今年の北京の春は、一滴ずつ水時計が時を刻むようにではなく、堰を切ったようにあふれ出て、全速力で駆け抜けていくような感じです。今月の初めに出掛けた公園で迎春花に続いて木蓮やライラック、桃、杏などが咲き出したと思ったら、1週間ほどで散りはじめ、今は山吹が見頃を迎えています。中国はあと半月ほどで労働節=メーデーの連休。これに向けて各公園の花壇ではインパチェンス、日日草など夏の花の植え込みが始まっています。花にばかり目を取られていたら、いつの間にか街路樹にもやわらかい緑の葉が茂り始めました。柳の枝もすっかり新緑の色に染まっています。町の表情がどんどん変わって行き、暑くも寒くもない今から5月上旬が北京では一番いい時期かもしれません。この後、バラや牡丹、芍薬が咲き始めるまで、あと少しです。さて、今日は百花の王とも呼ばれ中国の花とも言われる牡丹を詠った陳与義の「牡丹」を紹介します。