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こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。
マーケはリードを集めている。インサイドセールスはアポ取得に向けて動いている。フィールドセールスは商談を重ねている。
それぞれが目標を追って頑張っているのに、なぜか売上が伸びない。
そんなモヤモヤを抱えている方は少なくないのではないでしょうか。
今回は、#3から前回の#20までの18本を振り返る総集編です。
毎回テーマを変えてお届けしてきましたが、実はすべてひとつの話をしてきたつもりです。
今回はその18本を4つのパートに整理し、一本の線でつなぎ直してみます。
なぜ一本の線で見ることが大切なのか。
それは、売上が止まる場所は個々の部門の中ではなく、部門と部門の「つなぎ目」にあるからです。
どこか一カ所だけを改善しても、別のつなぎ目で流れは止まってしまいます。
全体を地図として見ることで、はじめて自社のボトルネックが見えてきます。
こちらの記事をご覧いただくことで、これまでのISレターの全体像をつかめるだけでなく、自社の課題に合わせて「どの記事から読めばいいか」がわかるようになります。
最近購読を始めてくださった方にとっては、バックナンバーの道しるべになるはずです。
最後には、自社のつなぎ目を点検できるセルフチェックリストもご用意しました。
ぜひ最後までお付き合いください。
営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。
ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。
売上が伸びないのは人ではなく設計の問題
この18本で一貫してお伝えしてきたことを一言でまとめると、「売上が伸びないのは、人の問題ではなく設計の問題」です。
各部門はそれぞれの役割で成果を出そうとしています。
それでも売上が伸びないのは、部門と部門のつなぎ目で、数字や情報の流れが途切れているからです。
そして、そのつなぎ目を直すための道具として、このメルマガで何度もお伝えしてきたのが、次の三つの設計です。
▼【図解カード】つなぎ目を直す三つの設計
【#3〜#5】問題の正体を見つける
最初のパートは、「いったい何が起きているのか」を明らかにした回です。
#3 リード獲得数を増やしても売上が伸びない理由
「リードを300件集めました」は、マーケとしては目標達成です。
しかし、そのうち何件が商談になり、何件が受注したのかを、意外と誰も追っていません。
部門ごとにKPIは達成しているのに、売上は止まっている。これがISレターの出発点でした。
#3 リード獲得数を増やしても売上が伸びない理由https://substack.com/@fusionvalue/p-200090926
#4 インサイドセールスは“アポ獲得部隊”ではない
インサイドセールスをアポの件数だけで評価すると、とにかくアポに繋げることが目的になってしまいます。
しかし、本来の役割はマーケとフィールドセールスの間に立ち、顧客の温度感や文脈を見極めることです。
#4 インサイドセールスは“アポ獲得部隊”ではないhttps://substack.com/@fusionvalue/p-200881153
#5 マーケと営業が分断する本当の理由
ここで分断の原因を三つに整理しました。
KPIがバラバラであること。「つなぐ」ではなく「渡す」だけのプロセスになっていること。
そして、インサイドセールスが橋渡し役として機能していないことです。
ここまで読んで「これ、うちのことだ」と感じた方も多いのではないかと思います。
#5 マーケと営業が分断する本当の理由https://substack.com/@fusionvalue/p-201857369
【#6〜#8】解き方の型をつくる
問題が見えたところで、次のパートでは「では、どう解決していくのか」を考えました。
#6 分断を解決する統合設計とは何か
大事なのは、統合とは部門をなくすことでも、全員を何でも屋にすることでもない、という点です。
部門は分けたままでかまいません。
そのかわりに、KPIと情報とプロセス、この三つをつなぐ。
これがISレターの「三本柱」の始まりでした。
#6 分断を解決する統合設計とは何かhttps://substack.com/@fusionvalue/p-202961442
#7 KPI設計の作り方
三本柱の一つ目であるKPI設計を具体的に掘り下げました。
個人のKPIと、部門をまたいだ共通のKPIを分けること。
受注から逆算すること。
そして、ボトルネックになっている工程に合わせて比重を調整していくことです。
#7 KPI設計の作り方https://substack.com/@fusionvalue/p-203978880
#8 情報とプロセスの分断が売上を止める
残りの二つ、情報をつなぐ設計とプロセスをつなぐ設計を深掘りしました。
部門をまたいだ瞬間に情報が抜け落ちる。
引き継いだ後のことを誰も追わない。
こうした隙間を設計で埋めていくお話です。
#8 情報とプロセスの分断が売上を止めるhttps://substack.com/@fusionvalue/p-206531279
この三本柱が、ここから先のすべての記事の土台になっています。
【#9〜#16】売上の流れに沿って設計を当てはめる
最もボリュームのあるパートです。
ここでは三本柱を、リードの入口から受注後まで、売上の流れに沿って一つずつ当てはめてきました。
流れの順番で見たほうがわかりやすいため、配信順とは少し入れ替えてご紹介します。
▼【図解カード】売上プロセスと記事の対応表
#9 リード獲得の設計|何のためにリードを集めるか
まずは入口です。
何のためにリードを集めるのかを考え、数ではなく売上から逆算して、どんなリードが必要なのかを決める。
リード獲得は、三本柱のさらに上流にある「入口の設計」だというお話でした。
#9 リード獲得の設計|何のためにリードを集めるかhttps://substack.com/@fusionvalue/p-207784983
#10 ナーチャリングは「育てる」より「関係を切らさない」
ウェビナーに参加した、資料をダウンロードした。
こうした行動を「買う気がある」と早とちりしないことが大切です。
相手のタイミングが来るまで、関係を切らさないこと。
それがナーチャリングの本質だと考えています。
#10 ナーチャリングは「育てる」より「関係を切らさない」https://substack.com/@fusionvalue/p-208432932
#11 ISの役割を定義する|SDR・BDR・どちらでもない?
SDRやBDRといった型に当てはめる前に、自社にとってのインサイドセールスの役割を定義しようというお話です。
#11 ISの役割を定義する|SDR・BDR・どちらでもない? https://substack.com/@fusionvalue/p-209517564
#12 架電が「つながらない時代」にどう商談化に繋げていくか
電話がつながりにくくなっている今、架電をアポ取得のためだけの手段ではなく、最初の情報を集める接点として設計し直す必要があります。
#12 架電が「つながらない時代」にどう商談化に繋げていくかhttps://substack.com/@fusionvalue/p-210527671
#13 商談化率を上げるトスアップ設計
インサイドセールスからフィールドセールスへの受け渡しでは、事実を並べるだけでなく「文脈」を渡すことが重要です。
いわば文脈のバトンパスです。
ここで商談化率は大きく変わります。
#13 商談化率を上げるトスアップ設計https://substack.com/@fusionvalue/p-211400505
#16 ウェビナーは「集客」で終わっていませんか|商談化までの設計
参加者数だけをKPIにせず、参加中の反応や質問、アンケートの中身をインサイドセールスに渡して、温度感に合わせてフォローを変えていく。
この取り組みでアポ取得率が2〜3%から8%まで上がった例もご紹介しました。
#16 ウェビナーは「集客」で終わっていませんか|商談化までの設計https://substack.com/@fusionvalue/p-214325278
#14 失注を資産に変えるナーチャリング設計
商談の後、失注は終わりではなく次の入口です。
なぜ失注したのか、いつなら再提案できるのか。
この二点を残しておくだけで、半年後、一年後の商談につながっていきます。
#14 失注を資産に変えるナーチャリング設計https://substack.com/@fusionvalue/p-212378935
#15 CSに攻めを背負わせないアップセル・クロスセル設計
最後は受注後です。
既存のお客様との関係を守るカスタマーサクセスと、アップセルやクロスセルを仕掛けるカスタマーインサイドセールス(CIS)を分けて設計する考え方をお伝えしました。
#15 CSに攻めを背負わせないアップセル・クロスセル設計https://substack.com/@fusionvalue/p-213388777
こうして並べてみると、入口から受注後まで、どの工程にも「つなぎ目」があります。
そして、どのつなぎ目でも、KPI設計・情報設計・プロセス設計の三本柱が効いてくるのです。
【#17〜#20】部門をまたぐ共通言語をつくる
最後のパートでは、部門をまたいで動くための「共通言語」と「現実的な運用」について考えてきました。
#17 MQLとSQLの定義合ってますか?
マーケが「良いリード」と言っているものと、営業が「良いリード」と思っているものは、しばしばズレています。
だからこそ、マーケと営業の間の約束事として、「良いリード」の定義を言葉で揃えておくことが大切です。
#17 MQLとSQLの定義合ってますか?https://substack.com/@fusionvalue/p-215577267
#19 「良いリードが来ない」と言う前に確認すること|ターゲット設計・スコアリングの見直し
#17の続きとなる回です。
ターゲット設計とリードスコアリングを見直すなかで、問題はリードの集め方ではなく、「良いリード」の定義が決まっていない、あるいはズレていることにあると整理しました。
#19 「良いリードが来ない」と言う前に確認すること|ターゲット設計・スコアリングの見直しhttps://substack.com/@fusionvalue/p-217028392
#18 ホワイトペーパーと事例記事は「作ること」がゴールになっていませんか?
コンテンツは作って終わりではありません。
営業やインサイドセールスがどの場面で、どう使うかまで設計して、はじめて売上につながります。
#18 ホワイトペーパーと事例記事は「作ること」がゴールになっていませんか?https://substack.com/@fusionvalue/p-216584226
#20 小さいチームの分断は「担当者の頭の中」で起きている
人数が少なくても分断は起きます。
むしろ、一人の頭の中で起きることもあります。
午前はマーケ、午後はインサイドセールス、夕方は商談と役割を切り替えるたびに、文脈は途切れがちです。
だからこそ、「KPIは3つまで」「未来の自分への引き継ぎとして5項目だけ残す」「リードを“今”と“いつか”に分ける」といった仕組みで、文脈をつなぐ必要があります。
#20 小さいチームの分断は「担当者の頭の中」で起きているhttps://substack.com/@fusionvalue/p-217699913
このパートは、三本柱を実際の組織で回すにはどうするか、という問いへの答えでした。
18本から見えた三つのこと
ここまでの18本を通して、私が改めて確信したことを三つにまとめます。
売上が止まるのは部門と部門の間
売上が止まる場所は、部門の中ではなく、部門と部門の間にあります。
各部門の改善だけでは、売上は動きません。
改善すべきは人ではなく設計
やる気やスキルの問題に見えることの多くは、KPI・情報・プロセスのどこかが途切れていることが原因です。
誰かを責める前に、設計を疑ってみることをおすすめします。
つなぎ目は入口から受注後までどこにでもある
どこか一カ所だけを改善しても、別のつなぎ目で流れは止まります。
全体を一本の流れとして見ていくことが大切です。
お悩み別|どの記事から読めばいいか
もし今、自社の課題がはっきりしているなら、次のように読み進めていただくのがおすすめです。
▼【図解カード】お悩み別の読み方ガイド
#3 リード獲得数を増やしても売上が伸びない理由https://substack.com/@fusionvalue/p-200090926
#4 インサイドセールスは“アポ獲得部隊”ではないhttps://substack.com/@fusionvalue/p-200881153
#5 マーケと営業が分断する本当の理由https://substack.com/@fusionvalue/p-201857369
#6 分断を解決する統合設計とは何かhttps://substack.com/@fusionvalue/p-202961442
#7 KPI設計の作り方https://substack.com/@fusionvalue/p-203978880
#8 情報とプロセスの分断が売上を止めるhttps://substack.com/@fusionvalue/p-206531279
#9 リード獲得の設計|何のためにリードを集めるかhttps://substack.com/@fusionvalue/p-207784983
#10 ナーチャリングは「育てる」より「関係を切らさない」https://substack.com/@fusionvalue/p-208432932
#11 ISの役割を定義する|SDR・BDR・どちらでもない? https://substack.com/@fusionvalue/p-209517564
#12 架電が「つながらない時代」にどう商談化に繋げていくかhttps://substack.com/@fusionvalue/p-210527671
#13 商談化率を上げるトスアップ設計https://substack.com/@fusionvalue/p-211400505
#14 失注を資産に変えるナーチャリング設計https://substack.com/@fusionvalue/p-212378935
#15 CSに攻めを背負わせないアップセル・クロスセル設計https://substack.com/@fusionvalue/p-213388777
#16 ウェビナーは「集客」で終わっていませんか|商談化までの設計https://substack.com/@fusionvalue/p-214325278
#17 MQLとSQLの定義合ってますか?https://substack.com/@fusionvalue/p-215577267
#18 ホワイトペーパーと事例記事は「作ること」がゴールになっていませんか?https://substack.com/@fusionvalue/p-216584226
#19 「良いリードが来ない」と言う前に確認すること|ターゲット設計・スコアリングの見直しhttps://substack.com/@fusionvalue/p-217028392
#20 小さいチームの分断は「担当者の頭の中」で起きているhttps://substack.com/@fusionvalue/p-217699913
セルフチェックリスト|自社のつなぎ目は途切れていないか
最後に、自社の状態を点検できるチェックリストをご用意しました。
三本柱ごとに確認してみてください。
チェックがつかなかった項目が、売上が止まっている「つなぎ目」の候補です。
KPI設計
* リード数だけでなく、商談化数や受注数まで部門をまたいで追えている
* 個人のKPIとは別に、部門共通のKPIが設定されている
* ボトルネックの工程に合わせて、KPIの比重を見直す場がある
情報設計
* 「良いリード」の定義が、マーケと営業の間で言葉として揃っている
* トスアップ時に、事実だけでなく顧客の文脈が引き継がれている
* 失注理由と再提案のタイミングが記録されている
プロセス設計
* リードを温度感で分類し、それぞれのフォロー方法が決まっている
* 引き継いだ後の進捗を、渡した側も確認できる
* 受注後のアップセル・クロスセルを誰が担うかが決まっている
まとめ
18本を振り返ってみると、テーマは毎回違っても、伝えたかったことはひとつでした。
売上が伸びないのは、誰かが頑張っていないからではありません。
部門と部門のつなぎ目が、設計されていないからです。
KPI設計・情報設計・プロセス設計。
この三本柱を、リードの入口から受注後まで一本の線として通していくこと。
それが、売上を“点”ではなく“線”で設計するということだと考えています。
気になった回があれば、ぜひバックナンバーもあわせてお読みください。
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「うちはどこで止まっているんだろう」と感じた方は、Substackの購読ボタンから『BtoB売上構造診断シート』をご活用ください。
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こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。
「マーケもISも営業も、2〜3人で回しているんです」。
最近、こうした声をいただくことが増えました。
なかには、コンテンツを作って、架電して、商談まで一人でこなしている方もいらっしゃると思います。
毎日フル回転なのに、なぜか成果が積み上がっていかない。
そんなもどかしさを感じていないでしょうか。
今回は、小さいチームでIS・マーケ・営業をどう回すかについて、私の考えをお伝えします。
少人数の現場で起きている「見えない分断」の正体と、それをKPI設計・情報設計・プロセス設計の3つの視点で解消する方法です。
これまで多くのBtoB企業の営業プロセスに関わってきて感じるのは、少人数の会社が苦しくなる原因は、人手不足そのものではないということです。
人が足りないことよりも、限られた時間の中で情報がこぼれ落ちていることのほうが、はるかに大きな損失になっています。
そしてこの損失は、仕組みで防ぐことができます。
読み終えるころには、「全部を頑張る」のではなく「どこに力を使うか」がはっきりし、今の人数のままでも商談につながる流れを作るイメージが持てるはずです。
自社の体制を思い浮かべながら、ぜひ最後まで読んでみてください。
営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。
ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。
小さいチームは「つなぎ目」を仕組みにする
先に結論をお伝えします。
小さいチームがやるべきなのは、「全部を少しずつやる」ことではありません。
やらないことを決めて、そのかわり「つなぎ目」だけは仕組みにすることです。
このメルマガでは、マーケ・IS・営業の分断が売上を止める、という話を繰り返しお伝えしてきました。
部門が分かれているから情報が途切れ、KPIがバラバラだから部分最適になってしまう、という構造です。
では、少人数で全部門を兼務していれば分断は起きないのでしょうか。
私の答えは「いいえ」です。
小さいチームでも分断は起きます。
ただしそれは、部門と部門の間ではなく、「担当者の頭の中」で起きているのです。
小さいチームで起きている「見えない分断」
毎日フル回転なのに成果が積み上がらない
たとえば、営業担当が2人いて、1人はマーケと営業を兼務している。
社長自身も商談に出ている。
そんな体制の会社を想像してみてください。
午前中にメルマガを書き、午後にリードへ架電し、夕方に商談へ出て、夜に提案書を作る。
まさにフル回転です。
ところが、こうした会社のお話を伺っていくと、次のようなことが起きています。
ウェビナーを開催して、参加者のリストはある。
でも、架電できたのは2週間後。
その間に、相手の温度感はすっかり下がってしまっている。
架電のときに「今期は予算がないけれど、来期は検討したい」と聞いていた。
けれど、その情報は担当者の頭の中にしかなく、3か月後には誰も覚えていない。
そして、私が一番もったいないと感じるのが、商談がうまくいかなかったケースです。
マーケもISも商談も同じ担当者がやっているのに、うまくいかなかった要因がマーケの訴求にもISのトークにも反映されていないのです。
役割を替えるたびに文脈がリセットされている
何が起きているのかというと、1人の担当者が「マーケの自分」「ISの自分」「営業の自分」を、ばらばらに切り替えて動いてしまっているのです。
役割を替えるたびに、前の役割のときの文脈を自分でリセットしてしまう。
組織としては分かれていなくても、時間軸の上で分業が起きていて、そのつなぎ目で情報が落ちている。
これが、小さいチーム特有の分断だと私は考えています。
なぜ分断が起きるのか|3つの設計で分解する
では、なぜこのような状態になるのでしょうか。
このメルマガで繰り返し使っている3つの軸、KPI設計・情報設計・プロセス設計で分解してみます。
KPI設計【追う数字が多すぎる】
小さいチームほど、大きな会社の真似をして、数字を全部追おうとしがちです。
リード数、MQL数、架電数、接続率、アポ取得数、商談数、受注率。
これを少人数で全部管理しようとすると、数字の集計だけで半日がつぶれてしまいます。
しかも、それぞれの数字を上げるための施策がバラバラに走り、結局どれも中途半端になってしまいます。
私は、小さいチームは追う数字を3つまでに絞るのが良いと考えています。
おすすめは、「有効商談数」を軸に置き、その前後を含めた「今月接点を持った見込み顧客の数」「有効商談数」「受注数」の3つです。
ポイントは、部門ごとのKPIを作らないことです。
人数が少ないのにマーケのKPIとISのKPIを分けてしまうと、自分で自分の中に分断を作ることになります。
最初から「売上につながる1本の線」として数字を見られること。
これは、実は大きな組織にはない、小さいチームならではの強みです。
情報設計【文脈が頭の中にしかない】
先ほどの「来期は検討したい」という話を思い出してください。
小さいチームにとって、ここが一番大きな損失につながるポイントです。
大きな組織であれば、ISから営業へトスアップするときに、情報を渡すためのルールを作ります。
けれど小さいチームは、渡す相手がいないので記録しないのです。
「自分が覚えているから大丈夫」。
そう思っていても、3か月後にはもう覚えていません。
そこで私がおすすめしているのが、「未来の自分へのトスアップ」という考え方です。
1人で回していても、次にその顧客に触れるのは、別の日の自分であり、別の役割をしている自分です。
だからこそ、他人に渡すつもりで記録します。
記録する項目は、多くなくて構いません。
最低限、次の5つです。
▼未来の自分へのトスアップ|記録する5項目
①なぜ接点を持ったのか
②何に課題を感じているのか
③温度感はどこまで上がっているのか
④社内で誰が関わりそうか
⑤次にいつ・何をするのか
これだけ残っていれば、2週間後でも3か月後でも、前回の文脈から会話を再開できます。
顧客から見て「この会社は、前に話したことをちゃんと覚えてくれている」という安心感は、小さい会社が大手に勝てる武器になります。
プロセス設計【全部を同じ優先度で回している】
小さいチームがつらくなる一番の原因は、すべてのリードを同じ優先度で追っていることです。
ここでやるべきなのは、リードを「今すぐ案件」と「将来案件」の2種類に分けることです。
導入時期が近く、課題がはっきりしていて、決裁者も見えている。
これは今すぐ案件です。人の時間をしっかり使い、アポ取得から商談まで最短でつなげていきます。
一方で、課題はあるけれど優先度が低い、情報収集の段階にある。
これは将来案件です。
ここに毎月架電していたら、3人のチームでは絶対に回りません。
将来案件は、メールやコンテンツといった仕組みで関係を維持し、反応があったときだけ人が動くようにします。
もう1つ効果があるのが、時間のブロック分けです。
午前はマーケ、午後の早い時間はIS、というように、役割ごとの時間を決めてしまいます。
そして、役割が変わる前に、先ほどの5項目だけは必ず記録に残す。
これで、切り替えのたびに文脈がこぼれ落ちるのを防げます。
▼小さいチームの3つの設計|まとめ図解
ここで、よくある打ち手についても触れておきます。
リソースが足りないとき、多くの会社が「どこかを外注しよう」と考えます。
架電は営業代行に、広告は代理店に、という発想です。
外注そのものは悪いことではありません。
ただ、小さいチームがやってはいけないのは、作業と一緒に「顧客理解」まで外に出してしまうことです。
架電を外に出しても、どの業界が反応したのか、どの課題に関心を示したのか、どこで温度感が落ちたのか。
この学びが自分たちに戻ってこなければ、アポ取得数は増えても、事業には何も蓄積されません。
また、最近はAIもかなり実務で使えるようになりました。
企業調査、議事録、CRMへの入力、メールの下書き。
こうした作業は、どんどんAIに任せていいと思います。
小さいチームこそ、AIの恩恵を一番受けられる立場にあります。
ただし、AIや外注で空いた時間を何に使うかは、決めておかなければなりません。
その時間は、顧客の話を聞くこと、そして役割が分散しがちな「つなぎ目」を整えることに使うべきです。
小さいチームの現実解は、「頑張って全部やる」でも「全部を外に出す」でもありません。
作業は手放していい。
でも、顧客の文脈とつなぎ目は手放してはいけない。
私は、ここが線引きだと考えています。
この考え方で回すとチームはどう変わるか
最後に、この考え方で回すと何が変わるのかを、先ほどの会社のケースでイメージしてみます。
まず、KPIを「接点数・有効商談数・受注数」の3つに絞ります。
すると、週次の会議が数字の報告会から、「この商談は、なぜ有効商談にならなかったのか」という会話に変わっていきます。
次に、全員が5項目のメモを残すようにします。
これで、社長が商談に出るときも、担当者に確認しなくても前回の文脈がわかるようになります。
そして、リードを今すぐ案件と将来案件に分け、将来案件は月1回のメールと事例コンテンツで関係を維持します。
人が架電するのは、今すぐ案件と、メールに反応があった方だけです。
こうすると、架電件数そのものは減ります。
けれど、1件1件の会話の質が上がるので、商談につながる割合は上がっていきます。
しかも、失注した理由がメモに残っているので、次のメールの訴求や架電のトークに活かせるようになります。
チームの人数は増えていません。
それでも、つなぎ目が仕組みになったことで、メンバー全員が「点」ではなく「線」で動けるようになる。
これが、小さいチームの勝ち方だと私は考えています。
自社の状態を確認するチェックリスト
最後に、自社の状態を確認するためのチェックリストを置いておきます。
当てはまらない項目が多いほど、担当者の頭の中で分断が起きている可能性があります。
▼小さいチームの「つなぎ目」チェックリスト
□追っているKPIは3つ以内に絞られているか
□マーケとISで別々のKPIを持っていないか
□顧客との接点ごとに、次回に引き継ぐ記録を残しているか
□記録には「接点の理由・課題・温度感・関与者・次のアクション」が含まれているか
□リードを「今すぐ案件」と「将来案件」に分けているか
□将来案件を、メールやコンテンツで関係維持する仕組みがあるか
□マーケ・IS・営業の役割ごとに、使う時間を決めているか
□失注理由が、マーケの訴求やISのトークに反映されているか
□外注した業務の学びが、自社に戻ってくる設計になっているか
□AIや外注で空いた時間を、何に使うか決めているか
まとめ|少人数は弱みではなく強みになる
小さいチームでも分断は起きます。
ただしそれは、部門の間ではなく、担当者の頭の中で役割が切り替わるときに起きています。
これを防ぐために、3つの設計で考えます。
KPI設計では、部門別の数字を作らず、追う数字を3つまでに絞る。
情報設計では、「未来の自分へのトスアップ」として5項目を記録に残す。
プロセス設計では、リードを今すぐ案件と将来案件に分け、人の時間を使う場所を決める。
そして、作業は手放していいけれど、顧客の文脈とつなぎ目は手放さない。
少人数であることは、弱みではありません。
最初から売上までを1本の線で見られる。
それは、小さいチームだけが持てる強みです。
『BtoB売上構造診断シート』プレゼント
リード獲得から商談化、受注までのどこで売上が止まっているかを整理できる「BtoB売上構造診断シート」をご用意しています。
「うちも、まさに少人数で全部回している」
「頑張っているのに、どこで取りこぼしているのかわからない」
そう感じた方は、ぜひ一度使ってみてください。
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こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。
資料請求やウェビナーの申込みは増えているのに、営業からは「最近のリード、質が悪いですよ」と言われてしまう。
マーケは「営業が追客してくれない」と感じ、営業は「リードの質が悪い」と感じている。同じリードを見ているはずなのに、話が噛み合わない。
そんなモヤモヤを抱えている方は、少なくないのではないでしょうか。
この記事では、「良いリードが来ない」と感じたときに、獲得施策を変える前に確認したいことを、ターゲット設計とスコアリングの見直しという切り口で整理します。
3つのステップ、判断の軸を整理した図解カード、自己診断チェックリストまでまとめました。
なぜ、これで問題が解消に向かうのか。それは、多くの場合、原因がリードの数や広告の出来ではなく、「良いリード」の定義がそもそも決まっていない、あるいは部門ごとにズレているという構造の問題だからです。
定義を見直せば、営業と同じ言葉でリードを語れるようになります。
こちらの記事をご覧いただくことで、自社のどこから手をつければよいかが見えて、明日の打ち合わせで「うちの良いリードって何ですか」と切り出せるようになっているはずです。
ぜひ、末尾のチェックリストまで読み進めてみてください。
営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。
ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。
「良いリードが来ない」の正体はリードの質ではないかもしれません
前回は、コンテンツマーケティングと営業をつなぐ設計として、ホワイトペーパーや事例記事を営業のどのタイミングで使うのか、というお話をしました。
ただ、読んでくださった方の中には、こう感じた方もいらっしゃると思います。
「そもそも、うちに届いているリードがあまり良くないんだよな」と。
コンテンツをどれだけ上手に使っても、届いている相手が違っていれば、成果には繋がりません。
そこで今回は、少し手前に戻って、入口の話をさせてください。
先に、私の結論をお伝えします。
「良いリードが来ない」と感じたとき、最初に疑うべきなのは、リード獲得の施策ではありません。
「良いリード」の定義そのものです。
多くの会社で、この定義が決まっていないか、部門ごとにバラバラになっています。
マーケの言う「良いリード」と、営業の言う「良いリード」が違う。
だからマーケは「良いリードを渡している」と思い、営業は「良いリードが来ない」と思う。
たとえば、こんな状況です。
* マーケのダッシュボードでは、リード数もMQL数も右肩上がり
* 営業が追いかけると、担当者には会えるが「情報収集で見ていただけです」で終わる
* アポ取得の数字は達成しているのに、商談に行くと決裁に関われる方ではなく、予算の話も出てこない
* 結果として受注に繋がらず、マーケは「追客が足りない」、営業は「質が悪い」と言い合う
私は、これをどちらかが悪い話だとは考えていません。
責任の押し付け合いが起きること自体が、構造に問題があるサインだと思っています。
なぜマーケと営業で「良いリード」の認識がズレるのか
では、なぜ認識がズレるのか。
私は、判断の軸が根本的に違うからだと考えています。
マーケは、基本的に「測れる指標」でリードの良し悪しを決めます。
役職、企業規模、業種、どの資料をダウンロードしたか、サイトを何回訪問したか、メールを開封したか。
これらを組み合わせて点数をつけるのがスコアリングです。
マーケの仕事としては、とても合理的です。
一方、営業が受注を決めるときに見ているのは、点数には出てこない情報です。
* その会社の中で誰が本当に困っているのか。
* 決裁者の関心はどのくらいあるのか。
* 予算はいつ動くのか。競合とはどういう関係なのか。
こうした「文脈」です。
つまり、マーケは「平均的に効くもの」を基準にし、営業は「目の前の一社に効くもの」を基準にしています。
だから、スコアが高いリードほどよく反応してくれるのに、その方が意思決定者ではなかったり、実は本当の課題がなかったり、予算がなかったりする。
スコア上位のリードと、実際に受注に繋がるお客様がズレてしまうのです。
私はこれを、マーケと営業の間の「翻訳のズレ」と呼んでいます。
しかも、このズレは追客の場面で起きるのではなく、その手前のターゲットとスコアを決める段階で、すでに始まっています。
見直しの3ステップ|三本柱で整理します
このメルマガでは、KPI設計・情報設計・プロセス設計という3つの柱で売上構造を整理してきました。
ターゲット設計とスコアリングの見直しも、この3つに沿うと分かりやすくなります。
ステップ1【KPI設計】受注から逆算して「良いリード」を決める
まずターゲット設計です。
ここで大切なのは、順番です。
多くの会社は「うちのサービスに合いそうな業種と規模」からターゲットを決めます。
でも、それはあくまで仮説です。見るべきなのは、実際に受注したお客様です。
直近で受注した10社、20社で構いません。
書き出してみてください。
そして、商談まで進んだものの失注した会社、アポには繋がったけれど進まなかった会社と並べて比べてみます。
すると、「受注する会社には共通点がある」と見えてきます。これが理想の顧客像、いわゆるICP(理想顧客像)です。
※理想顧客像(Ideal Customer Profile)
BtoBマーケティングや営業において、自社にとって最も価値を提供でき、大きな成果(売上やロイヤルティ)をもたらしてくれる「理想的な顧客企業像」を指します。
【図解カード①】受注顧客の共通点 書き出しカード
そして、KPIもこれに合わせて変えます。
リード数やMQL数だけを追うのではなく、「ICPに合致したリードの数」と「そのリードの受注率」を見る。獲得経路ごとの受注率を並べてみるのもおすすめです。
リード数が多い経路が、良い経路とは限らないからです。
もうひとつ、私が大事だと思っているのが「追わない」という判断ができることです。
ICPから外れているリードには、営業の時間を使わない。
短期的なアポ取得の数字が減っても、営業の時間を守るほうが、組織全体の生産性は上がります。
ステップ2【情報設計】スコアリングは「誰か×いつか×なぜか」で組み立てる
2つ目は、スコアリングの中身です。
スコアリングというと、行動に点数をつけるイメージを持たれる方が多いのですが、私は3つの軸に分けて考えたほうがよいと思っています。
【図解カード②】良いリードを見極める3つの軸
なぜか どんな課題で反応しているか 情報収集の段階か、予算化前の課題整理か
ここで注意したいのは、行動のスコアはあくまで「熱量のヒント」だということです。
ウェビナーに参加した、資料をダウンロードしたというだけで、購買意欲が高いとは限りません。
行動だけで点数をつけると、「よく反応するけれど買わない人」が上位に来てしまいます。
だから、行動スコアは「誰か」と掛け合わせて見ます。
ICPに合致していて、なおかつ熱量が高い。
この掛け算で優先順位をつけます。
そして、ISにリードを渡すときは、点数だけでなく「何を見て、どんな課題で反応したのか」も一緒に渡します。
「資料のダウンロードありがとうございます」で終わる架電と、「御社のフェーズだと、今の論点はリード不足より商談化率ではないですか」と仮説を持って入る架電では、その後の会話の質がまるで変わります。
ステップ3【プロセス設計】スコアは仮説として更新し続ける
3つ目はプロセスです。
ここが、一番忘れられがちだと感じています。
ターゲットもスコアも、作った時点ではただの仮説です。
一度決めて終わりにせず、運用しながら見直す仕組みが要ります。
たとえば月に1回、IS・営業・マーケが一緒に、次の2点を確認します。
* スコア上位のリードの受注率はどうだったか
* 営業が「これは違った」と判断したリードには、どんな特徴があったか
営業が持っている「測れない文脈」を、少しずつ「測れる項目」に翻訳して、スコアの設計に戻していくイメージです。
このとき、ISが間に立つ「翻訳者」になれるとチームがまとまります。
ISはリードと直接話しているので、「この行動をしたリードは、実際にはこういう状況だった」という一次情報を持っています。
それをマーケにも営業にも返す。
これが、つなぎ目を埋める動きだと私は考えています。
【自己診断】ターゲット設計とスコアリングのチェックリスト
ここまでの内容を、自社に当てはめて確認してみてください。
ターゲット設計(KPI設計)
☐ 直近の受注顧客の共通点を、書き出して説明できる
☐ 「ICPに合致したリード数」と「その受注率」を見ている
☐ ICPから外れたリードは追わない、というルールがある
スコアリング(情報設計)
☐ スコアは行動だけでなく、属性(誰か)と掛け合わせている
☐ 「なぜ反応したのか(課題)」の情報をISに渡している
☐ 「良いリード」の定義を、マーケと営業が同じ言葉で説明できる
見直しの仕組み(プロセス設計)
☐ スコア上位のリードの受注率を、定期的に確認している
☐ 営業が「違った」と判断したリードの理由を、スコアの設計に戻している
チェックがつかなかった項目が、見直しの優先候補です。
特に「良いリードの定義を同じ言葉で説明できるか」は、最初に確認してほしい項目です。
まとめ|今日から試せる最初の一歩
今回のポイントを、3つにまとめます。
* 「良いリードが来ない」と感じたら、獲得施策を変える前に「良いリード」の定義を疑う。受注したお客様から逆算して、ICPを決める
* スコアリングは「誰か」「いつか」「なぜか」の掛け算。行動スコアだけでは、「よく反応するけれど買わない人」が上位に来てしまう
* スコアは仮説。ISが翻訳者になり、営業の文脈を設計に戻し続ける
今日いちばん簡単に試せるのは、直近で受注した10社の共通点を書き出すことです。
15分ほどでできますので、ぜひやってみてください。
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こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。
ホワイトペーパーのダウンロード数は増えているのに、商談はなかなか増えない。
事例記事も公開したのに、営業が使っている気配がない。
コンテンツマーケティングに取り組む中で、そんなもどかしさを感じている方は多いのではないでしょうか。
今回は、コンテンツマーケティングと営業をつなぐために、ホワイトペーパーと事例記事を「どの場面で、どう使うのか」という視点で整理してお届けします。
売上につながるコンテンツには共通点があります。
作る前に「営業のどの場面の、どんな不安を越えさせるのか」が決まっていることです。
KPI・情報・プロセスという三本柱で分解すると、その理由がはっきり見えてきます。
こちらの記事をご覧いただくことで、自社のコンテンツがどこで途切れているのかが分かり、営業が使える武器に変えるための最初の一歩が見えてきます。
後半には自社の状況を確認できるセルフチェックリストも用意していますので、ぜひ最後までお読みください。
営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。
ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。
コンテンツの役割は「集客」ではなく「商談の質を上げること」
結論からお伝えします。
ホワイトペーパーも事例記事も、「作ること」がゴールになっていると、売上にはつながりません。
売上につながるコンテンツというのは、営業のどの場面の、どんな不安を越えさせるための役割なのかが、作る前に決まっています。
つまり、コンテンツの役割は「集客」ではなく、「商談の質を上げること」だと私は考えています。
営業が使う道具として設計する。
これが今回、いちばんお伝えしたいことです。
前回は、ウェビナーから商談化までの設計についてお届けしました。ウェビナーに参加したという「行動」と、買いたいという「意思」は別物で、そこを混同すると商談化が進まなくなる、というお話でした。今回は、ウェビナーと同じくらい多くの会社が取り組んでいる「コンテンツ」を取り上げます。
記事は読まれているのに商談が増えない【三本柱で分解する】
こんな状況になったことはないでしょうか。
記事はそこそこ読まれていて、ホワイトペーパーのダウンロード数も毎月増えている。
マーケティングの会議では「今月のダウンロードは〇件でした」と報告が上がる。
ところが営業現場に聞くと、「商談が増えた実感はないんです」と言われる。
マーケは成果を出しているつもりでも、営業は何も変わっていないと感じている。
ここには、目に見えない溝があります。
私は、これは担当者の努力不足ではなく、構造の問題だと考えています。
これまでお伝えしてきた三本柱であるKPI設計・情報設計・プロセス設計で整理すると、きれいに分解できます。
KPI設計|見るべきは「商談前の顧客理解」
マーケが見ているのは、PVやダウンロード数であることが多いと思います。
ここで見ないといけないのは、「商談の前に、お客様の理解がどれだけ進んだか」です。
数は増えているのに商談が増えない会社は、PVやダウンロード数だけに捉われていることが多いのです。
情報設計|ダウンロードの「背景」が渡っていない
ダウンロードした人が、なぜそのホワイトペーパーを選んだのか。
その背景が、インサイドセールスにも、フィールドセールスにも渡っていないことがあります。
「資料DL=見込み顧客」としてリスト化しているだけで、背景情報が引き継がれていないのです。
プロセス設計|「読まれたあと」まで一本の線で描く
記事を書く、読まれる、資料をダウンロードされる。
ここで終わっている会社が本当に多いと感じます。
売上が伸びる会社は、その先、つまりインサイドセールスの架電、課題のヒアリング、商談までが、最初から一本の線として設計されています。
コンテンツと営業が分断されず、シームレスにつながっているのです。
この3つの設計を踏まえて、ホワイトペーパーと事例記事、それぞれの使いどころを見ていきましょう。
ホワイトペーパーの使いどころ【2つの役割とその後の動き方】
多くの会社は、ホワイトペーパーを「リードを集めるためのマグネット」として作ります。
すると、自社サービスの紹介を薄めたような資料か、業界トレンドをまとめただけの資料になりがちです。
ダウンロードはされても、大半は「今すぐ買いたい人」ではなく、情報収集の段階です。
ここで大事なのは、ホワイトペーパーには役割が2つあると捉えることです。
役割①|検討初期は「課題整理」を助ける
まだ予算化もされていない、課題もぼんやりしている。
そういう段階の人に渡すのは、売り込みではなく、判断材料です。
たとえば、失敗しない導入の進め方や、自社の課題を整理するためのチェックリストなどです。
この段階の人に、すぐ商談を求めてはいけません。
ここは「ギブが先、テイクは後」だと思っています。
温度が上がりきっていないのに商談に持っていこうとすると、かえって離れていってしまう可能性があるからです。
役割②|比較検討期は「社内に説明する材料」になる
たとえば、比較検討時のチェックポイントや、社内稟議で使える判断軸です。
こうしたホワイトペーパーをダウンロードする人は、すでに他社と天秤にかけている可能性が高いです。
つまり、熱量が高まったサインなのです。
料金ページを何度も見ている。
比較資料をダウンロードしている。
こうした行動は、検討ステージが一段上がった合図と見て大丈夫です。
この合図が出た瞬間にインサイドセールスが動くと、商談化率が大きく変わります。
ISの入り方|資料の内容から仮説を持つ
インサイドセールスの入り方も、見直したいところです。
「資料をダウンロードいただきありがとうございます。ご状況いかがですか?」。
このようなアプローチをしていないでしょうか。
よくあるアプローチなので、お客様からすると「また営業が来たな」で終わってしまいます。
そうではなく、たとえば次のように、ダウンロードした資料の内容から仮説を持って入ります。
「『コンテンツマーケティングと営業をつなぐホワイトペーパー活用術』の資料をご覧になったのは、リード数は増えているのに、商談数が増えないからでしょうか?」
これができると、見込み客は「自分たちの状況を理解してくれている」と感じますので、会話の質がまったく変わってきます。
ホワイトペーパーは、インサイドセールスが仮説を立てるための材料でもあるのです。
FSへのバトンパス|ダウンロードの背景は商談へのバトン
もう一つ大切なのが、どのホワイトペーパーを、なぜダウンロードしたのか。
この背景まで含めてフィールドセールスに渡すことです。
ISの田中さんに話したのに、FSの鈴木さんがその話を知らない。
こうなると、お客様は「この会社は連携が取れていないな」と感じて、離脱してしまいます。
ダウンロードの背景は、商談へのバトンとして捉えていきましょう。
事例記事の使いどころ【書くべきは「導入前」です】
次に、事例記事です。
事例記事で一番よくある失敗は、成果の数字だけを並べてしまうことだと思います。
「売上が200%になりました」
「商談数が3倍になりました」
もちろん成果は大事です。
しかし、成果だけを見た見込み客は、「その会社だから成功したんでしょう」「うちとは規模も体制も違う」と感じてしまいます。
事例は、成果発表ではなく、購入前の不安を解消するための材料です。
導入前の迷いを書く|読み手は「スタート地点」に自分を重ねる
だから、事例で書くべきなのは、成功したあとの綺麗な話ではなく、導入前の状況です。
何に困っていたのか。
何を怖がっていたのか。
どこで迷ったのか。
何が決め手になったのか。
読み手は、ゴールではなくスタート地点に自分を重ねます。
たとえばインサイドセールス支援の事例なら、「商談数が2倍になった」の前に、次のような迷いが書いてあるとどうでしょうか。
* 問い合わせは増えたけれど、誰を優先して商談すべきか分からなかった
* 社長は必要性を感じていたけれど、営業部長が反対していた
この事例記事を見た同じ状況の会社は、「これはうちの話だ」と感じるはずです。
【図解カード|事例取材で成果より先に聞く5つの質問】
* 導入前に一番困っていたことは何か?
* 放置するとどうなっていたか?
* 導入前は何を不安に感じていたか?
* 他の選択肢と迷った理由は何か
* 最後の決め手は何だったか
使いどころ|商談の前後で使う3つの場面
事例記事は、商談の前後にアクセスが集中しやすい傾向にあります。
お客様が「失敗したくない」という気持ちで、安心できる内容を探しているのだと思います。
具体的な使いどころは、次の3つです。
1つ目は、ISの初回架電のあとのフォローです。
2つ目は、商談の中で不安が出たときです。
他社さんの事例を第三者の声として見せます。
営業が自分で「大丈夫です」と言うより、第三者の声のほうがはるかに信頼されます。
3つ目は、稟議の前です。
BtoBは、目の前の担当者を説得するのではなく、担当者を「社内の勝者」にすることだと考えています。
「これなら上司に説明できる」と思ってもらえる事例があるかどうか。
ここで差がつきます。
以前お伝えした失注後のナーチャリングでも同じです。
同じ迷いを乗り越えた会社の事例をお届けすると、関係を保ちながら、再検討のきっかけをつくれることがあります。
使いどころを「場面」で整理する【図解カード】
ここまでの内容を、営業の場面ごとに整理します。
【図解カード|場面別・コンテンツの使いどころ】
▼検討初期(課題がぼんやりしている段階)
使うもの:課題整理型のホワイトペーパー
動き方:商談アプローチはしない。役に立つ情報を先に渡し、「この会社は分かっているな」と思ってもらう
▼比較検討期
使うもの:比較チェックポイントのホワイトペーパー+同じ悩みを解消できた会社の事例記事
動き方:ISが行動の変化を見て動く
▼稟議前
使うもの:社内説明に使える判断軸+事例資料
動き方:担当者が上司にそのまま使える形で渡す
▼失注後
使うもの:事例や判断軸
動き方:状況が変わったタイミングで届け、関係を保って次のチャンスにつなげる
こうして並べると分かるのですが、ホワイトペーパーも事例記事も、「どの場面で、誰が、どう使うか」が決まった瞬間に、ただのコンテンツから営業の武器に変わります。
逆に言うと、この場面が決まっていないコンテンツは、どれだけ丁寧に作っても、営業の現場では効果的に使われません。
実際、営業が事例記事の存在を知らない会社も少なくないのです。
だからこそ、コンテンツを作る前に、営業担当にこう聞いてみてください。
「商談のどこがネックになっていますか?」。
その答えが、次に作るべきコンテンツのテーマかもしれません。
自社のコンテンツを診断する【セルフチェックリスト】
ここまでの内容をもとに、自社の状況を振り返ってみましょう。
チェックが付かなかった項目が、次に手を入れるポイントです。
【セルフチェックリスト】
* ホワイトペーパーと事例記事それぞれに、「営業のどの場面で使うか」が決まっている
* 営業担当が、公開中の事例記事の存在と使い方を把握している
* PVやダウンロード数だけでなく、商談前の顧客理解の進み具合を見ている
* ダウンロードの背景(なぜその資料を選んだか)が、ISからFSまで引き継がれている
* 比較資料のダウンロードや料金ページの再訪を、ISが動く合図にしている
* ISの架電で、ダウンロードされた資料の内容から仮説を持って入っている
* 事例記事に、成果だけでなく「導入前の迷い」が書かれている
* 記事から資料ダウンロード、ISの架電、ヒアリング、商談までが、一本の線として設計されている
まとめ|コンテンツを営業が使える武器にする
最後にまとめます。
ホワイトペーパーも事例記事も、作ることがゴールになると売上にはつながりません。
ホワイトペーパーは、検討初期の課題整理と、比較検討時期の社内説明材料。
事例記事は、購入前の不安を解消できる材料です。
営業のどの場面で使うのかを、想定して作ることが大切です。
三本柱に戻ると、次のようになります。
KPI設計:PVやダウンロード数ではなく、商談前の顧客理解がどれだけ進んだかを見る
情報設計:ダウンロードの背景をISからFSまで渡す
プロセス設計:読まれたあとの動線まで、一本の線で設計する
コンテンツマーケティングと営業をつなぐとは、コンテンツを営業が使える武器にすることだと、私は考えています。
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こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。
「リードの数は目標を達成しているのに、なぜか商談化率が上がらない」
「営業とマーケで、リードの質をめぐる議論を毎月繰り返している」
そんな状態に、心当たりはないでしょうか。
今回は、MQL(Marketing Qualified Lead)とSQL(Sales Qualified Lead)という、マーケティングと営業の現場で日常的に使われている言葉を改めて整理しながら、この二つの定義が組織の中でどうズレていくのかを解説します。
多くのBtoB企業のマーケティング・インサイドセールス・営業支援に携わってきた中で見えてきた、「測れる行動」と「測れない文脈」という構造の違いを軸に、実際にあった改善例も交えてお伝えします。
こちらの記事をご覧いただくことで、リードの質をめぐる水掛け論が起きる根本原因と改善策が見えてくるはずです。
ぜひ最後まで読み進めてみてください。
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MQLとSQLとは|二つのリードの違いを整理する
本題に入る前に、言葉の意味を簡単に整理しておきます。
MQL|マーケティングが定義する「見込み」
MQLとは、Marketing Qualified Leadの略です。資料をダウンロードした、セミナーに参加した、料金ページを何度も見た。こうした行動データをもとに、マーケティング側が「見込みがありそうだ」と判断したリードのことを指します。
SQL|営業が定義する「商談化してよい相手」
SQLとは、Sales Qualified Leadの略です。
* 決裁権がある
* 予算がある
* 検討時期が近い
実際に商談を進めても大丈夫だと、営業側が判断したリードのことを指します。
一般的な流れとしては、マーケがMQLを見つけて営業に渡し、営業がその中から本当に商談化すべき相手をSQLとして選び出します。
このMQLからSQLへの「バトンタッチ」がうまくいっているかどうかは、マーケと営業の関係性を測るうえで、かなり重要な指標になります。
今回お伝えしたいのは、まさにこの二つの言葉の「中身」が、会社によってどれだけズレているか、という話です。
あるある失敗|数字は達成しているのになぜか噛み合わない
よくあるパターンから紹介します。
マーケティング側は、月次のMQL目標を達成しています。
* 役職
* 企業規模
* 資料ダウンロード履歴
* サイト訪問回数
* メールの開封率
こうした「測れる指標」でスコアリングして、基準を超えたリードをMQLとして営業に渡しています。
数字の上では、ちゃんと機能しているように見えます。
一方、営業側では商談化率が上がりません。
渡されたリードに架電しても、決裁権がなかったり、予算がなかったり、そもそも本気で検討していなかったりする。
そうすると、営業からは「マーケが渡してくるリードの質が悪い」という声が上がります。
マーケからは「MQLの基準は満たしているから、営業の追客の問題では」という声が返ってきます。
この水掛け論、聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか。
定義がズレる本当の理由|「良いリード」の基準が部門ごとに別々に存在している
この水掛け論が起きる根本原因は、コミュニケーション不足でも、運用ルールが整備されていないことでもありません。
もっと手前の話として、「MQL」と「SQL」という言葉が指しているものが、マーケと営業でそもそも違うのです。
マーケティングにとってのMQLは、「測れる行動」の組み合わせで定義されます。
* 資料をダウンロードした
* 料金ページを見た
* セミナーに参加した
こうした行動データをスコア化して、一定の点数を超えたら「マーケティング的に見込みがある」と判断する。
これはマーケティングという仕事の性質上、合理的なやり方です。
多数のリードを効率よく処理するには、標準化されたスコアリングが欠かせません。
一方、営業にとってのSQLは、もっと文脈的なものです。
* 決裁権を持っているか
* 予算があるか
* 検討のタイミングが近いか
* 社内で本当に課題として認識されているか
これはスコアには現れない情報で、営業が一対一の会話の中で読み取っていくものです。
つまり、マーケは「一対多」の論理で良いリードを定義し、営業は「一対一」の論理で良いリードを定義しています。
この二つの定義は本来別ものなのに、多くの会社では「MQL」という同じ言葉を使って、両者が同じものを指しているつもりで会話してしまう。
ここに、そもそものズレの出発点があります。
部分最適の限界|スコアの高いリードが、受注に一番近いとは限らない
このズレを放置すると、何が起きるでしょうか。
マーケのスコアリングで上位のリードは、資料請求もするし、商談にも応じてくれます。
ただ、意思決定者ではなかったり、本当の課題を抱えていなかったり、予算がなかったりすることも少なくありません。
本当に受注につながるのは、スコアには現れない要素を持っている相手だったりします。
組織内の力関係、検討している役員の温度感、競合との関係、社内の意思決定タイミング。
こうした「測れない文脈」こそが、最終的に受注を決めます。
営業はこの文脈を読む力で成果を出しているのですが、マーケのスコアリングは、この能力を前提にしていません。
そして厄介なのは、MQLの数やSQLへの遷移率という数字は、経営会議で報告しやすいということです。
ダッシュボードに並んで、可視化されます。
一方で「このリードは決裁権はないけれど、半年後に部署異動で決裁側に回る可能性が高い」というような文脈情報は、数字にしにくいのです。
結果として、経営陣は「見えるマーケの数字」を評価しやすくなり、「見えにくい営業の文脈判断」が軽視されがちになります。
マーケのKPIが組織全体の評価軸になっていき、営業は与えられたリードに対して、決められたやり方で対応するだけの立場に押されていきます。
これが続くと、営業からは「アポには繋がるけど、受注に繋がらない商談ばかり回ってくる」という不満が積み重なっていきます。
そしてこの不満は、営業のモチベーションだけでなく、組織としての受注力そのものを削っていくのです。
定義を共通言語にする|一気通貫で見直す3つのポイント
ではどうすればいいのか。
ポイントは、MQLとSQLの定義を、マーケだけで決めない、営業だけで決めない、ということです。
両方の部門が、同じテーブルで、同じ言葉の中身をすり合わせていきます。
①MQLの基準を、営業の結果から逆算する
マーケ側のスコアリング指標を、営業側が実際に架電・商談してきた結果とセットで見直します。
「スコアが高かったのに受注に至らなかったリード」に共通するパターンは何か。
「スコアは低かったけれど受注できたリード」にはどんな文脈があったか。
これを定期的に突き合わせることで、MQLの基準自体を、受注に近づける方向に調整していきます。
②SQLの基準を、感覚ではなく言葉にする
営業側がSQLと判断する基準も言語化します。
「決裁権がある」「予算感がある」「検討時期が3ヶ月以内」といった条件を、感覚ではなく共通の言葉にする。
そうすることで、マーケが渡すリードの温度感と、営業が求めている基準の間にあるギャップが、初めて可視化されます。
③スコアだけで動かず、文脈確認のワンクッションを置く
料金ページを何度も見ている、事例動画を最後まで見た、というアクションは確かに強いシグナルです。
ですが、そこにインサイドセールスが実際に架電して、決裁権や予算、検討タイミングといった文脈を一言二言確認する。
このワンクッションがあるだけで、商談化の精度はまったく変わってきます。
これは以前の号でお伝えした架電設計やトスアップ設計にもつながる話ですが、結局のところ、KPI設計・情報設計・プロセス設計の三本柱は、この「定義のすり合わせ」がベースになければ、どれだけ精緻に作っても機能しません。
実際にあった改善例
ある企業で、マーケが定義していたMQLの基準は「資料ダウンロード+役職が課長以上」でした。
これを満たしたリードは、そのまま自動的に営業に渡っていました。
ところが実際に営業が架電してみると、資料をダウンロードした課長の多くは情報収集の初期段階で、まだ社内で課題として共有すらされていないケースが多かったのです。
一方で、資料はダウンロードしていないものの、過去に失注していた案件のリストの中に、予算執行の時期が近づいていて、明らかに検討が再燃しているリードが埋もれていました。
そこでこの会社では、二つのことを変えました。
一つは、MQLの基準に「過去の接点履歴」を組み込んだこと。
失注・解約リストのように一度接点があった相手は、スコアが低くても優先的にインサイドセールスが架電する対象にしました。
もう一つは、SQLの基準を「決裁権」「予算」「検討時期」の三つに明文化し、この三つが確認できて初めてアポに繋げる、というルールにしたことです。
結果として、商談数自体は一時的に減りました。
しかし、商談化した案件の受注率は上がりました。
マーケと営業の間で「良いリードとは何か」という定義が揃ったことで、無駄な商談に費やしていた時間が、本当に可能性のある相手に再配分されたのです。
まとめ
売上が止まる場所は、いつも大きな施策の失敗にあるわけではありません。
今回お伝えしたような、たった一つの言葉の定義がズレたまま放置されている、ということがよくあります。
もし「MQLの数は達成しているのに商談化率が低い」、「営業とマーケでリードの質について毎月同じ議論を繰り返している」という状態があれば、それは営業の追客不足でも、マーケの獲得不足でもなく、定義そのものを見直すタイミングかもしれません。
チェックリスト|自社のMQL・SQL定義は擦り合っていますか
* MQLの基準を、営業側の受注結果と定期的に突き合わせているか
* SQLの判断基準(決裁権・予算・検討時期など)を言葉にして共有できているか
* スコアが低くても、過去の接点や文脈から優先的にアプローチすべきリードを見逃していないか
* スコアの高さだけで機械的に商談化を判断していないか
* 「リードの質が悪い」という議論が、定義のズレを見ないまま繰り返されていないか
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「ウェビナーを毎月開催しているのに、なぜかアポに繋がらない」
そんな悩みを抱えているマーケティング担当者、インサイドセールス担当者は少なくないはずです。
今回は、ウェビナーが「集客イベント」で終わってしまう構造と、参加者の熱量を商談化まで運ぶための設計をお伝えします。
KPI設計・情報設計・プロセス設計という三つの視点で分解すると、なぜ同じ参加者数でも成果に何倍もの差が出るのかが見えてきます。
こちらの記事をご覧いただければ、自社のウェビナー運用のどこにボトルネックがあるのか、具体的にチェックできる状態になっているはずです。
ぜひ最後までお読みください。
営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。
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ウェビナーが「集客」で終わってしまう問題
BtoB企業でよくあるのが、
「毎回100人前後の参加者を集められているのに、アポ取得率がずっと2〜3%で伸び悩んでいる」
という状態です。
多くの場合、原因はウェビナーのコンテンツの質だけではありません。
本当の問題は、ウェビナーのゴールが「開催すること」、「参加者を集めること」で止まってしまい、その先の商談化までが設計されていないことにあります。
参加者数や申込数だけをKPIに置いている会社は、実はかなり多いです。
しかし、これはあくまで「入口の数」でしかありません。
参加した人のうち、自社の課題として真剣に聞いていた人が何人いたのか、最後まで視聴した人が何人いたのか、質問した人が何人いたのか。
ここを見なければ、ウェビナーが本当に機能しているかどうかは分からないのです。
三つの設計で見えてくるウェビナーが機能しない理由
KPI設計|参加者数ではなく参加の質を見る
マーケティングの評価軸が「参加者数」に置かれていると、現場は「とにかく数を集める」方向に動きます。
その結果、ターゲットからズレた層まで巻き込んで母数だけが膨らみ、後工程のインサイドセールスは「アポに繋がりにくい母数」を渡されて疲弊することになります。
見るべきところは、参加者数そのものではなく、最後まで視聴した「有効参加率」や、質問・アンケートへの反応率です。
ここを追うだけで、ウェビナーの評価軸は大きく変わります。
情報設計|参加中の行動データを架電前に届ける
ウェビナー中に参加者がどのスライドで離脱したか、どんな質問を投げてきたか、チャットやアンケートでどう反応していたか。
これらは、実は非常に濃い「顧客の温度感」の証拠です。
しかし、多くの会社では、この情報がマーケティング側の管理画面に留まったままで、インサイドセールスには参加者リストだけが渡されます。
そうすると架電は「先日はウェビナーにご参加いただきありがとうございました」という当たり障りのない一言から始まるしかありません。
逆に、「先日のウェビナーで料金体系について質問いただいていたと思うのですが」と文脈を踏まえて話しかけられれば、相手の反応はまったく違うものになります。
プロセス設計|熱量が高いうちに優先順位をつけて動く
ウェビナー後、いつ、誰が、どんな順番でフォローするか。
ここが設計されていない会社は非常に多いです。
終了後にお礼メールを一斉送信して、数日後に思い出したように架電する。
この「間」が空くほど、参加者の温度感は冷めていきます。
理想は、参加度合いに応じてフォローの優先順位を分けることです。
最後まで聞いていた人、質問をした人、アンケートで導入検討中と答えた人には当日か翌日中にインサイドセールスから連絡する。
一方で、途中離脱していて情報収集段階の人には、いきなり架電するのではなく、関連コンテンツを送ってナーチャリングに回す。
この振り分けがなければ、熱量の高い参加者を放置し、まだ検討段階に入っていない人に無理に架電するという、双方にとって不毛な時間が生まれてしまいます。
実務への落とし込み|三段階のフォロー設計
実際にあった事例では、ウェビナー後のフォローを次の三段階に振り分けたことで、アポ取得率が2〜3%から半年後には8%まで上がりました。
参加者数はそれほど変わっていません。
同じ母数から、これだけの差が出るのです。
* 最後まで視聴・質問ありの参加者 → 当日中にインサイドセールスが架電
* 一定時間視聴・アンケート反応ありの参加者 → 翌日中に架電
* 早期離脱・反応の薄い参加者 → 架電ではなくナーチャリングへ
このように、参加中の行動データを事前にインサイドセールスへ共有し、優先順位に応じて接触速度を変えることが、商談化の分かれ目になります。
まとめ
ウェビナーは、開催して終わりの集客施策ではありません。
参加者の行動データという、営業にとって最も価値のある一次情報が眠っている場所です。
ここを拾い上げて、インサイドセールスやフィールドセールスに正しく繋げられるかどうかで、同じ参加者数でも成果は何倍にも変わります。
もし今、自社のウェビナーが「開催すること」がゴールになっていないか、参加者の温度感がインサイドセールスに伝わっているか気になった方は、BtoB売上構造診断シートを使って一度可視化してみてください。
個別にご相談したい方は、フュージョンバリューまでお気軽にどうぞ。
自己診断チェックリスト
自社の状況が気になった方は、次の項目を確認してみてください。
* ウェビナーのKPIは「参加者数」だけでなく「有効参加率」「反応率」まで含まれているか
* 参加中の行動データ(離脱ポイント・質問・アンケート回答)はインサイドセールスに共有されているか
* フォローのタイミングは、参加度合いに応じて優先順位が分かれているか
* 温度感が低い参加者を、無理に架電せずナーチャリングに回す導線があるか
* ウェビナー後のフォロー速度は、当日〜翌日中を基準にできているか
『BtoB売上構造診断シート』プレゼント
もし今、御社が受注した後の情報がどこかで途切れていないか、CSにアップセル・クロスセルの攻めの役割まで背負わせてしまっていないか、気になった方は、BtoB売上構造診断シートを使って一度可視化してみてください。
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こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。
受注が決まった瞬間に、マーケも営業もそこでふっと手を離してしまい、「あとはCS(カスタマーサクセス)さんお願いします」という空気になっていないでしょうか。
実はこれ、既存顧客の中に眠っている売上の機会を、そのまま取りこぼしている状態かもしれません。
今回は、受注後にマーケがどこまで数字を追うべきか、そしてCSとの連携でアップセル・クロスセルを再現性高く生み出すための設計についてお話しします。
弊社の支援先でも、この情報設計とプロセス設計を整えたことで、既存顧客からの商談化率が新規リードを上回るケースが出てきています。
本記事をご覧いただければ、自社の受注後の情報がどこで途切れているのか、CSにどこまでの役割を求めるべきなのかが、きっと整理できているはずです。
ぜひ最後までお付き合いください。
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受注はゴールではなく、次のプロセスの入口
前回は、失注後のナーチャリング設計についてお話ししました。
失注は終わりではなく、育成の入口として捉え直すという内容でした。
今回はその逆側、受注した後の話です。
受注は、案件としては一区切りかもしれません。
ですが、顧客との関係で見れば、そこはまだスタート地点です。
本来追うべきKPIは、アポ数や受注数だけではなく、その先の継続とLTV(顧客生涯価値)のはずです。
ここを一気通貫で見られていない組織ほど、既存顧客からの売上を取りこぼしやすくなります。
なぜこうしたことが起きるのか。今回も「KPI設計」「情報設計」「プロセス設計」という三つの軸で分解していきます。
CS任せのアップセルが機能しにくい理由【KPI設計】
CSがどんな指標を持っているか、想像がつくでしょうか。
多くの場合、チャーン防止(解約防止)、利用率向上、NPS向上といった指標です。
※NPS(Net Promoter Score)とは、企業やブランド、商品、サービスに対して顧客がどれくらいの愛着や信頼を持っているか表す指標。
これらはすべて、いわば「守りの指標」です。
顧客との関係性を壊さないこと、離脱させないことが第一義になっています。
一方で、アップセルやクロスセルは、営業活動のど真ん中にある動きです。
別部署の探索、課題のヒアリング、価格や機能のネゴシエーション。
守りの指標を持っている人に、そのまま攻めの指標を乗せるとどうなるでしょうか。
無理に提案すれば関係性が悪化するリスクがありますし、攻めれば攻めるほど本来のKPIとトレードオフになってしまいます。
結果として、どっちつかずになりやすいのです。
これはCSの能力の問題ではなく、役割設計そのものの問題です。
関係性を維持することと、売りに行くことを同時に成立させるには設計が必要で、役割としては分けたほうが機能しやすいケースが多いと感じています。
顧客の文脈は、受注の瞬間にどこへ消えるのか【情報設計】
ここが今回いちばんお伝えしたいところです。
受注した瞬間、マーケが積み上げてきた顧客の文脈は、どこへ行くと思いますか?
実は、ほとんど消えてしまうことが多いのです。
どんな課題感でリードになったのか、どんな比較軸で検討していたのか、どんな期待値を持って契約したのか。
この情報は、マーケとインサイドセールスの間では引き継がれても、受注した瞬間にCSへは渡らないケースがよくあります。
CSが初回のキックオフからまた一からヒアリングし直すと、顧客からすれば「それ、最初にお伝えしましたよね」という体験になってしまいます。
顧客の文脈が、最初の接点から受注後まで途切れず流れる設計になっているかどうか。
これが一つ目の分かれ目です。
そして、逆方向の情報の流れも同じくらい大切です。
CSが現場で拾っている顧客の声、活用が進まない理由、追加で欲しい機能。
こうした情報が、マーケや事業側にきちんと戻っているでしょうか?
ここが途切れていると、マーケは新規リード獲得ばかりに意識が向き、既存顧客の中に眠っている機会に気づけなくなります。
カスタマーインサイドセールスという第三の役割【プロセス設計】
では、実際にどうすればアップセルやクロスセルを再現性高く生み出せるのか。
ここで、私が支援先でも実際に取り入れている考え方をご紹介します。
「カスタマーインサイドセールス(CIS)」という役割です。
CSとCISの役割分担
役割を分けるとすると、次のようなイメージです。
CSは、関係性構築・活用支援・継続利用に専念します。
その横で、CISが別部署や他拠点、子会社のリストアップ、仮説ベースでのアプローチ設計、必要に応じたアウトバウンド活動を担い、営業につなぐための商談の芽をつくっていきます。
既存顧客起点の新規開拓
この動きは、既存顧客を起点にした新規開拓に近いものです。
CSが持っている顧客情報をインプットしながら、営業として攻める役割を別に立てる。
この分業によって、CSは本来の役割に集中でき、アップセル側は攻めの動きに専念できます。
結果として、両方の再現性が上がっていきます。
実際、支援先の事例でも、このCISの動きを取り入れてから、グループ企業や他拠点のリストアップから商談を生み出す動きが回り始め、既存顧客だけあって商談化率も受注率も新規リードよりずっと高い数字が出ています。
関係性の土台がある分、当然といえば当然かもしれません。
まとめ
受注はゴールではなく、そこから先の継続とLTVに向けたプロセスのスタート地点です。
CSに関係性維持とアップセル・クロスセルの攻めまで背負わせないこと。
情報設計とプロセス設計で役割を分業し、マーケ側でも受注後の数字まできちんと追うこと。
この三つが揃って初めて、既存顧客からの売上が仕組みとして再現できるようになります。
自己診断チェックリスト
自社の状況が気になった方は、次の項目を確認してみてください。
* 受注時の顧客の文脈(課題感・比較軸・期待値)は、CSに引き継がれているか
* CSが拾った顧客の声は、マーケや事業側にフィードバックされる仕組みがあるか
* アップセル・クロスセルの役割は、CSの関係性維持と分けて設計されているか
* マーケが追うKPIは、アポ・受注だけでなく継続やLTVまで含まれているか
* 既存顧客からの商談創出を、新規開拓と同じように仕組みとして捉えられているか
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もし今、御社が受注した後の情報がどこかで途切れていないか、CSにアップセル・クロスセルの攻めの役割まで背負わせてしまっていないか、気になった方は、BtoB売上構造診断シートを使って一度可視化してみてください。
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こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。
「失注した案件、そのままCRMに眠らせていませんか?」
営業を続けていると、こういう瞬間って誰にでもあると思うんです。
「今回は予算が厳しくて」
「今は体制が整っていなくて」
と言われて商談が流れる。
ステータスを「失注」に変えて、そのまま案件は動かなくなる。
でも実はその失注リストの中に、まだ使える情報と、まだつながっている関係性が眠っているとしたらどうでしょうか。
この記事では、失注を「終わり」ではなく「育成の入口」として扱うための考え方と、実際に何を記録し、どう再アプローチすればいいのかを、具体的なチェックリストつきで整理します。
理由はシンプルで、見込み客の多くは「今すぐ客」ではなく、今はまだ検討タイミングではないだけの相手だからです。
この視点を持てるかどうかで、同じ失注リストが「損失」にも「資産」にもなります。
こちらの記事をご覧いただければ、自社の失注案件をどう仕組みで拾い直せばいいか、その設計図がイメージできているはずです。
ぜひ最後まで読んでみてください。
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失注は終わりではなく入口である
多くの会社は、失注した瞬間にその商談を「終わったもの」として扱います。
CRMのステータスを「失注」にして、それで完結です。
でも、これはとてももったいないことをしています。
実際にお客様が話している内容をよく聞いてみると、「今回は予算が厳しくて」「今は体制が整っていなくて」というのは、要するに「今じゃない」だけであって、永遠に「ノー」と言っているわけではないケースがほとんどなんです。
失注は、案件の終わりではありません。
むしろ、中長期的な関係づくりの入口だと捉え直す必要があります。
なぜ多くの会社は失注で思考を止めてしまうのか
ここを構造で分解してみます。原因は大きく3つあると考えています。
「失注」という言葉が思考を止めさせる
「失注」と記録した瞬間、頭の中で「この案件はもう終わり」というスイッチが入ってしまいます。
言葉が持つ力は大きく、この一言が次のアクションの芽を摘んでしまうのです。
KPIが「今月の受注」に寄りすぎている
営業もインサイドセールスも、目の前の数字を追いかけるので精一杯になりがちです。
3ヶ月後、半年後にもう一度連絡するという発想自体が、評価制度の中に組み込まれていない会社がほとんどです。
だから誰も悪気なく、失注リストをそのまま眠らせてしまいます。
失注理由を次のアクションにつなげる仕組みがない
「なぜ失注したのか」を営業担当者の頭の中だけに残し、CRMには「タイミング悪し」程度しか記録していない。
これでは、いざ再アプローチしようと思っても、何を手がかりにすればいいのか分かりません。
失注後に記録すべきことはたった2つ
私が大事にしている考え方はとてもシンプルです。
失注した時に記録するのは、次の2つだけです。
* なぜ今回は決まらなかったのか、という理由
* その理由に基づいて、いつ頃また連絡するのが適切か、というタイミング
たったこれだけです。
そして実際にそのタイミングで連絡すると、お客様の反応は大きく変わります。
「え、覚えていてくれたんですか」という一言が返ってくることが多いのです。
この一言が出るかどうかが、実はものすごく大きな意味を持ちます。
単なる売り込みの電話ではなく、「あなたが話してくれたことを、私はちゃんと覚えています」というメッセージとして届くからです。
ここで、お客様との関係性は大きく変わります。
見込み客の8割は「今すぐ客」ではない
視点をもう少し広げてみます。
そもそも見込み客の8割ほどは「今すぐ客」ではないと言われています。
イノベーター理論でいうところの、まだ課題を自覚しきっていない、あるいは検討の優先順位がまだ高くないマジョリティ層です。
この層に対して、いきなり「今すぐ買ってください」というアプローチをしても響きません。
だからこそ、失注した相手を「もう終わった人」ではなく「まだ今じゃないだけの、育てるべき見込み客」として扱う視点が欠かせないのです。
失注ナーチャリングを支える3つの設計
ここで、このメルマガで繰り返しお伝えしている「KPI設計・情報設計・プロセス設計」の3本柱につなげていきます。
この3つが噛み合って初めて、失注は「損失」から「資産」に変わります。
KPI設計
KPI設計では、失注を「失注」の一言で終わらせず、「保留」「ナーチャリング戻し」というステータスをきちんと用意します。
インサイドセールスの評価指標にも「再商談化率」や「育成案件の案件化数」を組み込む必要があります。アポ取得数だけを追わせている限り、この動きは生まれません。
情報設計
情報設計では、失注理由をただの一言メモにせず、「タイミング未到来」「予算なし」「競合優位」「担当者の温度感が低い」といった形で分類します。
理由が分類されていれば、いつ、どんな切り口で再アプローチすべきかが見えてきます。
ここが曖昧なままだと、せっかく記録しても活用できません。
プロセス設計
プロセス設計では、フィールドセールスが「今は難しい」と判断した案件を、失注で終わらせずインサイドセールスに戻します。
そしてインサイドセールスが30日後、60日後、90日後といった節目で再接触し、温度感が上がったタイミングで再びフィールドセールスに戻す。
この往復の流れを、感覚ではなく仕組みとして設計しておくことが重要です。
まとめ
失注は案件の終わりではなく、育成の入口です。そしてそれを資産に変えるためには、KPI・情報・プロセスという3つの設計が欠かせません。
もし今、自社の失注リストがCRMの中で眠ったままになっているとしたら、それはまだ活用されていない宝が眠っている状態かもしれません。
自社診断チェックリスト
自社の失注フォローがどこまで仕組み化できているか、以下でチェックしてみてください。
* 失注案件を「失注」以外のステータス(保留・ナーチャリング戻しなど)で管理できているか
* 失注理由をカテゴリ別に分類して記録しているか
* 再アプローチの目安時期を、案件ごとに記録しているか
* インサイドセールスの評価指標に「再商談化率」などの中長期指標が含まれているか
* フィールドセールスからインサイドセールスへ案件を戻す運用ルールがあるか
当てはまらない項目が多いほど、失注リストの中に眠ったままの機会が多いということになります。
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自分たちのどこでつまずいているのか構造的に把握したいという方には、『BtoB売上構造診断シート』をご用意しています。
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こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。
「アポは取れているのに、なぜか商談化しない」
「フィールドセールスから“このリード、温まってないですよね”と言われる」
インサイドセールスを運用している会社なら、一度はぶつかったことのある悩みではないでしょうか。
今回は、この商談化率が伸び悩む本当の原因を、インサイドセールスとフィールドセールスの「受け渡し」という切り口から整理します。
実は多くの場合、原因はアポ取得の質そのものではなく、その後ろにある情報設計にあります。ここを見直すだけで、同じアポ数でも商談化率は変わってきます。
ぜひ最後まで読んでいただき、自社のトスアップの現状を振り返るきっかけにしてください。
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商談化率が伸びない、本当の原因
BtoB企業でよくあるのが、「アポは取れているのに、商談化しない」「商談化しても受注につながらない」という状態です。
こういう相談を受けると、多くの経営者や営業責任者は「アポ取得の質が低いのではないか」「インサイドセールスのトーク力に問題があるのではないか」と考えます。
もちろんそれが原因のこともあります。ですが、現場を見ていくと、実はもっと構造的なところに原因があるケースが少なくありません。
それが、インサイドセールスからフィールドセールスへの「トスアップ」、つまり情報の受け渡しの設計です。
よくある誤解|「アポが取れた」で終わっていないか
CRMを見ると、「架電済み」「アポ取得」といったステータスはきちんと更新されている。
数字上は、インサイドセールスの仕事は完了しているように見えます。
しかし、その顧客が何を考えていたのか、何に困っていたのか、どういう温度感だったのか。
ここがフィールドセールスに伝わっていないことが、実はとても多いのです。
その結果、商談に入ったフィールドセールスは、また一からヒアリングをやり直すことになります。
顧客からすれば「さっき電話でも話したのに」という体験になり、印象を損ねてしまいます。
つまり、情報の受け渡しが「事実の羅列」で止まっていて、「文脈の共有」まで進んでいない。これが、商談化率が伸び悩む本当の原因なのです。
本質の解説|なぜ「事実」だけになってしまうのか
なぜ、多くの現場でこうしたことが起きるのでしょうか。
一番の原因は、KPIの設計にあります。
マーケティングはリード数を、インサイドセールスはアポ数を、フィールドセールスは受注数を追う。
それぞれが自分の数字さえ達成すればよいという設計になっていると、インサイドセールスにとっては「アポの数さえ確保できれば評価される」状態になります。
これは担当者個人の意識の問題ではなく、評価される指標がそうなっているために自然と起きる、組織設計の問題です。
質より量に寄っていくのは、ある意味で合理的な行動なのです。
その結果、フィールドセールスに渡るのは「アポが取れました」という事実だけになります。
なぜ資料をダウンロードしたのか、今どのフェーズにいるのか、社内でどういう立場の人なのか。
こうした文脈が抜け落ちたまま、商談だけが積みがっていきます。
「事実の羅列」と「文脈の共有」の違い
渡し方:事実の羅列内容:資料DLあり/架電済み/アポ取得商談での起き方:「今どんな状況ですか」から再ヒアリング
渡し方:文脈の共有内容:資料DLの背景にある意図・検討フェーズ・社内の立場商談での起き方:冒頭から文脈を踏まえた商談ができる
実務への落とし込み|資料DL後の一本の電話で何を聞くか
具体例で考えてみましょう。
ある見込み顧客が「SNS攻略資料」をダウンロードしたとします。
ここでインサイドセールスがよくやってしまうのが、「資料ダウンロードありがとうございます。何かお困りごとはありますか」と聞くだけの、受け身の対応です。
これでは顧客側もふわっとした答えしか返せず、「特にないです」で終わってしまいがちです。
一方で、「この資料を読まれたということは、これから新しくSNSを始めようとされている段階でしょうか、それとも既存アカウントの運用で課題にぶつかっているのでしょうか」と聞けたらどうでしょうか。
前者はただの確認、後者は顧客の行動の裏にある意図を引き出そうとする質問です。
この「これから始めたい段階なのか、それとも課題にぶつかっている段階なのか」という情報がフィールドセールスに渡っているかどうかで、商談の入り方はまったく変わってきます。
また、この構造をさらに難しくしているのが、AIによって接触量をいくらでも増やせる今の時代です。
文脈を無視した量だけのアプローチは、顧客体験を悪化させ、結果的にブランドの価値を下げてしまいます。
同じような架電やメールが何度も続けば、顧客側にネガティブな印象が残り、それが口コミやSNSでのマイナスな発信につながるリスクさえあります。
だからこそ、リストの作成や優先順位づけ、定型的な連絡といった部分はAIに任せながら、顧客自身も言語化できていない課題を整理すること、社内の意思決定構造を把握することといった非定型な部分は、人が担うべきなのです。
この「文脈を引き出して、渡す」という役割こそが、これからのインサイドセールスの価値になっていくと考えています。
まとめ
商談化率が上がらない原因は、アポ取得の質の問題に見えて、実はその奥にある情報の受け渡し、つまりトスアップの設計に問題があることが多いです。
事実だけを渡すのではなく、顧客の行動の裏にある文脈まで渡す。
これができているかどうかで、商談の入り方も、受注率も変わってきます。
もし今の自社のトスアップが、CRMのステータス更新だけで止まっていないか、一度振り返ってみてください。
自己診断チェックリスト
* CRMには「架電済み」「アポ取得」以上の情報が記録されているか
* 引き継ぎ項目はテンプレート化されているか(検討フェーズ、課題の顕在度、社内の意思決定構造など)
* インサイドセールスの評価は、アポ数だけでなく商談化率・受注率まで含んでいるか
* フィールドセールスからインサイドセールスへ、リードの質をフィードバックする場があるか
* 資料DL後の架電で、行動の裏にある意図(インテント)まで確認できているか
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「電話がつながらない」
「アポ取得の数が減っている」
インサイドセールスの現場で、こんな悩みを抱えている方は本当に多いんじゃないかと思います。
実はこの背景には、受付代行やAI受電サービスの普及によって、担当者への接触率そのものが構造的に下がっているという事情があります。
今回は、その構造を整理した上で、AIが人間より先にメッセージを判定する時代に、架電をどうアップデートすればいいのかをお伝えします。
留守電やSMSの使い方を少し変えるだけで、これまで「接触できなかった」で終わっていた案件が、数ヶ月越しに商談化することもあります。
ぜひ最後まで読んでいただき、自社の架電のやり方を見直すきっかけにしていただけたら嬉しいです。
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架電は終わっていない|「電話だけ」で完結する時代は終わった
最近、携帯電話にかけるとAIが一次受けをして要件を求められたり、オフィスにかけると受付代行会社が一次受けをしていたり、以前に比べて電話がつながりにくくなったと感じることが増えました。
このまま架電という手段自体が終わってしまうのではないか、と不安に思う方もいるかもしれません。
先に私の考えをお伝えすると、架電という手段そのものが終わったわけではないと思っています。
終わったのは、リストの上から順番に電話をかけて、つながらなければそれで終わり、というやり方です。
今、担当者に電話で接触できる割合は、業界やターゲットにもよりますが、10%から15%ほどと言われています。
場合によっては数%まで落ちることもあります。
つまり、架電の8割から9割は「担当者と話せない時間」になっているということです。
これだけ聞くと、「もう電話は非効率なんじゃないか」と思う方も多いはずです。
でも私の見解は逆で、架電の価値はむしろ上がっていると感じています。
ただし、電話一本で完結させようとする設計のままだと、その価値を取りこぼしてしまいます。
なぜ「つながらない」が構造的に起きているのか
なぜここまで担当者に接触しづらくなったのか、構造から見ていきたいと思います。
理由は、受付代行サービスやAI受電サービスが増えたこと、そして担当者名が分からない電話は取り次がない運用をする企業が増えたことです。
加えて、今起きている一番大きな変化は、AIが人間より先にメッセージを判定するようになったということです。
留守番電話の自動文字起こし、SMSの自動仕分け、AI受付、自動音声スクリーナー。
こういった仕組みが一気に広がっています。
つまり、私たちが「顧客に電話している」つもりでも、実際には最初に顧客企業のAIフィルターによって判定されている、という構造に変わってきているんです。
このAIは、その連絡が重要かどうか、誰につなぐべきか、ノイズかつなぐべき電話かを、短い情報だけで判定します。
ここを考慮せずに昔ながらのやり方で勝負しようとしても、担当者につながる前に弾かれてしまうんですね。
じゃあどうするか。ここで大事なのは、AIの存在に嘆くのではなく、人間の心理とAIの判定構造、両方を踏まえて戦術をアップデートすることです。
具体的には、次の3つのポイントがあると考えています。
①AIによる一次受けを前提に留守電を残す
以前は、留守電を残しても後で聞かれないケースが多かったと思います。
忙しい担当者ほど、録音をわざわざ再生して確認するのは手間になりますから。
でも今は、留守電の内容がAIによって自動で文字起こしされ、テキストで届くようになっています。
忙しい決裁者や担当者ほど、録音を聞くよりテキストで要件を確認したいはずです。
だからこそ、留守電の価値は以前より上がっていると私は感じています。
「どうせ聞かれないから」と留守電を残さないのは、今の時代ではかなりもったいないことだと思います。
②SMSも録音もテキスト化されて届くことを前提に動く
留守電と同じ構造が、SMSにもあります。
電話に出られなかった相手に対して、要件が端的にテキストで残っていれば、それが折り返しや返信のきっかけになります。
ここで大事なのは、「音声で話す前提の言葉遣い」と「テキストで読まれる前提の言葉遣い」は違う、ということです。
電話なら多少回りくどくても、声のトーンや間で伝わることがあります。
でもテキスト化されると、その情報はすべて削ぎ落とされて、文字の情報だけが残ります。
だから、誰が、何の用件で、何を確認したいのかを、短く明確な言葉で残す必要があるんです。
③最初の2行で開くかどうかが決まる
SMSは、通知画面やロック画面ではプレビューの数行しか表示されません。
タップして全文を開いてもらえるかどうかは、その最初の2行で決まります。
ここに、「自分に関係がある」「今の自分に必要だ」と一瞬で判断してもらえるキーワードを置けるかどうか。
会社名や、相手が抱えていそうな課題に関わる言葉、緊急性を感じさせる言葉、こういったものを冒頭に凝縮できるかどうかで、その先を読んでもらえるかが決まってしまいます。
この3つに共通しているのは、「人間に届く前に、AIやメッセージのフィルターを通っている」という前提を持つことです。
ここまで考えて架電アプローチを設計できている会社と、できていない会社とでは、同じ架電数をかけても反応率がまったく変わってくると感じています。
電話は「アポ獲得の手段」から「一次情報を取りに行くチャネル」へ
もう一つ、大事な発想の転換があります。
これまで多くの会社は、架電の成果を「つながったかつながらなかったか」だけで評価してきました。
でも、これからのインサイドセールスに必要なのは、電話を単なるアポ獲得の手段ではなく、「顧客理解の一次情報を取りに行くチャネル」として捉え直すことだと思っています。
例えば、担当者につながらなくても、部署名が分かった、担当者名が分かった、競合サービスを使っていることが分かった、今はタイミングではないけれど数ヶ月後に動きそうだ。
こういった情報は、今すぐのアポ取得にはならなくても、未来の商談を作る重要なシグナルになります。
ここで問題になるのは、この情報を「接触できなかった」の一言で切り捨ててしまうことです。
接触できなかった企業も見込み情報としてきちんと管理して、電話・留守電・SMS・メール、こういった複数の接点を組み合わせて、数ヶ月先の商談化を設計していく。
こうした架電設計が、これからのスタンダードになっていくと考えています。
【事例】1回で終わらせなかった架電
ここで、とある企業であった話を紹介します。
最初の架電では担当者につながらず、受付で止まってしまったケースがありました。
多くのインサイドセールスは、受付NGだからという理由でそこで終わりにしてしまいます。
でも、このケースでは、まず留守電を残しました。
要件を10秒ほどで端的に伝える内容にして、AIによる文字起こしで担当者に届くことを見込んだ上で、「誰が、何の目的で、どんな価値を提供できるか」を冒頭に凝縮しています。
翌日には、SMSでも同様の要件を送っています。
ここでも最初の2行に、相手の業界でよくある課題のキーワードを置いて、タップして続きを読んでもらえるようにしました。
結果として、電話をかけた当日には反応がなかったものの、数日後に担当者本人からSMSへの返信があり、そこから日程調整のやり取りが始まって、最終的に商談化に繋がっています。
このケースのポイントは、「1回の架電で決着をつけようとしなかった」ことです。
架電、留守電、SMS、これらを組み合わせて複数の接点で情報を積み重ねていった結果、商談に繋がりました。
AIが発展したことによって、これまで商談化しなかった案件が商談に繋がった、そんな例だと思っています。
まとめ
架電がつながりにくくなった背景には、受付代行やAI受電サービスの普及という構造的な理由があります。
ただ、これは架電という手段が終わったことを意味しません。
留守電やSMSがAIによってテキスト化されて届くという前提を踏まえて言葉を設計すること、そして電話をアポ獲得の手段ではなく一次情報を取りに行くチャネルとして捉え直すこと。
この2つの発想転換ができれば、架電の価値はむしろ上がっていくはずです。
セルフチェックリスト
* 留守電を「どうせ聞かれない」と諦めて残していないか
* 留守電やSMSの文章を、テキストで読まれる前提で設計しているか
* SMSの最初の2行に、相手が「自分に関係がある」と判断できる言葉を置けているか
* 担当者につながらなかった架電の情報を、CRMやSFAに残しているか
* 「接触できなかった」案件を、数ヶ月先の商談化を見据えて管理する仕組みがあるか
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