の端の形状や微細な寸法数値など、従来なら見逃していたディテールをAIが自律的にズームインして検証できるようになったからです。


    この技術の面白い点は、AIが「自分の目の限界」を理解し、道具(コード実行)を使ってそれを克服しようとする点にあります。単に画素数が増えるだけでなく、AIが「何を見るべきか」を戦略的に判断するようになったことは、産業用検査や医療画像診断など、ミスが許されない現場での活用を一気に加速させる可能性があります。

    4 min
  • Ep.888 ソフトバンクG、OpenAIへ4.5兆円の追加出資──「全賭け」が加速する2026年(2026年2月5日配信)

    2026年が明けて早々、孫正義氏が再び世界を驚かせる巨額の勝負に出ようとしています。米ウォール・ストリート・ジャーナルは現地時間1月27日、ソフトバンクグループがOpenAIに対して、最大300億ドル(約4兆5000億円)の追加出資を行う協議に入ったと報じました。


    このニュースを受け、本日の東京株式市場ではソフトバンクグループの株価が一時8%近く急騰しました。投資家たちは、この「全賭け」の姿勢を好感しているようです。


    振り返れば、ソフトバンクグループはつい先月、2025年12月末にOpenAIへの225億ドルの出資を完了したばかりです。それからわずか1ヶ月足らずでの追加出資報道。まさに、矢継ぎ早の展開です。なぜこれほど急ぐのでしょうか。


    背景には、AI開発競争の「桁違い」のコストがあります。OpenAIは現在、次世代のAIモデルの学習や、巨大データセンター計画「Project Stargate」のために、最大1000億ドルの新たな資金調達を目指しています。


    これに伴い、OpenAIの企業価値は現在の5000億ドルから、一気に8300億ドルへと6割以上も跳ね上がる見込みです。これは、非上場企業としては前代未聞の規模であり、孫氏が予言した「地球上で最も価値のある会社」への階段を駆け上がっていると言えるでしょう。


    孫氏は昨年末、投資資金を捻出するために、保有していたNVIDIA株を売却しました。当時「涙ながらに売った」と語っていましたが、それは「AIの道具(チップ)」を売って、「AIの頭脳(OpenAI)」に賭けるという、明確な戦略転換だったのです。今回の4.5兆円という数字は、その決意の固さを物語っています。

    4 min
  • Ep.887 Genspark AI Workspace 2──「検索」の終わり、「自律リサーチ」の始まり(2026年2月5日配信)

    今回は、AI検索の新たな地平を切り拓く「Genspark(ジェンスパーク)」とその最新機能「AI Workspace 2」について解説します。提示されたURLにあるブログ記事や周辺情報を分析すると、Gensparkが単なる「検索ツール」から、自律的に仕事をこなす「業務パートナー」へと進化している様子が浮かび上がってきます。


    これまでAI検索といえば、Perplexityのように「質問に答えてくれる」対話型が主流でした。しかし、Gensparkのアプローチは少し異なります。MainFunc社が新たに強化した「AI Workspace 2」では、ユーザーがキーワードやテーマを投げかけると、AI(Autopilot Agent)が裏側で「調査計画」を立て、数十から時には70以上のWebサイトを巡回し、情報のクロスチェックを行った上で、一つのまとまったレポート「Sparkpage」を生成します。


    Web上のレビューや技術ブログによると、この最新のワークスペース機能は、Google検索とPowerPoint、そしてNotionを合体させたような体験だと評されています。単に情報を探すだけでなく、集めた情報を構造化し、見出しを付け、さらにはスライド資料の構成案まで作成してくれるため、リサーチにかかる時間を劇的に短縮できるのです。


    市場の動向を見ると、この「エージェント型」へのシフトは大きなトレンドです。Gensparkを運営するMainFunc社は、2025年11月にシリーズBラウンドで2億7500万ドルを調達し、評価額は10億ドルを超えました。先行するPerplexityが「答えを出す」ことに特化しているのに対し、Gensparkは「成果物を作る」ことに重きを置いており、特に資料作成や深いリサーチを必要とするビジネスパーソンからの支持を集めようとしています。


    今回の「Workspace 2」へのアップデートは、AIが単なる「チャット相手」から、指示待ちではなく自ら動く「優秀なデジタルインターン」へと変わる転換点と言えるかもしれません。私たちが普段行っている「検索して、読んで、まとめる」という一連の作業自体が、過去のものになる日も近そうです。

    4 min
  • Ep.886 OpenAI Prism発表──科学の進化を加速する“論文執筆の新たな実験室”(2026年1月29日配信)

    OpenAIが、今度は「科学」の世界を変えようとしています。 昨日、OpenAIは科学研究のための新しいプラットフォーム「Prism(プリズム)」を発表しました。これは一言で言えば、「GPT-5.2という超優秀な助手が常駐する、論文執筆のための実験室」です。


    これまで、AIを使った文書作成といえば、ビジネスメールやブログ記事が中心でした。しかし、厳密な数式や引用が求められる科学論文の世界では、AIのハルシネーション(嘘)が致命的になるため、本格的な導入は進んでいませんでした。 Prismはこの壁を突破するために設計されました。LaTeXエディタをベースにしており、ユーザーが数式や図表を入力すると、裏側でGPT-5.2が論理的な整合性をチェックし、必要に応じて修正案を提示します。


    特に研究者たちを喜ばせているのが、文献管理ツール「Zotero」との深い統合です。 「この主張を裏付ける過去の論文を引いて」と指示するだけで、Prismはユーザーのライブラリから適切な文献を探し出し、正しいフォーマットで引用を挿入してくれます。これは、Googleが提供する「NotebookLM」が“読む”ことに特化しているのに対し、Prismは明確に“書く”こと、つまり研究成果を世に出すプロセス全体を加速させることを狙っています。


    さらに驚くべきは、OpenAIがこの高機能なツールを「完全無料」で公開したことです。 これには、科学的な知識(Scientific Knowledge)を自社のAIエコシステムに集約したいという狙いが見え隠れします。GitHub Copilotが世界中のコードを学習したように、Prismは世界中の科学的発見のプロセスを学習し、AI自身の推論能力をさらに高めるための土壌となるのかもしれません。


    Overleafのような既存のツールにとっては脅威ですが、人類にとっては「科学の進歩」という時計の針が、少し速く回るようになる明るいニュースと言えるでしょう。

    4 min
  • Ep.885 Kimi k2.5発表──“1,000万文字”を読み解く思考力が、中国AI競争の局面を変える(2026年1月29日配信)

    中国のAI開発競争が、また一つ新しいフェーズに入りました。 DeepSeekやQwenといった強力なライバルたちが「推論能力」や「低コスト」を武器に市場を席巻する中、Moonshot AI(月之暗面)は自らの原点であり最大の武器である「コンテキスト(文脈)の長さ」で勝負に出ました。同社は今週、最新モデル「Kimi k2.5」を公式ブログで発表しました。


    Kimiといえば、以前から20万文字、200万文字といった長文処理を得意としてきましたが、今回のk2.5ではその規模と質が次元の違うレベルに到達しています。 発表によると、Kimi k2.5は最大で1,000万トークンクラスのコンテキストウィンドウをサポートしつつ、昨年11月にリリースされた「K2 Thinking」モデルで培った高度な推論能力(System 2 Thinking)を統合することに成功しました。


    これまでのAIモデルには、「長い文章を読ませると、細かい論理を見落とす(Lost in the Middle現象)」という弱点がありました。しかし、Kimi k2.5は独自の「Lossless Context」技術により、たとえば数千ページの技術仕様書や、企業の膨大な過去の議事録をすべて読み込ませた状態でも、矛盾点の指摘や複雑な因果関係の特定を、熟練した専門家のような精度で行うことができます。


    これは、単に「記憶力がいい」だけではありません。「大量の資料を手元に置いた状態で、深く考えることができる」ということです。 ブログで公開されたデモでは、複雑な訴訟資料の束を読み込み、法的論点の整理から戦略立案までをワンストップで行う様子や、数百個のソースコードファイルを横断してバグの原因を特定するエンジニアリングタスクにおいて、競合他社のモデルを圧倒するパフォーマンスを見せました。


    中国国内では現在、DeepSeekがそのコストパフォーマンスと数学的推論力で人気を博していますが、Moonshot AIは「ビジネスの実務では、推論力と同じくらい“入力できる情報量”が重要だ」というメッセージを明確に打ち出しています。企業の独自データを丸ごとAIに理解させたいというニーズに対し、Kimi k2.5は最も有力な解の一つとなるでしょう。

    4 min
  • Ep.884 DeepSeek-OCR 2公開──“人間の視線”を手に入れたAIが読む世界(2026年1月29日配信)

    昨夜、AIコミュニティにまた一つの衝撃が走りました。 「DeepSeek-V3」などの高性能言語モデルで知られる中国のDeepSeek社が、新しいOCRモデル「DeepSeek-OCR 2」をオープンソースとして公開しました。Hugging Faceにはすでにモデルデータがアップロードされ、Apache 2.0ライセンスという、商用利用もしやすい形で誰でも使えるようになっています。


    このモデルの何がすごいのか。それは、AIが「人間の目の動き」を真似し始めた点にあります。


    従来のOCR技術は、画像を上から下へ、左から右へと機械的にスキャンしていくのが一般的でした。しかし、これだと雑誌のような複雑なレイアウトや、図表が入り組んだ専門書を読ませたときに、文章の順序がめちゃくちゃになってしまうことがよくありました。 そこでDeepSeek-OCR 2が導入したのが、「Visual Causal Flow(視覚的因果フロー)」という概念です。これは、人間が新聞を読むとき、見出しを見て、本文を読み、図表を参照して……と、意味の繋がりを追いかけて視線を動かすプロセスを、AIの内部処理で再現したものです。


    これを支えているのが「DeepEncoder V2」という新しいエンジンです。この技術により、AIは画像を単なる一枚の絵としてではなく、情報の塊ごとの「流れ」として理解できるようになりました。その結果、段組が複雑なドキュメントでも、文脈を正しく保ったまま、きれいなMarkdown形式に変換することが可能になっています。


    さらに、このモデルは「Grounding」能力も備えています。例えば、「この書類の中にある『請求金額』という数字はどこにある?」と聞けば、その座標を正確に教えてくれます。これは、RPAなどの自動化ツールと組み合わせる際に非常に強力な武器になるでしょう。


    パラメータ数は30億(3B)と、最近の巨大モデルに比べれば非常にコンパクトです。手元のGPUでサクサク動かせるサイズ感でありながら、人間の専門家のような「読む力」を持ったこのAI。私たちの「紙の仕事」を終わらせる強力な助っ人になりそうです。

    4 min
  • Ep.883 Qwen/DeepPlanning公開──AIに“長期的思考”を授ける新たな糧(2026年1月29日配信)

    AIにとって「小説を書くこと」と「旅行の計画を立てること」、どちらが難しいでしょうか? 実は、論理的な整合性を保ちながら手順を積み上げる「計画」の方が、現在のAIにとっては遥かに高いハードルです。


    そんな中、中国AlibabaのQwenチームが、Hugging Face上で「Qwen/DeepPlanning」という興味深いデータセットを公開しました。詳細なドキュメントはまだ少ないものの、その名前とタイミングから、業界ではこれが「AIの推論能力を次のレベルへ引き上げるための重要なピース」であると注目されています。


    これまでQwenチームは、「Qwen3-Max Thinking」のように、回答する前にじっくりと考える「思考モード」を持ったモデルをリリースしてきました。今回のDeepPlanningデータセットは、そうしたモデルたちが「どのように思考すればよいか」を学ぶための、いわば「思考の訓練ドリル」のようなものだと推測されます。


    具体的には、単なる一問一答ではなく、複雑なゴール(例:「来月の売上を20%上げるためのマーケティング施策を立案して」)を与えられた際に、AIがそれを「市場調査」「競合分析」「予算配分」といった細かいタスクに分解し、どの順番で実行すべきかを論理的に構成する──そうした「計画能力(Planning)」を強化するためのデータが含まれていると考えられます。


    これは、AIが単なる「チャットボット」から、自律的に仕事をこなす「エージェント」へと進化するために不可欠な能力です。OpenAIやGoogleも社内で同様のデータを構築しているはずですが、Qwenチームがこれをオープンな場に公開したことは、AI開発の民主化において非常に大きな意味を持ちます。このデータを使えば、世界中の研究者が「計画できるAI」を自分たちの手で作れるようになるからです。

    3 min
  • Ep.882 「SaaSの死」が現実に?──時価総額15兆円蒸発と“AI代替”の衝撃(2026年1月29日配信)

    「ソフトウェアは死んだ」──かつてSFの世界で語られた予言が、ウォール街で現実味を帯びて語られ始めています。


    日本経済新聞の報道によると、Salesforce、Intuit、Adobe、ServiceNowといった米SaaS大手4社の時価総額が、2025年末からのわずか1ヶ月弱で計1,000億ドル(約15兆円)以上も消失しました。この急落の引き金となったのが、「AIによる代替」への懸念です。


    特に市場を震撼させたのが、今月Anthropicが発表した新機能「Cowork」です。 これまでのSaaSは「人間が使う道具」でした。会計ソフトなら人間が数字を入力し、デザインソフトなら人間がブラシを操作します。しかし、Coworkのような自律型AIエージェントは、PC内のファイルを勝手に開き、内容を理解し、表計算ソフトへの入力からレポート作成までを「人間抜き」で完了させます。 つまり、これまでSaaS企業が収益の柱としてきた「ユーザー数(ID数)に基づく課金モデル」が崩壊する恐れがあるのです。AIが一人で100人分の仕事をこなすなら、契約IDは1つで済んでしまうからです。


    ゴールドマン・サックスなどの投資銀行も、Adobeに対して「売りの投資判断」を下すなど、厳しい見方を示しています。これまで専門スキルが必要だった画像編集などの作業がAIで誰でも(あるいはAIだけで)できるようになれば、高価なプロ向けツールの価値が希薄化するというロジックです。


    もちろん、SaaSの巨人たちも座して死を待っているわけではありません。 Salesforceは「Agentforce」というAIエージェント機能を前面に押し出し、「人間を助けるツール」から「人間を雇う代わりに導入するAI」へと自社製品の再定義を急いでいます。また、ServiceNowはOpenAIと提携し、Adobeは動画生成AIのSynthesiaに出資するなど、AIを取り込むことで生き残りを図っています。


    「SaaSの死」という言葉は過激ですが、それは「旧来のソフトウェアビジネスの終わり」を意味しているに過ぎません。これからは「人が使うソフト」ではなく、「AIが使うソフト」、あるいは「ソフト自体がAIになる」時代へと、業界のルールが根本から書き換わろうとしています。

    4 min
  • Ep.881 Microsoft Maia 200始動──Nvidia依存からの脱却と“推論”という新たな主戦場(2026年1月29日配信)

    Microsoftが、AIインフラの「自立」に向けて大きな一歩を踏み出しました。 同社は本日、自社開発の第2世代AI半導体「Maia 200」を発表しました。このチップは、OpenAIのGPT-5クラスの大規模言語モデルを、いかに低コストかつ高速に動かすかという一点、すなわち「推論(Inference)」に特化して設計されています。


    2023年に発表された初代「Maia 100」は、NvidiaのGPU不足を補うための学習・推論兼用のチップという位置付けでした。しかし、今回のMaia 200は明確に役割を変えています。 Web検索や周辺情報を総合すると、Maia 200はTSMCの最新プロセス(推定3nmクラス)で製造され、前世代と比較して電力効率が約60%向上しています。特筆すべきは、Nvidiaなどの競合他社も推進している次世代のデータフォーマット「MXFP4」へのネイティブ対応です。これにより、計算精度を維持したまま、データ転送量を劇的に削減することに成功しています。


    なぜMicrosoftはここまで「推論」にこだわるのでしょうか。 それは、AIビジネスのコスト構造が変化しているからです。かつてはモデルを作る「学習」が最大のコスト要因でしたが、CopilotがOffice製品に組み込まれ、世界中で何億人ものユーザーが毎日AIを使うようになった今、ランニングコストである「推論」の負荷が爆発的に増大しています。高価なNvidia製GPUをこの推論処理に使い続けることは、経営的に採算が合わなくなりつつあるのです。


    また、今回は「Cobalt 200」という新しいCPUも同時に発表されました。これはMaia 200の司令塔として機能し、データセンターのサーバーラック全体を一つの巨大な計算機として最適化します。 市場の反応も敏感です。この発表を受け、クラウド競合であるAWSやGoogleも自社チップ(TrainiumやTPU)のロードマップを前倒しするとの観測が出ており、2026年は「AI半導体の多様化」が決定的となる年と言えそうです。


    ユーザーである私たちにとっては、この競争は歓迎すべきことです。チップの性能向上とコストダウンは、Copilotのレスポンスが速くなったり、より高度な機能が安価に使えるようになったりと、直接的なメリットとして還元されるからです。

    4 min

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