本日のこのコーナーでは、この3月に台湾で出版された、日本人ライター、栖来ひかりさんの標準中国語によるエッセイ集「台湾万華鏡」をご紹介いたしましょう。2017年、栖来さんが台北を中心とした台湾の三叉路、Y字路に埋もれた物語を掘り起こしたエッセイ、『時をかける台湾Y字路 ─記憶のワンダーランドへようこそ』を出版された際、私どもの番組に出演頂いたことをご記憶にある方もいらっしゃるかもしれませんね。また近年は、様々な日本のウェブメディアでも活躍されていますので、ご存知だという日本のリスナーの方もたくさんいらっしゃることと思います。

「私が台湾で考える、日本と台湾のあいだ」という副題がついた「台湾万華鏡」には、29篇のエッセイが収められています。このうち24篇は多言語発信ウェブサイト「ニッポンドットコム」に、他の5篇はWEBマガジン「WEDGE Infinity」に掲載された原稿がベースとなっていますが、出版にあたり、一部のエッセイには改めて栖来さんによるコメントがつき、内容への理解をより深めることができます。また、栖来さんは、表紙や各エッセイの挿絵も手掛けており、温かみあふれる本となっています。台湾について、日本との歴史的なつながりについて、様々な角度から知識を深めることができるその内容について、ご紹介いたしましょう。