ナルワンアワー(金曜日)

ナルワンアワー(金曜日) - 2025-03-21-【震災支援に感謝とエール 山形の酒蔵が花蓮の米使用の日本酒販売】


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「東日本大地震」、この言葉を聞き皆さんは何を思いますか?私は当時まだ小学生だったにも関わらず、今でもあの時のことを鮮明に思い出します。3月11日は私たち日本人にとって忘れられない日であり、また、台湾との友好的な関係を再認識できる日でもあります。復興には多くの時間がかかりましたが、そんな中でも台湾からの沢山の暖かい支援があったことも忘れてはなりません。

という事で今回のナルワンでは、共に地震の多い台湾と日本の、大地震がきっかけで生まれた繋がりについてご紹介します。

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というのも、日本・山形県の人口約2万人ほどの町、高畠町の酒造会社「米鶴酒造」が震災の際台湾から寄せられた支援へ感謝の気持ちを込め、台湾産の米を原料にした日本酒を完成さたのです。このお米というのは台湾東部・花蓮県の高品質な食用米「台東30号」という銘柄。昨年4月にマグニチュード7.1という大規模地震が発生した花蓮県の産業復興に一役買いたいと高畠町で300年以上歴史のある「米鶴酒造」がこのお米を使うことに名乗りを上げて実現しました。花蓮での地震発生から8ヶ月後、被災地で栽培されていた「台東30号」を1トン購入し、自社の酒造ノウハウを結集させ、台湾と日本の助け合い精神を体現した日本酒となりました。ラベルには、英語で「Tohoku to Taiwan(意味:東北から台湾へ)」という表記と、「福」という漢字を逆さにした文字が描かれています。中華圏でこの文字は「福がやって来るように」との願いを表す縁起の良い意味を持っています。「米鶴酒造」によると、この日本酒はやや辛口、葡萄や白桃のようなフルーティーな味わいが特徴的で、アルコール度数は15%、限定1,700本の販売を予定しており、先月18日からすでに台湾と東北地方で販売が始まっています。

ではなぜ高畠町が台湾産のお米を使ったお酒を造るほど台湾に特に思い入れがあったのか?それは、2004年に町内に台湾の半導体企業が進出し、町関係者が台湾を訪問するなど東日本大地震以前から台湾と親交があったため。震災時に震度5弱を観測した高畠町にある「米鶴酒造」は積んでいたお酒の瓶が割れたり、お米を蒸す窯の壁が崩れたりと被害を受けました。後に台湾から日本へ総額250億円以上の義援金が寄せられたこと、それに昨年4月の花蓮県でも大きな地震が起きたことを知り、「台湾に恩返しがしたい」との思いで町と共に企画を考えたといいます。

「米鶴酒造」によると、社名の「米鶴」は、日本に伝わる有名な民話「鶴の恩返し」に由来し、「感謝の気持を伝える」ことを第一のモットーにお酒造りに邁進しているといいます。

発売から3日後の先月21日には日本の農林水産省に相当する農業部の胡忠一・政務次長(副大臣)が、高畠町の高梨忠博町長、「米鶴酒造」の梅津陽一郎社長のほか、町の観光振興部門や商工会の代表者が所属する台湾訪問団の表敬訪問を受けました。梅津社長はこの日本酒を自ら持参し、14年前の台湾から日本への惜しみない寄付と支援に心からの感謝を伝えました。また、「台湾では日本酒の人気が高い。台湾で起きた地震の復興支援を目的にしているので、多くの台湾人に味わってもらいたい」と話しました。一方、胡・政務次長は、「花蓮県と山形県が、共に地震などの災害対応に取り組んでいくこと、そしてこれからも今回のような新たなビジネスチャンスに期待したい」と意気込みを語りました。

*私からの一言

もちろん自然災害は起きないに越したことはありませんが、台湾も日本も共に避けては通れない課題です。今後もさまざまな形で助け合いが続いていくといいですね。

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ナルワンアワー(金曜日)By 豊田 楓蓮, Rti