ナルワンアワー(金曜日)

ナルワンアワー(金曜日) - 2025-03-14-【TSMCの町に日本と台湾の交流拠点「日台会館」オープン“台湾タウン構想”】


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今回は、現在、世界から注目を集める半導体受託製造世界最大手のTSMCが進出する日本の熊本県・菊陽町と台湾の間で新たに始まった交流についてです。

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人口約4万3000人ほどの菊陽町ではすでにTSMCの第1工場が昨年12月から本格稼働を始めているほか、現在第二工場の計画も進んでおり、2027年末までの稼働を目指しています。これにより熊本県内に移住して暮らす台湾人は増加しています。その数は、昨年6月時点で1753人と前の年の同じ時期と比べて3.4倍に上っています。そのため、菊陽町一帯のスーパーでは店内に台湾の食材を陳列するコーナーを設けるなどして対応しています。

そんな台湾と日本の架け橋役ともなっている菊陽町に今月3日、ある施設がオープンしました。その名も「日台会館」。台湾料理を提供するレストランや台湾の商品を販売するお店、また、宴会場や結婚式場までもが入る複合施設で、台湾の食や物産、文化を熊本をはじめとした人々に紹介する場となります。場所はTSMC熊本工場や熊本空港の近くということで、近くに暮らす台湾人にとっても嬉しいニュースとなりました。

ではどの企業が関わっているかというと、台湾で結婚式場や海鮮をベースにした創作料理を提供する飲食店ブランドを複数展開する上場大手、「御嵿(オクチョウ)グループ」と、熊本県内で結婚式場などを運営する熊本県八代市の「出雲総業」が業務提携をしたことで実現しました。御嵿グループが菊陽町にある敷地面積6600平方メートルの結婚式場を出雲総業から買い取り改装した場所にオープンし、運営は御嵿グループが行い、出雲総業がノウハウを提供し、助言や宴会などでのサポートを行うということです。今回の施設開業は御嵿グループの「熊本台湾タウン」を作り出す構想の一環で、御嵿グループはこれで初めて日本へ進出した事になります。今後、熊本市内などにも展開し、熊本における台湾タウンを広げる予定だと発表しています。

実際に、日台会館にはどのようなお店が入っているのかというと、現時点では本格的な台湾料理や北京ダック、点心などを提供する高級レストランと結婚式場、最大160人を収容できる宴会場が入り、夏頃にはさらに牛肉麺や台湾スイーツを気軽に楽しめる喫茶スペースも開業する予定という情報もあります。

グランドオープンの日に開催された記念式典には台湾と日本から各関係者が一堂に会しました。その中には御嵿グループの孫正強・董事長や李日東・副董事長、近年熊本県とさまざまな交流を展開している台南市の黄偉哲・市長、台北駐大阪経済文化弁事処福岡分処の陳銘俊・処長、熊本県の木村敬知事、熊本県菊池市の江頭実市長のほか、熊本銀行の坂本俊宏頭取、先月開局したばかりの台湾日本研究院九州支部の隈本直樹支部長も出席し、共に台湾と日本の新たな交流の場の門出を祝福しました。また、TSMCを題材にしたドキュメンタリー番組を制作中という海外メディアの姿もみられ、日本のメディアの取材に対し「台日関係の歴史的瞬間を捉えるために来た」と話しました。このことからも、熊本だけでなく台湾側も日台会館オープンに注目していることがわかります。

式典の中で黄・台南市長は、「日台会館は台湾からの商品も販売するため、果物やサバヒーといった台南を代表する農水産品も将来販売される。是非、日本の消費者に味わってもらえたら」と期待を寄せました。

*私からの一言

今後の更なる発展を楽しみに待ちたいと思います。

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ナルワンアワー(金曜日)By 豊田 楓蓮, Rti