本日のこのコーナーでは、台湾の近代美術界を代表する画家、陳澄波の生誕130周年記念の特別展についてご紹介いたしましょう。

なぜ、このコーナーでご紹介するかといいますと、日本統治時代の台湾で絵画の技法を身に着け、東京美術学校、現在の東京藝術大学に学んだ陳澄波が日本とゆかりの深い画家であることはもちろんですが、今回展示されている8作品のうち、実に2作品が日本から貸し出されたものだからなんです。

台湾語で「私たちの居場所を探して」を意味する「走揣 咱的所在」の題名がついた生誕130年特別展は、台北市の中心部、台北MRTのグリーンライン(松山新店線)の北門駅にほど近い、国立台湾博物館の鉄道部特別展示エリアで昨年12月3日からスタート、5月11日まで開催されます。

台湾の自然環境にとって欠かせない「黒潮」、「北回帰線」、「季節風」という3つのテーマ別に陳澄波の作品を展示、さらに、植物や魚類の標本など台湾の自然に関する国立台湾博物館の収蔵品をあわせて展示することにより、特徴ある台湾の土地、生態系、多様性ある文化について、より多角的に、より深く学ぶことができます。